tamayan

はじめまして。 年齢は53才増女性の悲哀を詩に込めたいと思います。 何とぞよろしくお願…

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はじめまして。 年齢は53才増女性の悲哀を詩に込めたいと思います。 何とぞよろしくお願い致します。

最近の記事

回想  

アル中だった わたしの母さん 緑のラベルの ビール好んだ 乾きものさえ 摘んでなかった 今のわたしなら 少しは気の利く あても作れる そんな娘だったら 母さん 酒に溺れて いかなかったって 想ってみたって 今のわたしだったら 酒に溺れた こころの虫喰い 理解も出来るって 想ってみたって その時  わたしもわたしで いろいろ大変だったのよ だから 母さん あやまらない

    • スカイツリーDEディスコ

      スカイツリーDEディスコ 悲しい気持ちで リズム刻む。 昨夜死んだ 僕のにゃんこ、細い目をして 宇宙から僕を見てる。 そんな得のある僧侶のような かおをして、 真理でも悟ってしまったのかよ、 にゃんこ。 ごま化すなよ、 キャット。 何だよ、何もごま化してないさ にゃんこ。 どうして教えてくれなかったんだ、 キャット。 どうして、 死ぬって言ってくれなかったんだよ キャット。 そうだったのか、 にゃんこ。知っていたかったのか…。 分からなかった、キャット。 よく騙

      • 冬のよるに

        冬の深夜(よる) 駐輪場で 精算機にもたれ 君に口づけを 街路樹がざわめき まだ今生に 未練がある たましい達が 僕らに何かを 訴えて居るよう… 君のおかっぱ髪に 白く浮かぶ かおの輪郭が 何故か 切なく 涙が溢れそうになる 君の頬に 桃色のチークを のせたいな そうしたら 春が訪れるように 思えたんだ 僕たちにうず巻き コートの裾 揺らしだした たましい達の風が あまりにも 冷たかったから

        • じやあくな恋

          わたしは、 こんな何でもない日でも 河川敷へ出掛けて 鉄橋を行く電車に手を振ります。 不思議です。 追っ掛けながら手を振っていると、 涙があふれてきます。 電車は日に何十と行き過ぎるけれど、 そのつど涙があふれてきます。 葦の陰でおしっこをする時は 目を閉じて 瞑想をする習慣です。 ーー昨日の空も此の空も きっと誰かのこころの模様ーー どしゃぶつもどして思います。 わたしの欲望爆発の 所詮じやあくな恋だった。 舟が川を行く時は、船乗りさんへも ハンケチを振って さ

        回想  

          仏壇のお茶

          郊外の土地に月賦で建てた 2世帯住宅で、 仕事に出掛ける 娘夫婦の孫を見守り、 日々やり過ごす。 仏壇には、 亡夫の写真。 写真の前には、 冷めた宇治緑茶。 アルミ枠の窓を開けて 庭に出れば もくもく雲に 冴えたあおぞら。 太陽に向かう ヒマワリに、 「今日も咲いてくれて ありがとう」 と、ひと声掛ける。 畳に小さな 布団を敷いて アブアブ、機嫌のいい 孫むすめ。 台所へ行き、手を洗い スリキリ量って ミルクを作り、 「たくさんお食べよ」 と、赤子に飲ませる。 咀

          仏壇のお茶

          食卓

          昼なのに 暗いです 食卓は ビニールクロスの テーブルで 水玉どんぶりぬるま湯 はって 干したきのこを戻して絞り  切って刻んで 人参あぶらげと 甘く炊く。 プラのボウルに たまご割り入れ 卵液溶き混ぜ 菜箸で。 樹脂加工のフライパンに 油ひいて うすく焼き バットに上げる調理中。 黒トラキジねこ 脚にまとわりつくの 「危ない!」 と、座敷に投げた。 塩茹でえんどう4っつ 小皿に並べ ひと休み。  食卓で ねこの毛が付く 布張り椅子に腰掛けて 母のてづくり 10ね

          雨の後に

          ゲリラ豪雨のあと 神社の杜から 蝉しぐれ 枝から落ちた 夏柑が 泥に汚れて 自転車で走る 学生達 ひとびとを乗せる 路線バスの停車音 杜の近くの 街の雑踏 ぼくは アイスコーヒーを ストローで飲み飲み 立体歩道橋のうえから 道路を見ていた 舗装されたての アスファルトのにおいが 太陽に照り カゲロウになり 立ち昇り ブラックコーヒーの 味と交ざって

          雨の後に

          クレイジーガール

          「ピシャリ」 拍子木の音を あいづに ワーグナーの 狂ったメロディが 響きます。 街灯がてんでに並ぶ 雑に舗装された 田舎路で 白いワンピに 身を包み ゴツゴツあるく 私の脚は 濃紺の脚。 (でも、今は アロエの棘で 血が滲んでいます) 田んぼのアゼから、 蛙の声は金色(こんじき) にして。 夜にセミは騒ぎ すぐ脇を 救急車が誰かの 心を運び 走り過ぎました。 私はこれから 油の沼に 胃薬を投げ込みに 行くのです。 独り夜道を歩く。 「でも怖くない」 心に貞節を 持

          クレイジーガール

          六月の花子(むつきのかこ)

          1 あなたと旅した鳥取の 風がつくった砂の波 砂丘に浮かんだしんきろう。 あなたは幻覚? わたしは加害者? つかれてるんだ。 と、あなたは云った つかれてるんだ。 と、あなたは云った 2 あなたと旅した鳥取の 丘にのぼればアオいうみ。 水平線にしんきろう 六月のうみのしんきろう リネン シャツと シルクワンピース ふたりの陰のこころのカタチ。  ふたりの闇のこころのカタチ。 かさなり合った からだのカタチ。 (夢ではないかと じかんを見たら いまは午後のさんじはん)

          六月の花子(むつきのかこ)

          スカイツリーの新婚夫婦  

          私はチャカポコ 生きて来ました 太陽を慈しみ、 お月様に育まれ。 私の生まれた意味は何? 思い悩んだ思春期に 彷徨い歩いた 堀切の迷路道。 意味など要らぬ、と 教えてくれた 鉢に咲いてた名も知らぬ 美しき花。 22歳。 4っつの時から 片親で、 育ててくれた 父を失い。 相続相談へ出掛けた 「葛飾区役所」 彼方はその日の 当番弁護士。 彼氏は何故? 初見の私に、 寂しい私に、 厳しい事ばかり…。 「それぢゃ世の中通らない」 ほんとのやさしさ 初めて知った日。 京成

          スカイツリーの新婚夫婦  

          春の犬ねこ

          奥さんが、 土間のがまちに 腰かけて あずきときゃらぶき  炊きながら、 竹の子の皮を 一心にむく。 AMラジオ 居間から流れる (ぬか床キャベツの 発酵はすすみ…) 貧乏ゆすりの 花緒の足元  竹の子の皮が ごみの日を待つ。 寝るのに飽きた 犬さんと、 毛虫にじゃれてた ねこちゃんが、 仲良く並んで やって来て 「お母さん、家族がきっと うまいうまいとたべるよ」と 2匹で仲良く おやつを待ってた。 土曜の昼まえ 春の犬ねこ。

          春の犬ねこ

          幻覚の空

          精神神経科の帰り道。 ショッピングモールへ 立ち寄り 無印良品にて  肌着を、もとめる。 甘い菓子を 好んで食べるちかごろに Lサイズ の肌着を。 往来へ出ると 歩道のつつじの つぼみはふくらみ つつある。 バスの停留所には エコバッグを持つ 女の人が並ぶ。 「彼女たちの帰る場所は何処?」 と、考えつつ わたしは スカートのポケットの 蒼いガムに 手がのびる。 奥歯で噛み締め つぶやく。 「先生が好きなの」 見上げた空の雲が 悪魔のかおになって 滲む。 雲の繊

          幻覚の空

          モモちゃんのレバー

          ねこ学校の生徒たちが バスで 川越へ おいも掘りに遠足。 まえ脚で、 土をかいていると 興奮して もよおして おしっこを シャーッ。 「飼わせてあげてあげてる主 へプレゼント」 と、さつまいもいっこ 茶色の肉球で リュックに詰める。 おやつは 「モンプチクリスピーキッス」 ミックスグリルあじ。 お友達のモモちゃん、 乗りもの酔いで ゲボ吐いちゃった。 「鼻のいろ悪いよ」 モモちゃん…。 飼わせてあげてる主が 持たせてくれた 「レバーの茹でたの 食べれない」 と涙を

          モモちゃんのレバー

          冬の麦酒(ビヤー)

          重いスカートが揺れる 冬の川べりで 詰まらない時は しゃがんでみる 水面に石を投げてみる 自分で作った 明るい歌を 大きな声で歌ってみる 少年野球の子供たちも 帰ってしまって 土手に夕刻 わたし独り こんな気持ちの貞節の うっすら弱い寒き日に 冷たい麦酒(ビヤー)を 飲む人の こころにいくらか 触れた気がした

          冬の麦酒(ビヤー)

          パン屋の屋根に月昇る 

          商店街の信用金庫 隣のパン屋に 月昇る コロッケパンのコロッケ揚げる パートの中年  白衣のボトムは ドーバーで買った こころイキ ジュンヤのデニムは 漂白剤でブリーチされて まるでダメージ加工 油にまみれて コロッケ揚げて 借金返す インディゴ同様 カードすり減る 今月も「リボの返済が終わらない…」 月が沈めばウチに帰れる ウチに帰って ちぎって パン食べ 渋い紅茶に牛乳入れて 体の芯まであたたまる 早寝早起き パン屋の屋根に 月が昇れば 違う曜日が また

          パン屋の屋根に月昇る 

          薬局の人 

          薬局の人は、 白衣でたゆたう。 名物「シッカーロルパン」 焼く。  焼き終わるのは 大抵8時ぐらい。 ロキソプロフェンの 餡ねって。 自分も、ミルクコーヒーと いっ緒に 朝ごはんとして頂く。 イートインスペース、 つくりたい…。 でも、喫煙が無理? と、たゆたう。 ぶっきらぼうな接客。 ほぼ、顧客。 儲からない。 白衣の下の服へと 売り上げは 消え行く。 オキシドールシェイク、 開発しようか…。 考えながら 19時になったら 店閉めて。 商店街(まち)抜けて、

          薬局の人