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心の中の夢

第4話 しばらくして

学校に向かって居ると、後ろからサヨリが来て「幸弥君。今日さ、私と一緒に帰らない?」と話し掛けた。
サヨリはクラスで1番人気のある女の子で、他の子を何処か敵視して居た。
有紀が「ゴホン。あの?私は、幸弥の幼馴染の有紀です。すみませんけど、サヨリさんにはもっと良い人が居るんじゃないですか?」と横目でサヨリを睨んだ。
サヨリが「ね?幸弥君、怖い。この子何?」とわざと怯えたフリをしていた。
有紀が「何が怖いよ?あんたの方がぶりっ子じゃん」とゆっくりと、サヨリに視線を合わせた。
幸弥は「は?お前みたいなぶりっ子を好きなわけないだろう?誰の差し金かわからないけど、もう、僕に近づくな」とサヨリに向かって怒りを露わにした。
サヨリが「ちっ、つれないね?つれない男は魅力がないし、つまんない」と幸弥を睨んでその場を立ち去った。
有紀が「あーゆー子気をつけた方がいいよ?後々私達の事が噂になっていたら、面倒だしな」とサヨリを見ていた。
サヨリは教室に入るなり、黒板に「あの、有紀と幸弥は、付き合っています。誰にも言わないけど。公認」と書かれていた。
教室に入るとクラス中が、幸弥と有紀の方向をジーっと眺めていた。
幸弥が「あれ、見ろよ。僕達、付き合って居るんだってさ。公認って書いてある」と言う大きな文字に正面向かって話せばいいものを黒板に書く奴がいるかと怒りが収まらないでいた。
幸弥は「黒板消さないとな?あいつか?サヨリだな」と怒りを抱きながら黒板消しで消した。
サヨリは「何で、あんな子と仲良くして居るのよ。早く別れちゃえば良いのに」と教室をたんかを切って出ていった。
マサヤが「サヨリ、どうしたんだよ?最近様子がおかしいぞー」とサヨリの腕を掴んだ。
サヨリは「あんたに関係ないでしょう?私が好きなのは、幸弥君よ」と涙を流し、腕を払って逃げた。
マサヤが「幸弥か。どんな奴だろう?」と教室のドアから幸弥を見ていた。
有紀が「幸弥、なんか教室から幸弥を見て居る人が居るけど」と幸弥に伝えると、そこにはもう誰も居なかった。

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