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突撃!第九八独立普通科連隊

雑感

突撃!第九八独立普通科連隊を見てきました。

こうしたパフォーマンスは初めて見たので、とても新鮮で面白かったです。
要所要所で取り入れられている舞台を活かした演出は、いろいろ考えられた末に生まれたものなのだろうなと、自分の仕事においても刺激になりました。
私は16日の金曜日に休みが取れて、吉岡さんの出ない回も観ておきたかったので、マチソワ両方観劇しました。
言い方が悪いかも知れませんが、吉岡さん目当てではあるので、先に中身を頭にアップデートしてから観ることができるのはとても良かったように思います。
内容としては、自衛隊物なので、表現するには扱いがとてもデリケートな作品です。
が、そういったあれこれはおいておいて、まずはテンポよく、楽しめたと思います。
矢鱈と小難しい漢字が並ぶ台詞を、小気味良く発していくことで生まれるリズムは体感時間を加速させ、上演時間2時間を全く感じさせませんでした。
逆に言えば、このテンポを乱すことは本当に許されない舞台とも言えるので、演者の皆さんの台詞へのプレッシャーも凄かったんだろうなと思います。

さて、改めて内容を振り返ってみる前に、初演が2001年だったようなのだけれど、
109部隊の役名が槙野本田長友中澤だったのが、引っ掛かり調べてみると、やはり、その頃の日本代表ではないので、ここ当時名前が違ったんだろうなぁと思いつつ。
ついでに突撃第98普通科連隊 西へという、続編?のようなタイトルも見つけたので、続きがあるのかも知れないと思ってちょっと気になりました。
実際、赤西と渡部のセリフ被ってる伏線は回収されていないし。……されてないよね? 見落としないよね。
登場人物も多く、これはなかなか名前を覚えるのが大変そうかと思ったのですが、意外とすんなり入ってきました。
きっと名前が普通の舞台よりも呼ぶ量が多いのだと思います。普通のセリフだとお互いを呼ぶときに、関係性が近づくと名前を省いて台詞を喋る方が自然なんだと思うのですが、自衛隊という舞台の性質上、必ず名前を呼ぶので、そのところで名前が頭にアップデートされやすかったんだと思います。
えだちん以外、変にあだ名も無いし。
全体的に何度も同じセリフを繰り返すシチュエーションがあるのも、そういった狙いがあるのかもしれませんね。SNSで感想を呟きやすくなった時代で、キャラの名前を覚えやすくするのはもしかすると、重要なことなのかも知れない。
特に私みたいな特定の役者さんを目的で来ている人は、その劇団の人の名前などは特に頭に入れていないのだから、役名の人で感想が呟くことができれば、SNSの活性化にも繋がるのだろうし。

そんなことを考えながら、公演を振り返っていると、吉岡さんのツイートが。そっか、わかってなかった。この制服を着るという意味を。
強い。強すぎる。

うん、とりあえず刺激が強過ぎるので、本題にもどろう。

おそらく初稿の台本の内容は結構削られているような気はする。キャラクターとしては権田周り。九八との距離感がいきなり近くなっているので、本来なら、赤西の休日を代わった件を調べたシーンがちゃんと描かれていたのではないだろうか?
ここが描かれていると、九八が真面目になっていく姿に、心が動く権田を描けるので、その後の演習中の信じてやってくれませんか? にグッと深みが出るような気はするし、最後のゴンダムとタラバガニと海江田が呼ぶのにもあまり違和感がなくなるような?
でも、赤西の件以来、九八に変化が、となったところから、すぐに鱈場の叱咤のシーンに入るから、いや、あそこは一応ある程度期間が経っている設定なのかな?
それならもう少し説得力が出るか。多分そうなのだろう。

(この辺りからソワレ見た後の感想も加わります)

とまあ、そこが少し気にはなったけども、通してみれば何しろ面白い。とにかく台詞回しとコンビネーションがリズムゲームのようで。海江田さんがいないのくだりは本当に笑った。
演出も派手で、ヘリからの降下シーンで本当に照明をつってる鉄骨から降りて来るとは思わなかったし、舞台の後ろが開いて戦車が登場するのには度肝を抜かれた。ホールは密閉空間という概念を覆され、想定外だった。
しかも昼だと通常だけど夜だと夜戦仕様になるのも面白いね。
スクリーンを使う演出があるのだけれど、このスクリーン自体が2つに分かれる仕組みになっていて、管理がデリケートなんだろうなと思った。全く違和感を感じないので、しっかりと接続ができるようになっているのだろうけれど、こういったことはどこで習えるんだろう。
書店の拡材作るのに役に立ちそうなんだけども。
パフォーマンスについては良し悪しがわからないけど、特に気にいったところをいくつか。
海江田役の金井さんの連隊で踊るときのダンスはめっちゃ足の蹴り上げが綺麗だった。
前から見ているとしっかり膝から下が映らないくらい上がっていて、いかにも軍隊っぽいななんて思ったのでした。
毒島役の阿部さんは立ち方が好きでした。チンピラっぽさがすごい伝わって来る感じが、堪らなかったですね。一番役の振れ幅が大きくて、その変化が目にも耳にも心地よかったです。
松下役の高橋さんは兎に角、台詞を覚えていられることが驚きでした。最早暗号のような、武器名とその効果を朗々と読み上げるのは、本当にすごい。
一ノ瀬役の直江さんは、まず見た目だよね。見た目でお坊ちゃんぽいのがまず、ずるい。そしてあの空気読めてても読み方間違っちゃう感じとか、がいかにもで、現実にいたら絶対友達になれない。
細尾役の坂田さんは、役柄の中で最も難しい役だったような気がする。全体的に太っているという特性だけがフィーチャーされていて、それ以外は引っ込んでいる感じだから、その中で演技をするというのに、目立ち過ぎてはいけず、かつ消えてはいけないというのは、役者としてすごい難しいことのような気がするんだけど、私は役者では無いので良くわからんです。
赤西役の中西さんは純な感じが良かったですよね。すごい純粋だからこそ最後の109を目の敵してる時の差が激しくてたまんないです。
PXのおばちゃん田宮真美がフルネームなのは、多分思っている以上に大事な役割がきっとあるんだよね。その辺もおそらく西へで明らかになるんだと思ってるんだけど、どうなんだろう? もちろん、五大シュンスケのこともだけど。絶対出て来るよね。このモヤモヤどっかで晴らせるかなぁ。
ダンスパフォーマンスで1番輝いていたのは、松下が武器の王様になるところ。
いろんな武器を組体操?でやっていくところは面白かったです。特にヘリ。ちゃんと旋回するときに羽役の人が羽を傾けてたのが、こだわってる!と好印象でした。
あとプロペラ役の人、おつかれさまでした。

登場キャラクターで一番好きだったのは、通信の渡部佑希かな。ところどころで出てきては、話を盛り上げるフックになってたし、世話焼きなところとか、誰であろうとちゃんと突っ込んでいくとか大好きなキャラでした。前述したけど、赤西と渡部の関係の続きが私の中ではもう始まってしまっているので、いつか回収されるのを切に願っています。
よろしくお願いします。


さてそれでは本番の吉岡さんの話をしましょうか?
こうして舞台の吉岡さんを見るのは久しぶりでした。
なんだかんだでいろいろ公演も中止だったり、配信になってたりして、生で芝居を見たのは久しぶりでした。

まず衣装。良いよね。ミリタリーな制服。かっちりした衣装が私は好きなので、胸に刺さりました。
そして役柄。まず思ったのは、また結婚してる! いや離婚してるけどもでした。しみくれさんの、カレーライス殺人事件や手の中の品格(声だけ)もそうだったけど、結婚率高くない?
しかもあんまり幸せにならない。
今回も離婚してるので、幸せではなくなったところからだろうし。……海江田が電話したら幸せになってほしい。
なんだろうなぁ、薄幸感あるのかなぁ? 謎なんだよなぁ。

それはさておき、役柄の立ち位置としては主人公、海江田の防衛大時代の一つ先輩で、でも同期の人と結婚して、その後別れて旭川から九八に赴任して来るという役。
通常は比較的関西のおばちゃん感がでるんだけれど、シリアスになると急にエリート感が出る。吉岡さんのギャップ好きには堪らないキャスティングでしたね。
特に叱咤するシーン。しかも6人分。このためだけに来たっていう人がいても、絶対おかしくない。初めて吉岡さんの演技見る人は結構びっくりしたんじゃないかな? だってあのトーンは吉岡さん以外だとなかなか聞けないもの。○んじまえ、とか吐き捨てるようにいうところとか、癖になるよね。

……これじゃ、私、変態みたいだ。

もちろん、海江田におやすみっていうシーンだってキュンってするけど、私に言ってくれたわけじゃ無いから、そこまで破壊力はないんですよ。asmrでやられたら、多分脳壊れるけど。

推しシーンとしては、五大一佐役の大場さんとのシーン。軍人としてのオンとオフを交えての掛け合いは見応えもあれば、聞き応えもありました。
今度KANAWAでは井上和彦さんとの共演があるので、こうした吉岡さんとベテラン俳優さんとのやりとりは注目していきたいですね。

あとは、補足だと、この舞台のニュースかなんかで、ウェイクアップガールズのリーダーって書いてあったけど、一応知らない人が見てる可能性もあるので訂正しておくと、リーダーではなくセンターです。ユニット名もWake Up,Girls!が正式名なので、そこはファンとして訂正しておきます。
リーダーは青山吉能(あおやまよしの)さんという子なので、誤解なきよう。

とりあえず一気に雑感です。あー、もうちょっと何回か観たかったなぁ。
歴史とかを踏まえてもう少しいろいろ書きたかった。

それでは久しぶりの更新でした。

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