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なぜ「どこでうちを知ってくださったんですか?」と聞かれるのか

【4/16 追記:有料部分の試すだけでプレゼントの理由を補足しました】

日常から小売を考えるシリーズ①
なぜ「どこでうちを知ってくださったんですか?」と聞かれるのか


こんにちはハヤカワです。


マガジンも3本目となりました!

今回は、普段の生活の中で「これはどうしてだろう?」と思うところを深掘りしていきます。
というのも、普段の生活で触れている販売員さんの接客や、お店のキャンペーン、はたまた通販の送料無料などは、利用者の視点で見ると何故これをやるのだろう…?と謎なものも多くあります(そしてそういった場合は大抵ターゲットではないのです)。ですが、全ての判断は何かしらの理由を持って会社や集団が決めたものなので、そこにはしかるべき理由があるはずです。そして、多くの理由は「なんとなく」ではなく、しっかりと仕組みに則った上での判断だったりするため、消費者として触れているサービスを因数分解していけばその仕組み自体を理解することにもつながっていくと考えています。なので、普段、自分が触れているサービスやキャンペーンを考えるということは、小売業の仕組みを知ることにもなりますし、そこの仕組みや考え方を知ることで日常生活での気づきも増え、自分の仕事や活動に生きて来るはずです!


ということで今回は、服を買う時…あとたまに飲食店でもありますが

「どこでうちを知ってくださったんですか?」

と店員さんが聞いて来る謎…謎でもないか…から深掘りしていきます。


■「どこでうちを知ってくださったんですか?」の謎

改めて「どこでうちを知ってくださったんですか?」についてですが、本当によく聞かれませんか?

普段、服ならユニクロとか電化製品ならビックカメラとか、いわゆる量販店でしか買わない場合は量販店の会員カードの申し込みに頻出の「どこでうちを知ってくださったんですか?」を思い浮かべてもらえば良いかなと。

私はよく小さめのお店やブランドで服を買うことが多いため、店員さんにほぼ毎回これを聞かれるのですが「これ以外に話すことないのかな…無理して話してくれなくて良いのに…」とずっと思ってました、笑。

そして、もう1つ、まとめて考えるとわかりやすい謎があります。それは「試すだけでプレゼント!」の謎です。


■「試すだけでプレゼント!」の謎

これは、この言い回しだと少しピンときづらいのですが、女性だと「化粧品カウンターでタッチアップ(お試し)すると現品おひとつプレゼント!」や、男性だと「車を試乗するだけでお子様におもちゃプレゼント!」みたいな感じです。

これに関して「試したら無理に買わされそうで怖い」という意見もあれば「買う気が全くないの人もいるだろうから無駄そう」と感じる人もいると思います。たしかに、店によってはすごい勢いで買わざるを得ない状況に持ち込むところや、実際買う気が全くない人もいると思うので合ってるっちゃ合ってるのですが、これもまた深掘りしていくと企業サイドには明快な目的があったりします。

では、以上の謎を踏まえたうえで、まずは小売の仕組みを因数分解するところから始めたいと思います。因数分解とは、ここでは”A=B×C”というように、ある要素をより細かい要素に分解することです(数学の意味とは少しずれます)。


■小売の因数分解

まず、今回はわかりやすくするために「小売業=売上を高くするのが目標」と仮定します。もちろん、利益率を上げたり、販売総額を上げないことでブランドをコントロールしたりみたいな話もありますが、今回は関係ないので「小売業=売上を高くするのが目標」と簡略化します。

では、売上を因数分解していくことで、どこの数字を上げれば売上も高くなるかを考えます。売上の因数分解については色々な考え方がありますが、今回は全部で3つの捉え方をしていきます。

まず、

①売上=客数×客単価(1人あたりの購入金額)

という分解が一番大味な因数分解です。

これは更に分解することができるのですが、そのためには売上を支えるお客様を分解していくことが重要になってきます。


お客様をまず大きく二分すると、”初めて買われるお客様”つまり「新規客」”以前にも1度以上購入されたことがあるお客様”つまり「リピーター」に分けられます。更に、新規のお客様の中でも店舗の場合”通りすがりで買うお客様”やSNS等で”たまたま見かけたからポチっと買ったお客様”は「通りすがり客」このままだと長いので通りすがり客を英語にしたpassing visitorを略して「PV」と呼びます。なので今回は、「PV」でない新規客の方、つまり事前に認知していて意識的に購入に至ったお客様を「新規」と呼ぶことにします。

※伝道者は購買自体をしているとは限らないですが、ここはまた今度。

ここまでお客様を分解していくと、はじめて売上を更に細かく分解していくことができます。

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・売上の因数分解②
・「どこでうちを知ってくださったんですか?」は●●を知るため。
・売上の因数分解③
・「試すだけでプレゼント!」は●●を増やすため。

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