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心の中の夢

第5話  最終回 幸せは突然に

フウマが「なぁ?あいつ何年生?」と指を差した。
笑って話をしているのは、あの有紀だった。
友人のタツマが「あいつは、有紀って言って、幸弥の元彼女みたいだけど、中々うまく行かなかったみたいだぞ」と風の噂で聞いた話をした。
フウマが「ふーん、ちょっと気になるな」と目線を有紀に移した。
足でドリブルし、サッカーボールをゴールに決めて「よっしゃー」と喜んでガッツポーズを決めて居た。
有紀は「さっきから誰かに見られているような気がするわ」と横や後ろを振り向いても誰も居なかった。
フウマは教室の横から、望遠鏡を持って覗いていた。
タツマが「何やってんだよ?不審者に見られるだろう?」とフウマの襟を持って教室に戻って行った。
幸弥が「どうしたんだ?さっきから後ろを振り向いたりして」と有紀の様子がおかしく尋ねた。
マサヤが「サヨリ、さっき見て来たんだけど、やっぱりアイツより俺の方がよっぽど良いよ」とサヨリに気持ちを伝えた。
サヨリは「また、そんな事を言って、冗談なんでしょう?」とマサヤを疑うと、マサヤは「そうじゃないよ。でも、ただサヨリと一緒に居て、俺はサヨリを失いたく無いんだよ。でも、下手に嫌われたらと思うと言えなくて」と戸惑っていた。
サヨリは「早く言ってよ」とマサヤに迫った。
マサヤは「俺は、サヨリの事が好きなんだ。だから、他の奴の事を考えてほしくなくて」とそれとなく告白をした。
サヨリは「そう。それだけ?私は、マサヤよりも、幸弥君のことが好きだけど、何か最近元彼女の有紀と仲良さそうにしているから、ヤキモキしていて」と心の中がモヤモヤして、イライラしていた。
そして、サヨリは、ついに「幸弥君、私、あなたの事が好きなの?付き合ってくれない?」と皆の前で告白をしたのだ。
幸弥は「ごめん。僕は、他に気になる人が居て、付き合えないんだ」とサヨリの告白を断った。
サヨリは涙を流し逃げて行った。
幸弥は「あの、話があるんだけど良いかな?」と有紀を屋上に呼び出した。
そこにフウマが居て「何を話しているんだろう?」と身を乗り出して聞いていた。
幸弥が「今ね、サヨリって子に告白をされたけど、やっぱり断ったよ。僕は、有紀が好きなんだ。付き合ってくれないか?」と告白をして、有紀は「良いよ。これからもよろしくね」と握手をしていた。
そして、フウマは「嫌われたんだ。俺は」とショックを受けて、その場で泣き崩れて、教室へと帰って行った。

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