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【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第17回「うつろい」

2024年4月28日(日)20時10分『光る君へ』第17回「うつろい」を視聴しました。

<始まる前に>
道長善人、道隆悪人という流れですが、どこかで大転換がありそうです。
ドラマ脚本の醍醐味です。

<NHKのあらすじ>
一命をとりとめたまひろ(吉高由里子)。
乙丸(矢部太郎)から道長(柄本佑)が夜通し看病してくれたことを知らされる。
道長は民を救うべく疫病患者を収容する小屋を建てようとしていた。
その頃、道隆(井浦新)は体調を崩し衰弱し始める。
定子(高畑充希)は兄・伊周(三浦翔平)が関白に準ずる職につけるよう一条天皇(塩野瑛久)に働きかける。
対する詮子(吉田羊)は・・・。
そんな中、意外な人物がまひろを訪ねてくる。

■プロローグ

●正暦5年(994年)
回復したまひろに乙丸が声をかけると、道長が助けたことを打ち明けました。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■正暦5年(994年)

道長は、道隆に悲田院に行き、施設を作ることを提言します。
水をたくさん飲みほす道隆は、なぜ道兼と手を組んでいるのかと疑っています。

●明子
明子(瀧内公美)は兄の源俊賢(本田大輔)に、道長がやって来ないので身ごもることもできないと話します。
俊賢は、入内させ、どちらも右大臣の家系と目論みます。

●倫子
思いのまま政をしてほしいと道長に笑いながら語ります。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「平安時代の夫婦は別財産で、この夫婦の場合は倫子のほうが多くの財を持っていた」

悲田院に行った日、どこに泊まったのか倫子が質問すると、道長は朝まで仕事をしていたと答えました。
道長はまひろが回復したのか心配しています。

●まひろ
為時はまひろに、道長との仲を疑っています。
どうでも良い女性の看病をあのようにするとは思えない、お世話をしてもらうことはできないのかと話します。
まひろは望み通りになれないと謝りました。
いと(信川清順)は、為時にまひろと道長の仲は男女の仲だと思っていました。
道長は百舌彦(本多力)にまひろの様子を見てくるように命じました。
まひろは百舌鳥彦も助けてくれたのかと尋ねます。


(感想)
夫婦が別財産だというのは初めて知りました。
倫子の方が上じゃん。

●疫病対策
道長は疫病対策を検討しています。

■道隆一家

伊周と隆家(竜星涼)の前で、道隆は高階貴子(板谷由夏)を見初めたのは内裏の内侍所であったと膝枕してもらっていました。
隆家は伊周にどこに行くのか尋ねると、先の太政大臣三の君光子だと答えました。

ききょう(ファーストサマーウイカ)は、斉信(金田哲)に対して、深い関係になったから自分の女になったと言うなと冷たく言い放ちます。

●道隆の健康状態
笛もうまく吹けず、ふらふらと倒れる道隆です。
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が呼ばれ道隆の寝室にやってきました。
水を飲み干し、目がかすみ手がしびれる、呪詛に違いないと言う道隆の様子を見て、安倍晴明は
道兼、詮子、道長、腹の中はわからないと言います。
安倍晴明はこれは呪詛ではない、寿命が尽きようとしていると答えました。
祈祷で寿命を延ばせと命じました。

●祈祷
もう関白は助からないから、須麻流(DAIKI)に祈祷をやらせました。
病の者の穢れをもらったと呪文を唱えました。

■正暦6年(995年)

●ナレ
「疫病で傾く世の流れを止めるべく、道隆は改元を進言した」

●長徳元年(995年)
正暦を長徳に改元します。
実資(秋山竜次)は長い毒、平惟仲(佐古井隆之)は疫病は長引く、と話し合います。
一条天皇は未熟だ、断を下すのは帝、心配だと言います。

●帝と定子
定子は父が病で倒れてから、心細い、一条天皇に一時も帝とは離れたくないと話します。

●詮子
詮子は道長に、飲水の病で様態は悪い道隆の病状を聞き、次の関白は道兼だと促します。
道兼は嫌いだけど、伊周に関白になられるのはもっと嫌だと。
詮子は、定子に首根っこを取られている帝を見るのは嫌だと内裏には行かず、その代わり、他の公卿を取り込んでおくと、公卿は皆伊周が嫌いだからうまくやれると言います。

●内覧
定子は伊周の内覧の許しを帝に父からお願いしてもらうことになりました。

●ナレ
「内覧とは帝に奏上する文書や帝が宣下する文書を事前に読むことが出来る、関白に準ずる職である」

伊周は定子はすごい、男であったらかなわない、定子は帝を詮子から守ろうとしていると強くなったのです。


(感想)
定子はそれほどしたたかだったのかな?
まだ19歳と若いし、親の影響が強いでしょうね。

■道兼と道隆

道兼(玉置玲央)は、火急の用で呼ばれ道隆のところへやって来ました。
苦しそうな道隆は、道兼の手を取り、伊周、隆家を支えてやってほしいと懇願します。
我が家を頼むと頭を下げました。

●春
まひろは、文を書いています。
荘子の「胡蝶之夢」を書写しています。
そこにさわ(野村麻純)がやって来ました。
まひろは、、文字を教えた子の父母も、自分も疫病に罹ったと答えました。
二人は再会を悦び、石山寺のことを詫びました。
さわは、まひろが送った文を書き写して保管していたのです。
文字を写すことで、すこしでもまひろに近づきたいという思いからです。


(引用)
いつかわたし(荘周)は、夢のなかで胡蝶になっていた。
そのとき私は嬉々として胡蝶そのものであった。
ただ楽しいばかりで、心ゆくまで飛び回っていた。
そして自分が荘周であることに気づかなかった。
中公クラシックス「荘子Ⅰ」から)
https://artexhibition.jp/topics/news/20240428-AEJ2018002/

●道長への思い
さわの文を見て、まひろは思い出したように文を書き始めます。
「何を書きたいのか分からないけど筆を執らずには居られない」
その時、道長は月を見上げていました。

■帝と道隆

道隆は、伊周を後継とするため、一条天皇に内覧の宣旨を出すよう要請します。
今すぐ返事を出すよう強制しますが、一条天皇は下がれと命じました。
道兼はすぐには返事しなかったのは良い策でした。
伊周を嫌っていないが、まだ若すぎると考えていました。
定子に道兼は早く御子を産めと命じます。
尽くし方が足りない、御子を産めば、帝が味方になるのだと話し続けます。
御子、御子を産めと狂乱気味に声を出し続けました。

●ナレ
「後に一条天皇は、伊周に内覧を許すが、そこには関白の病の間という条件が付けられていた」

■公卿の間で
大納言・藤原朝光が疫病で亡くなったという情報が入りました。
陣の定めのときはまだ疫病に罹っていなかったと思いたいと皆は話します。
実資は内裏に入り込んだことは関白の横暴のせい、許しがたいと声を荒げました。
「伊周に明日はない」(実資)
そこに伊周がやって来ました。

■道隆の最期

道隆は一条天皇の御簾を強引に上げると、伊周を関白にしろと声を荒げました。
病状が悪化し寝込んでいる道隆に高階貴子はまだ大丈夫だと声をかけます。
「忘れじの 行末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな」

●ナレ
「長徳元年4月10日、藤原道隆は43歳で世を去った」


(引用)
道隆の辞世?
百人一首第54番・高階貴子の歌
忘れないと言ってくれましたね
けれどどうしたってそれは難しい
永遠に忘れないなどということはわかっています
だからいまこのときを極みの命として
散ってしまいたいと思うのです
(河出書房新社「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 02 百人一首 小池昌代訳」より)
https://artexhibition.jp/topics/news/20240428-AEJ2018002/

----終わり----

次回は 第18回「岐路」5月5日放送です。

■感想

道隆がとうとう身罷りました。
番組での死因は飲水の病(糖尿病)でしたが、飲水の病と疫病のハイブリッドだという説もあります。
こんなに早く亡くなるということは、私もハイブリッド説だと思います。
温厚で理性的な人物でも、家や権力が絡むと人が変わるのでしょうか。
兄弟の絆よりも実子への権力継承の方が重要だということが描かれました。
親戚より家族の絆が優先されるということですね。
さて、今回の影のテーマは「蝶」だったようです。
まひろが写していたのは、「胡蝶之夢」で、道隆臨終のときに舞っていたのも蝶でした。
「わたし(荘周)は、夢のなかで胡蝶になっていた」本当の自分は蝶で、蝶が夢の中で人になっている、ということを言いたかったのでしょうか。
確かに人生は夢まぼろしのごとくなりです。


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