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怯まないごとく

第4話 幸せはそこに
クラリスが「おはよう。お父さん」と挨拶をした。
ラフェルも「おはよう。クラリス」と挨拶を返した。
ロイスが「おい、クラリス。学校いかねぇのか?」と外から大きな声で話し掛けた。
クラリスが「あら?ロイスなんて珍しいわね?ライアンは?」とロイスに返事を返した。
ロイスが「あぁ、今日はライアンが急に熱を出したみたいで休んでいるんだ」とクラリスに伝えた。
クラリスが「へー、そんな事もあるんだ。何処かのバカは風邪を引かないって言うけど、そんな事もあるのね」と笑って話し掛けた。
ロイスが「そうだな。アイツは特に弱って居るところを人に見られたくないから、お見舞い行っても仕方ないと思うぞ」と少し苦笑いをした。
クラリスは「この花綺麗ね?ネモフィラかしら?そうだ。ライアンに持って行きましょう」とネモフィラを摘み始めた。
そうして居るうちに、隣のおじさんが「ワシの敷地内じゃぞ?こんな所で花を摘むな」とクラリスに注意をした。
クラリスが「すみません。私の友達が急に熱を出してしまって花だけでもその人に渡したくて」とおじさんに声を掛けた。
おじさんが「しょうがない。今回は見逃してやろう」とクラリスの花を摘む事を了承してくれた。
ロイスが「あのじいさん。もしかしたら案外優しいのかもな」とおじさんを見て発言をした。
クラリスが「でも、良かった。ライアンに良いお土産が出来たね」と嬉しそうにしていた。
ロイスとクラリスは学校が終わって、皆に「バイバイ」と手を振ってライアンの家に急いで向かった。
ライアンの家は小高い山の中腹にあり、家が一軒だけポツリと立って居て、レンガの屋根は青く壁は白い家だった。
ライアンは「ゴホゴホ」と咳をしながら寝込んで居ると、玄関からピンポンとチャイムが鳴った。
ローサが「はーい。誰ですか?」と玄関に向かって声を掛けた。
ロイスが「あぁ、今クラリスと来て居てロイスとクラリスなんだけど、ライアンに渡したいものがあるんだ」とローサに返事を返した。
ローサが「じゃ、入って下さい」と小さいながらに玄関のドアを開けた。
キィーと言う音で玄関を開けて、クラリスとロイスを家に招き入れた。
クラリスが花瓶にいっぱい手に持っていたネモフィラに水をやっていた。
クラリスが「これ、ネモフィラって言うのよ?花言葉は可憐、どこでも成功、あなたを許すって花言葉よ。だから私達はいつだってライアンやロイスを許して仲間としてやっていきたいわ」と微笑んでいた。
ライアンが「そうだな?ゴホッ。でも、俺達はいつだって3人で強い絆で結ばれて居るんだ。そうだろう?」と目を輝かせていた。
その後、ロイスとクラリスはライアンの家を出てローサは「今日はありがとうございます。そのお礼と言っては何ですが、これ飴なんで舐めて下さい」と手のひらに飴を置いて差し出した。
ロイスとクラリスは、その後帰路に着いた。
ロイスは「はぁ。今日は良い日だったな?こんなに美味しい飴を頂いたのは久しぶりだな」と飴の包装紙を見ては、ライアンの事を思い出して居た。

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