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ドバドバ!ドーパミン!

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今日のテーマは、こちら!

ドバドバ!ドーパミン!

ドーパミンという単語は説明の必要もないくらい、広く一般に認知されるものとなりました。

脳の中脳黒質というところで作り出され、脳全体に放出される神経伝達物質の一つで、快楽ホルモンとも言われます。

やった!
とか、
うれしい!
とかの時に放出されるホルモンで、適応的な行動を促すためだけでなく、学習や運動にも関与していると言われます。

ドーパミン放出のタイミングを見逃すな!

神経生物学入門(森岡周)より

ドーパミンの作用

ドーパミンの実験で有名なラットを使った電極埋め込みによるドーパミン細胞刺激実験があります。
レバーを押すと、脳の中の電極が反応してドーパミン細胞が刺激され、ドーパミンが分泌される(報酬を得られる)仕組みです。

このラットはどうなったかというと、食べるのも寝るのも忘れて、命が尽きる最後の瞬間までレバーを押し続けたのだそう。
ドーパミンはそれほど強力な作用を持つということですね。

報酬に基づくドーパミン放出

レバーを押すと、報酬が得られる、という因果関係に基づいて、その行動を強化していく過程で、脳内で行われていることを見てみましょう。

レバーを押すと報酬が得られる、という学習をする前、つまり実験開始直後は、報酬が与えられた段階でドーパミンニューロンが反応を示し、ドーパミンが放出されます。

”レバーを押したら、ジュースがもらえたぞ!やったぁ!!”

というような感じですね。

適応的な行動が取れたら、即座にほめる!

○○をすると、ほめられる!
という因果関係を学習させます。
一度だけでなく、何度でもほめることが重要です。

報酬予期によるドーパミン放出

その後、レバーを押すと報酬がもらえる、ということがどうやら紐づいていることらしい、ということがわかると、

”このレバーを押したら、ジュースがもらえるかもしれない!ワクワク!!”

というように、報酬を予測する脳内の思考が起こります。
これを報酬予期といいます。

じつは、この報酬を予測するタイミングですでにドーパミンニューロンは作動し、ドバドバドーパミンが放出されています。

子どもの適応的行動を促したい時には、この報酬予期に与えられるドーパミンを強く意識して活用します。

一度できたこと、出来るようになったことを子どもがしたとして、大人は最初にその子が出来た時ほど感動したり、あえて褒めたりはなかなかしないのではないでしょうか。
私自身、自分の子供にはそうです。。。反省します。。。

ですが、子供はそんな時、”できたよ!ほめて!!!”と報酬を予測しています。言葉では言わずとも、視線で訴えることもあります。心の中だけでそう思っている場合もあります。

宿題すぐに終わらせたよ!
朝頼まれていたお手伝いをしたよ!
しずかに座って話をきいたよ!
いっしょうけんめい、がんばったよ!!

当たり前、やって当然のことですが、その適応的な行動を強化したい場合は、ずっと、ほめ続けます。

そうすることで、徐々にほめられなくても自分でやる、出来るようになってきます。そうなったな、と思う時に、時々褒めるくらいに減らしていきます。

報酬予期に対して報酬が得られない場合。。。

報酬を予期して、ドーパミンがドバドバ流れ出しているにもかかわらず、予期する報酬が得られなかった場合、ドーパミンニューロンの活動は一気に減弱します。

”やったのに、ご褒美もらえなかった。。。がーん。。。。”

というような状態です。
これはなるべく避けたいですね。

せっかく取った適応的行動が、失われてしまう可能性があります。

あえて報酬予期に対して報酬を与えない場合。

あえて報酬を与えないという場合もあります。
それは”短絡的にただ報酬がもらいたいがための行動で、適応的な行動でない場合”です。

たとえば、チャイムがなったら席についておく、というのが適応的な行動だとする場面で、ついさっきまで遊んで席につかなかったのに、別の子が席についているのを先生が褒めてシールをあげたのを見て、急に席について背中をピシッとしたような場合。。。

ここではシールをあげた、という物がトークン(ご褒美)になっています。
おそらくその子は、一見すると適応的な行動をとったように見えますが、今、シールが欲しい、という本来の目的とは違うところで行動したような場合は、報酬は与えません。

座れたね、というようなことは評価をして、言葉での報酬としてもいいかもしれませんが、シールは与えず、

”今度はチャイムが鳴ったら、席についておこうね。そうしたら○○君みたいに今度はシールがもらえるかもしれないよ。”

と声を掛けます。

”席に座る→シールがもらえる!!”
という短絡的な報酬予期ではなく、
”チャイムが鳴ったら、席に座る→ほめてもらえる(もしかしたらシールももらえるかも!!)”
という適応的な行動を促すための報酬予期を目指しましょう。
この方が、ドーパミンはドバドバ放出されます。

最終的には、シールなどの物のトークンではなく、ほめられる、ということがその子にとって報酬となるように、支援を展開していきます。

ここの駆け引きがとても重要です。
私自身が、何でもかんでもほめる育児!!というのを推奨していない理由の一つです。

短絡的な行動に報酬を与えていたら、短絡的にしか物事を考えることができなくなり、行動できなくなります。
そのような場合は、ドーパミン細胞を働かせる必要はありません。
むしろ、そのような行動は減弱させていきたい対象です。

”これでは報酬がもらえないのか。。。ならやーめた。”

となる方がいいのです。
目指すのは、さらに先。状況や場面、人に応じた、適応的な行動がとれるようになることです。

(増補書き)予測した報酬より大きな報酬がえられたら

予測に対して、報酬をきちんと与えることが大事であることは、お伝えしてきた通りです。

そして、さらにドーパミンを出す方法、それは、予測された報酬よりもさらに上の報酬、または多い報酬を与えることです。

これは、報酬予測誤差といいますが、予測した報酬、つまり期待値を上回る報酬が得られるほど、

"なんじゃこりゃー"といった感じに、ドバドバとドーパミンが溢れてきます。

トークンを与えるのを、いつもの倍にしてみる、わしゃわしゃと髪を撫でながら褒める時間を長くする、みんなで褒めるなどなど、誤差を大きくすればするほど、効果的です。


まとめ

今日はドーパミンについて、お話をしました。

  1. すぐ褒める (ドーパミン:ドバッ)

  2. ほめ続ける (ドーパミン:ドバドバッ)

  3. 報酬を予想した適応的行動をほめる 
    (ドーパミン:ドバドバドバッ)

  4. 短絡的な行動は評価しない 
    (ドーパミン:スンッ)

  5. 報酬予測誤差を大きくする
    (ドーパミン:ドバドバドバドバババ・・・)

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ドーパミン出まくりです!!(ドバドバドバドバドバ・・・・・・・!)


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