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コニャック短歌4.

木村久夫(1918~1946)。京都大学経済学部から学徒出陣。1946年5月23日、シンガポール、チャンギー刑務所にて、無実の罪(上官たちの罪を背負って)で、刑死。享年28歳。独房の中で田辺元『哲学通論』の余白にびっしり書かれた遺書より。


『此の世への 名残りと思ひて 味わひぬ 一匙の菜一匙のかゆ』

『おののきも 悲しみもなし  絞首台  母の笑顔を いだきて ゆかむ』

『風も凪ぎ 雨もやみたり さわやかに 朝日をあびて 明日はいでまし』


わずか80年前のことだ。人は様々な思惑でまた逆らえない津波のように強烈な運命を受け入れて生き抜いた。そして純粋極まりない家族や郷土、國への愛を抱きつつ、命を散らした。『きけわたつみのこえ』に集められた魂とその思いが今、日本を護っていると思う。

木村久夫君と若き英霊たちに、献杯!





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