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Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
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#Bach

David Cope氏のEMIによる「バッハ様式のコラール」を添削する

David Cope 「人工知能が音楽を創る」の中に、コンピューター生成されたバッハ・スタイルのコラールがまるっと一曲収録されている。音楽的な喜びがない(あるいは少ない)といった高度な話は置いておいて、少なくとも音の間違いが多い。思わず添削してしまいました。間違いが多いといっても添削しようかという気になる程度だからまずまずよくできているのは間違いないが…。

上の大譜表がコンピューターによる「作曲

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J.S.Bach French Suite No.4 Es dur BWV 815 Gavotte

ディーター=デ=ラ=モッテ(Diether de la Motte)の大作曲家の対位法( 瀧井敬子・訳)に大バッハのBWV815のガボットについて「この曲は桁外れに不協和な響きがする。この曲では不協和音がひどく目立つのだといった方がよいのかもしれない」といって2ページ近くにわたって(翻訳の304-306ページ)かなりくさしている。曲は短いものである。音はこちら。不協和な部分がよくわかるようにわざと

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J. S. Bach The Music Offering Canon 5 a 2

「音楽の捧げもの」から5度のカノン。上声はフリードリッヒ大王のテーマの変形で、その下にニ声の5度のカノンが形成される。バッハが書いたのは下の譜面だけで、一種の謎かけになっている。

下の段に二つの音部記号が書かれており、最初のヘ音記号はあそのまま上声と同時に演奏し、1小節遅れて、ハ音記号(テノール記号)にしたがって演奏すると、見事にカノンになるという趣向である。テノール記号の方は最初はト短調になり

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Bach Goldberg Variations 21. Canon at the Seventh

7度のカノン。どうやったらこういうものが書けるのかは謎だが、はっきり譜面に記されている以上、分析することは可能である。

3声で、上二声がカノンになっており、バスがついている。バスの半音下降に伴うハーモニーの移ろいが美しい。楽譜中、rは掛留音、pは経過音、bは刺繍音、a は倚音である。

Em7b5はC7と考えれば、D7/F#-Dm/F-C7/E-Cm/Eb-D7という進行になる。2小節目のソプラ

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間違い探し Bach Well-Tempered Klavier I-4 Prelude

間違い探しです。

次の楽譜はバッハの平均律クラヴィーア曲集第一集の cis moll のpreludeの最後の8小節ですが、間違った音符が30くらい含まれています。さてどこが間違っているでしょう。音はこちら。オリジナルの楽譜は春秋社の1976年版を使いました。