幡野広志

写真家、元狩猟家、血液がん患者。 お仕事のご相談はこちらに hatanohiroshi0301@gmail.com

鹿児島の思い出。

むなしいなぁ…とおもうときがある。“かならず病気が治りますよ、頑張ってください。”というなんの根拠もない励ましをされたときだ。病気になると健康な友人は減るけど、病人の友人は増える。

ぼくにはある友人がいる。4年前に乳がんを罹患して、手術と抗がん剤で完全に治ったと信じていた。ところが去年になって再発、肺への転移もあった。

4年前に乳がんを宣告されたときは、頭が真っ白になったそうだ。頭が真っ白にな

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花のれんタリーズ なんばグランド花月店

大阪に花のれんタリーズがあります、なんばグランド花月の一階です。

正式名称は花のれんタリーズコーヒーなんですけど、マクドナルドをマクドってよぶぐらいの地域だから、利用客のほとんどは花のれんってよんでいるとおもう。ちょっとせっかちな常連さんは花ってよんでるんじゃないかな。「ほな、花でレーコーのもか。」みたいな感じ。

吉本興業の女性創業者・吉本せいさんを主人公のモデルにした、山崎豊子さんの小説“花

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3歳の誕生日。

息子が3歳になった。ちょうど誕生日の夜に熱海で花火大会があることを知った。
出発した日は大雨だけど、翌日は晴れるという天気予報だ。

去年のいまごろは泣くか笑うという表現でしか主張ができなかったのが、いまでは言葉で主張するようになったので、子育てがとてもラクになった。
食べたいもの、飲みたいもの、遊びたいこともすべて言葉でいってくれる。

親子そろって好きなことをやって、嫌なことをしない日々を送っ

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ママを探す、お父さんとの冒険。

妻はぼくのことをお父さんとよび、ぼくは妻をお母さんと呼んでいる。

でも息子の生きる世界では、だれかにぼくたちのことをパパママと呼ばれることが圧倒的におおい。だから息子はぼくのことをおとーさん、妻のことをママと呼んでいる。

ぼくのことをパパと呼ばないのは、だれかにパパと呼ばれる回数よりも、妻が息子にぼくの話をしている回数がおおいからだとおもう。

この日は職場の食事会が夜にあり、18時す

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ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。

ぼくは作品が有名になってほしいとおもったことはあるけど、自分自身がタレントや文化人のように有名になりたいとおもったことは一度もない。講演会やイベントなど人前は苦手だし、取材などで写真を撮られるのも苦手だ。撮られる側になってみてわかったことだけど、写真を撮られるのというのはストレスだ。

それでも病気になってから“有名にならなければいけない。”とおもうようになった。有名になって女性にモテたいとか、お

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気仙沼

東日本大震災から8年がたった。

黒い津波が畑と住宅をのみこむ映像をNHKが中継していたことを鮮明に覚えている。時刻は16時ぐらい、東の海から上ってきた津波が西日にあたり、ぼくは美しさのようなものを感じてしまい、いまこの瞬間にここに行って写真を撮りたいとおもった。

甚大な被害があることは容易に想像ができた、いまふりかえれば恐怖心から一種の現実逃避だったのかもしれない。

“ファインダーをのぞ

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