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今日のヒーローたちは、どこへ消えるのか。-高校選手権奈良大会 決勝を終えて‐

2018年11月17日(土)

全日本高校サッカー選手権大会奈良大会 決勝
市立一条高校 1-0 奈良育英高校

奈良県で一番強い高校年代のチームを決するゲームは「奈良クラシコ」と比喩される名門対決。

しのぎを削る好ゲームの末、一条高校が優勝し全国大会への切符を手にした。


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大勢の観客の熱い視線を集めたピッチ上の22人は、間違いなくその瞬間の主人公となった。

ただ、僕が気になるのは彼らのこの後。

今日ピッチ上で輝いたヒーロー達は1年後、いったいどこへ消えてしまうのか。

・・・

(まずこの場を借りて、今大会の運営に尽力された大会関係者及びチーム関係者、そして奮闘した全選手に敬意を示します。)

本当に多くの方が高校生フットボーラーの雄姿を観に来られていました。

保護者の方、高校の友人達、敗退したチームの選手や指導者、そして将来のこの舞台に立つかもしれない子供たち。

これは僕の地元である奈良県での、この年代のトップレベルの舞台ということになります。

つまりこの地域のトップ選手。

彼らの次の舞台はどこなのか。

・・・


試合を観る限り、奈良の高校生が卒業後すぐにプロで活躍するのは難しいというのが事実になる。実際、ここ20年近く奈良からの高卒プロ入りはいないはずだ。

全国的に見ても、高卒で地域リーグに挑戦する選手自体が少ない状況もあり、多くの高校生フットボーラーの次なる舞台は「大学サッカー」になるというのが、現時点の僕の見解である。

奈良で高校生活を過ごした選手たちはどれくらい大学サッカーで活躍しているのだろうか。気になって少し調べてみた。

話題は奈良県なので、今年度の関西学生サッカーリーグ1部に属する12チームの4月時点の登録選手の出身校を調べてみたところ、
奈良県の高校出身者は「1名」だった。(※ゲキサカ参照)
※奈良の天理大学が属する関西2部に関しては情報が無かった。。。

関西1部に12大学あってそれぞれに約30名登録されているので、
およそ360名いる関西学生フットボーラーのうち、奈良県で選手権予選を戦った選手はたったの「1名」である。

この360名は各大学の1軍の選手ということになるので、「2軍以下のチームには在籍してるんじゃないか」とかすかな希望を胸に各大学の公式サイトを巡ってみると、
12大学中3つの大学が公式サイトが存在し且つ所属メンバーの出身校まで掲載していた。(これの数が少ないのも結構なんだかなあというところではあるが。)

それでも、それぞれの大学に0~2人。
おそらく確認できなかった大学も同じようなものだろう。

この辺で心が折れたので他の地域まで調べる元気はなかったが、一番近い関西でこれなら、調べるまでもない気がする。

これが奈良県サッカーの現状である。


「競技としてサッカーを続けることがすべて」ではないことは、言うまでもない。

ただ、今回の話題は「奈良県トップレベルの高校生たち」の話である。
そういった選手たちが、軒並み競技としてのサッカーから去ってしまうのは少し寂しいものがある。(社会人の県リーグに所属する選手がいるのがせめてもの救いか。)

原因はひとつではないと思うし、僕が思い当たる点もあるが、ここで詳しく話すのはよしておく。

簡単にだけ言うと
・中学年代から高校年代にかけての県外への優秀な選手の流出 とか、
・奈良県で大学サッカーの試合がほぼ開催されないこと とか、
(関西1部の66試合?のうち橿原公園陸上競技場での開催は2試合)
・大学サッカーに選手を送り込もうとしている指導者がどれくらいいるか 

とか、そういう課題があるのではないかと思っている。

一番は、やはり選手たち自身がそこに憧れを持つ環境にあるかどうか。
そして、そのモチベーションを掻き立てられるか。

高校生が県内で高いレベルで切磋琢磨し、大学の4年間でさらに選手として、あるいは指導者として研鑽を積み、(その過程で人としても成長し、)そしてJリーガーになったり地域リーガーとして地元で活躍したり、指導者として後進の育成に励んだり、

地域の人々も、「あの選手、高校の時から応援してたんだ!成長したなあ!」って自慢気に語ったり、高校時代の旧友が応援に駆けつけたり。
そして地元で活躍した高校生フットボーラーたちの、選手としてのゴールはもっとずっと先に据えられる。

そうやって循環していくことはこの地域のサッカーにとって、とても素敵なことだと思う。

その時、今日ヒーローを憧れのまなざしで見つめていた少年たちの目は、一層輝いていると思う。

・・・

奈良に住む、サッカーに青春を捧げた高校生の君へ

君が望めば、青春はそう簡単に終わらない。
君よりずっと下手くそだった僕が、まだサッカーに夢中だ。
『高校サッカーが終わればサッカーも終わり』となんとなく思ってないか。
周りの人もそう言っているし、それが普通なのかもしれない。
でも、それでも君の限界はここじゃないかもしれない。

次のステージでも、活躍を期待しています。


どうか、次の舞台へ。

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2018年11月17日


P.S.

1週間前に更新された早稲田大学ア式蹴球部の女子トレーナーによる部員ブログ。

とても熱い。選手でなくても当然のように熱い。ご紹介しておきます。





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