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さようなら

ミキが「あーぁ、全くやんなっちゃう」と嫌になっていた。
カフェでブラックコーヒーを飲むミキが、頬杖を付いてテレビを見ていた。
ナナカが「何があったの?最近いつもこんな感じだけど」と気になって尋ねた。
ミキが「んーー、最近うまいこといかないし、こうアイドルってくらい、スタイル抜群じゃないし、あのテレビに出ているサクラは私よりスタイル良いし、色黒だし全く私とは違うよ」と妬みの気持ちで心がいっぱいになっていた。
ある通りすがりの男が「そんな、あの子だって、いつも苦労していたと思うよ。太った自分にバツをやって、太らないように散歩をしたり運動して、努力を重ねて来たからこそ今があるんだと思うよ」とごもっともな話をしていた。
ミキが通りすがりの男の話を聞いて「あ、そうかもしれないな。私が思っているよりもすごい努力を重ねて来たんだな」と頭の中でグルグルと想いを巡らせていた。
ナナカが「こう見ると、人が見てあ、可愛いなって思ってもらえるように努力していたんだと思うと、私達にはサクラちゃんの事を悪く言う資格はないかもしれないね」と穏やかな顔で話し掛けた。
ミキが何故か、サクラに対して「ごめんなさい」と素直に謝りたくなって来たのだった。

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