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ツバメの帰還

先日来、ツバメが帰ってきている。まず年をとったツバメが少し傷んでいる羽で帰ってきた。数日後若いツバメのつがいが帰ってきた。てっきり親子かと思っていたが、若いツバメが老ツバメにのしかかりついばんでいたので、親子でなく営巣争いかと思い、傷ついた老ツバメを別棟に移した。老ツバメからは微かに出血しており、昨日死んだ。一夜おいて家の前の耕作放棄中の私の畑にシャベルで穴を掘り、咲き誇っている紫の木蓮の花びらをしき、咲き終わりの椿の花弁を2、3個手向けて埋めた。またあちらに戻れ、また一巡りしてこいと土をかけた。野良猫が多くレンガを一つ置いた。その一部始終を若いツバメのつがいが電線に止まって見ていた。やはり親子だったのか。親ツバメをついばんでいたのは、早く楽にしてやろうとしていたのか。未知なる野性のあり方だったのか。ついばむことで老いて傷んだ身体から親の魂をときはなってやろうとしていたのか。今noteしている時も窓外の電線からツバメのつがいが離れず見ている。

ツバメ死す 木蓮を敷き 椿手向ける


老ツバメ遠き旅より帰り来て懐かしき家はや旅立ちぬ



高貴なる紫の花鳥に手向ける


ツバメ死し神聖な巡りに帰る



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