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何となく学ぶ【人工衛星開発】

大学の研究室で人工衛星の開発をしている服部と申します.
開発に携わって3年半くらいになります.

毎年,研究室には後輩が入ってきます.そして,たまたま頭にあった知識を後輩に教えてその日を暮らしています.

しかし,教えるたびに時間がかかりますし,人によって教える内容が変わると理解度を把握するのが大変になります.

そこで,動画を撮ることにしました.
引継ぎ資料的な扱いでYouTubeを取っておくことにしたのですが,各項目について詳細な動画を撮っている時間はなかったので,まずは概要を学んでもらうためにshort動画を撮っています.

まだすべてを網羅できていませんが,作成した動画をここで共有していきます.


まずは,人工衛星についてです.

その次に,CubeSatについてです.大学衛星などで多い規格?となっています.10cm角の大きさで,手に乗るような大きさの衛星が存在しています.
その衛星についてです.

次に,少しシステム的なところに触れます.C&DH系(基板)というものがあります.Command and Data Handlingの略なのですが,コマンドやテレメトリというデータ列についても少し触れています.

次に,人工衛星からのデータを地球上で受ける装置である地上局についてです.地上局という言葉についての説明です.

次は,衛星からのデータについてです.これまでに,C&DH系で衛星内部のデータ処理について,地上局で衛星からのデータを処理することを学びました.この衛星と地上局でやり取りするデータの具体例の一つについての説明です.HKデータは,House Keepingデータの略です.衛星の状態を示すデータ列です.

次に人工衛星『開発』についてです.これは衛星だけに限らず,様々なところで使える知識です.

次は機械工学から見た衛星の面白いところである,衛星の動き=姿勢についてです.宇宙空間だからこそ,回転もしっかりと考えなければならない.

次に,EMとFMについてです.この辺は衛星開発をしているとめちゃくちゃ聞く単語です.開発方式に関わる話です.大学においてある衛星は,ほとんどがEMでしょう.

次は,人工衛星を宇宙に飛ばすために通過しなければならない審査についてです.この辺りも衛星開発には深くかかわってきます.

次に,DR=Design Reviewについてです.開発フェーズでも行われますが,外部の人などに衛星の設計などを評価してもらう機会があります.

次に,少し話は変わって,衛星の組立の話をします.ボルトを締めるときは,どの程度締める必要があるかというのを決める必要があります.その方法についてです.

次は,人工衛星の意外な問題点,アウトガスについてです.衛星開発の際は,素手で衛星を触らないなどの対策をしています.宇宙ならではの問題を知ってもらうための動画です.

次はコマンドとテレメトリについてです.また衛星と地上局でやり取りするデータについての説明です.

次に自分たちが開発しているテザー衛星というものについての説明です.宇宙エレベータの実証実験や導電性テザーを用いた実験など様々な実験をします.

次に有名な衛星の一つあるGPS衛星についてです.今ではGPSという名前はほとんどの人が知っていますが,これが衛星を用いた測位をしているというのは知っているでしょうか.そのGPS(GNSS)についての説明です.

次は,テザー衛星を考えるときに重要なHillの方程式についてです.少し動力学についても知ってほしいと思いこの内容を入れました.衛星は何といっても動力学が面白いと思っています(ほかにも制御など)

次は断熱材のMLIについてです.宇宙は寒いでしょうか?熱いでしょうか?また温度による影響はあるでしょうか.それについてです.

次に衛星開発においてめちゃちゃ有用なJERGについてです.

次は,トルク管理の続きです.新幹線や電車でも見ることが出来るボルトについているマーカは何の意味があるのでしょうか.このマークは,合いマークやトルクマークと呼ばれています.

次は,振動についてです.よく声でグラスを割るというのを見ますが,そういう感じで,衛星もロケットの振動で壊れたら困ります.ロケットの振動で衛星が大きな振動(共振)しないかを解析する固有値解析についてです.

次は,フーリエ変換についてです.固有値解析の続きの話です.皆さん嫌いなサインコサインですが,サインコサインを用いて色んな波(関数)を表すことが出来ます.サインコサインでは周波数というものが重要になっています.この辺りについての知識を得られる?と思います.

次は,固有振動数やフーリエ変換などを活かして実際に衛星がどんな固有振動数を持っているかを実験的に得ます.そのためにやるのが振動試験です.

次に,チャタリングと呼ばれる電気的な問題です.振動試験の際に気を付けるべきは固有振動数だけではありません.電気的な観点からも注意する必要があります.

次は,振動試験を行う装置についてです.この辺は人工衛星開発とは少し異なりますがが,この辺りの仕組みを学んでおくと実験などで役立つと思い作成しました.

次は,衛星の展開機構などで使われる紐(テグス)などを結ぶクリンチノットです.といっても,これは宇宙独自のモノでなく,釣りの方たちの技術だと思います.一応知っておいた方がよいので,作成しました.

次は,基板の管理するときに重要なプチプチについてです.正直動画にする必要もなかった気がしていますが,まぁ作ってしまったので紹介しておきます.色付きのプチプチを使うようにしましょうということです.

次は,振動試験でも使われるPSDという言葉についてです.割とこの辺りはマニアックになってきていますが,ロケットのユーザマニュアルなどをみると出てくる単位となっています.この辺を学んでおくと宇宙系について知っている人だなと思われると思います.

次は,衛星が直面する問題の一つである熱環境についてです.真空環境では,熱伝達(扇風機の風で涼しいというような感じ)のものはありません.

次に衛星が直面する環境の一つである無重量についてです.この辺は有名なので動画に撮る必要もない気がしましたが,念のため.

次は,無重量に関係しまして,遠心力とコリオリ力についてです.この辺りを正しく学んでおかないと後々よくわからなくなってくるので,見かけの力をちゃんと理解しましょう.

そして,今のところ最後である動画です.衛星が直面する問題のひとつである放射線についてです.よく衛星が動かなかった理由として放射線が挙げられることがあります.それについてです.


他にも工学部向けのpython入門動画も撮影しました.もし,何か初めて見たければやってみてください.


随時更新していこうと思います.

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