Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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ノート

75回目の8月15日。あの戦争を振り返る。

8月15日、敗戦から74年。敗戦記念日の思いも繰り返されるごとにパターン化し、記憶が風化していくことにあせりを感じます。

昨年は、双子座三重奏団とのジョイントで10月に「戦争と音楽」というテーマでライブを行いました。拙作のほか、戦争に関わる音楽を集め、中でもシェーンベルク作曲の「ワルシャワの生き残り」の清水一徹さんの編曲版など貴重なものも演奏されました。その様子はYouTubeでご覧いただけます

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落語「寝床」によせて

落語の「寝床」はいろいろなヒントを含んだ噺である。江戸時代、あるいは明治・大正・昭和もはじめごろですかな、経済的余裕とヒマのある旦那衆、時によってはその辺の有象無象まで稽古事をやる。中には女のお師匠さん目当てで通ったりする。いわゆる「檀那芸」であるからそんなにいいものではない。ちょっとお師匠さんが厳しいことをいうと「そういわれても私ら玄人じゃないんですから、そんな風にはできない。じゃぁもう面倒だか

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Schumann Dichterliebe op.48 No.12

「詩人の恋」は一曲目の「五月」がすごくいいし、この12曲目も悪くない。要するにときどき挟まるめちゃめちゃ元気のいい曲がこちらとしては雰囲気ぶち壊しだと思うのだが、ドイツ人のやることだからしょうがない。

ディーター=デ=ラ=モッテが「大作曲家の和声」で指摘している部分。語りと花の囁きを歌い分けるところ。変ロ長調と変ハ長調が微妙に交代する。ピアノの伴奏の配置もあいまって、ジャズ的な「裏コード」という

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Schubert Symphony No.4 Movt.3 Menuet (Allegro Vivace)

古典派の音楽でも何か「ざわざわ」するものてぇのはあるもんでして。(なぜか落語調)

シューベルトの4番交響曲 D. 417の第3楽章。最初聞いたときは、何が起きたのかわからず、マルティヌーかルーセルか、と思ったのですが、だんだん普通になるので、あー、シューベルトか、となるのですけど。最初の部分がユニゾンで動き、かつ半音進行が多いので一瞬耳が迷うのですね。そこがミソなわけですが。ピアノ譜に起こしてみ

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Webern 6 Orchstra Pieces No.4

シェーンベルク 5つの管弦楽曲(1909)

ウェーベルン 管弦楽のための6つの小品(1909)

       管弦楽のための5つの小品(1911)

ベルク    管弦楽のための3つの小品(1915)

 

あー、ややこしい。

ウェーベルンの6つの方の4曲目の冒頭部分を抜き出します。大太鼓のトレモロにのって、和音がでてきます。8-10小節目。

最初の和音はフルートとクラリネットのアンサン

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ディーター=デ=ラ=モッテの和声記号 Chord Symbols by Diether de la Motte

ディーター=デ=ラ=モッテの「大作曲家の和声」(滝井敬子・訳)では、使われている和声記号が、われわれの慣れ親しんだものとはやや異なるので面白い。

基本的には長三和音を大文字、短三和音を小文字で表し、Tが主和音、Dが属和音、Sが下属和音ということでここまではなじみやすいのだが、平行調からの借用和音については、平行短調の主和音をTpと書き(Tが主和音でpが平行調でかつ短三和音であることを表す)、平行

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4-voice Fugue on "Nun komm, der Heiden Heiland" Revised

『いざ来ませ、異邦人の救い主よ』(Nun komm, der Heiden Heiland)によるフーガです。バッハなど他の作曲家のものとことなり、原曲に近いテーマをそのまま使いました。演奏はFinale の自動演奏機能によりGarritan Personal Orchestra 5のピアノを使用しています。

(先日公開したものでは「両外声の平行8度」とかあったので、見直しました。2019.6.

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Gounod "Faust" Overture

グノー 1818-1893(生年と没年)

ワーグナー 1813-1883

ヴェルディ 1813-1901

この三人、ほとんど同時代人なんですよね。ロラン=マニュエルの「音楽のたのしみIII」で指摘されていて、改めてずいぶん作風がちがうよな、と思った次第。関係ないけど、ヴェルディで検索するとサッカーチームが出てくるんだよな。別にいいんだけど。 

R-Mも言っているけど、グノーは「ご近所のとっ

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Martinů Symphony No. 1 Movt. 1

マルティヌーの最初の交響曲の出だしは不思議な音響である。スコアを見てみると一筋縄ではいかない書法が見られる。一瞬で過ぎる序奏であるし、ピアノの使い方は明らかに装飾的で(単なる半音階)、ひとつひとつの和音が厳密に聞かれることは意図していないと思われるが、いろいろと芸は細かい。

最初の4小節のスケッチを示す。(文脈上、原典のbをaisに、asをgisに、 f をeisにしたところがある)大雑把には最

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"avantgarde" chords and Jazz idiom

沼野雄司「リゲティ、ベリオ、ブーレーズ」からの孫引きによるリゲティの言葉。

「…できるかぎり私は、三全音と完全4度の組み合わせ、あるいは三全音と完全5度の組み合わせからなる、ウェーベルン的な長7度や、短9度を避けています。私にとっては、これらはシェーンベルクのスタイルを暗に意味しており、使い古されて、消耗してしまったものなのです。」(リゲティ1983)

I don't think so.

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