見出し画像

夜は寝るもの

春はあけぼの、夏は夜。
じゃあ今は。

これだけ暑ければもう夏としてカウントしていいよね。
即ち、今は夜。
夜が良い時間帯なわけですよ。

私も夜、調子に乗って読書しています。
どうして人は日中より夜間の方が集中出来るんだろうね。
執筆も読書もなにもかも捗るよ。

とはいえ私は健康優良児猫様と暮らしているので、夜十時には一緒に寝室で横になっていないと怒られる。
九時ごろから圧を掛けられるからね。
まあそんなところが可愛いんだけど(馬鹿親)。

最近はベッドの中で読書している。
ちょっと前までベッドの中でWikipedia決めてたんだけどね。
ベッドの中で、小さい文字で詳細に情報を伝えられると、いい感じに眠くなる。
でもどうせ文字を読むなら、と思い、本を読むことにした。
ただ、小説だと集中し過ぎて逆に目が冴える可能性があるので『人間臨終図巻』を読んでいる。
何歳で誰が死んだかを記した山田風太郎さん著の本である。

一人ずつのエピソードで途切れるから、キリがいいところを探すのが非常に楽。
調整しやすい。
だから夜な夜なちょっとずつ読み進めてたんだけど。

でもねえ、夜、静かな部屋で死んだ人の話ばっかり読んでると、ちょっと怖くなってはくるのよ。
外の風の音に過剰反応したりするもんね。
健やかに眠る猫様の顔を見て「大丈夫大丈夫」と根拠のない気休めを繰り返して、精神の平穏を保とうとするもんね。

そんでとうとう、夢見も悪くなった。
最近、夜見る夢がちょっと怖い。
これは確実に寝る前に読んでいるものが影響している。
それに気付いてから、昼間に読むようにしてるんだけどね。

昼に読んでもそれはそれでちょっと怖い。
物陰とか、部屋の片隅とか、ついちらっと見ちゃう。
どんなに明るくても。

そこで思い切ってベランダで読んでみた。
それはそれで、子供の声とかして怖かった。
「こういう風になんでもなく暮らしていたって、いつ死ぬか分からないんだよな……」って。

そして私は悟った。
「今この本を読むべきではない」ということに。

今の精神状態と、読んでいるものの相性が恐らく良くない。
読めるときは全然読めるんだから。
でも今は駄目。
夢に見るほどだからね。

この結論に達するまで、二週間くらいかかった。
お陰でもうほとんど読み終えているんだけど、一旦中断することにした。
いずれ続きを読みたいと思う。

夜は寝るものなのよ。
死についての見識を深める時間ではないのよ。

今後は平穏な睡眠を心掛けるべく、枕元に「あたしンち」を置いて寝ようと思う。
これなら夢に見ても大丈夫。
むしろ歓迎。

平和な夢を見れるかどうかは次の日に影響する。
人間はいつでも死について考えられるわけではない。
という教訓を得て、一つ賢くなりました。

繰り返す。
夜は寝るもの。
どうか皆様も快適な睡眠ライフを送られることを願います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
次回以降もお付き合いいただけると嬉しいです。
それではー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?