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物を買わずに豊かに生きる5

今日も今日とてお金を使って生きているけれど、出来るだけお金を使わずに豊かに生きるために何ができるか?少しずつ自分に問うている。

仕事始めの今日は午前中は在宅勤務をした後、昼にかけて自宅を出発して挨拶回りへと行った。午後2時くらいであろうか、お腹も減ってきたので外食を取ろうとする。近くのトンカツ屋が目に入って、カツは縁起がいいから年始くらいは良いだろうと誘惑に駆られる。すぐさまハンドルを切ってカツ屋の駐車場に入ったが、あいにくの休業日だった。空腹で食欲が刺激されて、私の中のリミッターはすぐに解除されてしまう。「物を買わずに豊かに生きる」ことを目指していながら、無惨にも食欲に負けてしまう。トンカツ屋のすぐ近くにカレーチェーン店を見つけた。時間もなかったので、そこに決めて店内に入る。

メニュー表を見ると数々のカレーのトッピングが目に入って、私のいつも頼むトッピングも美味しそうにこちらを見つめていた。しかし、急に私の中の哲学が私に語りかけてきた。「お金を使わずに豊かに生きる」ことを目指しているなら、少しずつ自分の中にその実践を見つけていくべきではないか?そんなようなことが過ぎった。すぐさまメニューの中で一番安いオーソドックスなカレーと、トッピングの一番安いサラダをセットにして頼んだ。

思えば私の好きなトッピングと好きなサラダの組み合わせは金額で言うと千円をゆうに超えて、食した後は腹がはち切れんばかりになって、いつも食べ過ぎを後悔していた。今回はシンプルなカレーを頼んで、無料の福神漬けをいっぱいかけて一番シンプルなサラダと共に食した。ちょうどういい量とヘルシーさでカレー屋を出た時の満足度は、トッピング盛り盛りの時よりも高い。お金を使ったからと言って満足できるわけではないというシンプルなことを身をもって体感する。こういった少しずつの実践で私は資本主義という鎖から少しは解放されていくのだろうか。いや、いくに違いない。

そんなことを考えながら普段なら千数百円使うカレー屋のランチを七百円と少しで出ることができた。

しかし、私の実践はその後失敗に終わることになる。営業という仕事をしていると臭いというのは大敵である。体全体に消臭剤をシュッとかけながら、フリスクを買おうとコンビニに立ち寄る。コンビニは誘惑でいっぱいだ。私はローソンでお気に入りの『濃密カヌレ』とコーヒーのLサイズ、そしてペットボトルのお茶とフリスクを購入してしまった。なんということだ!せっかくカレー屋にてお金を普段よりも使わずに出来て自分の理想とする哲学を実践できたと思ったらすぐにこれだ。カヌレと熱々のコーヒーで優雅にデザートタイムを過ごしながら、自分の至らなさを後悔した。このコンビニの立ち寄りで六百円超も使ってしまった。まだまだ修行が足らない。

家に帰る途中に、いかにお金をつかわないようにするには、事前の準備が必要であると考えるに至った。まず明日からはコーヒーの水筒と、お茶の水筒と自分で用意して持っていくようにしようと思った。

食事に関しては、なるべく昼に近い時間に出発するときは、自宅にて質素な納豆ご飯やインスタントラーメンなどで凌いで、食事してから出発するとお金を使わない。妻がいるときは作ってくれたりするのだが、私は食べるか食べないかわからないし、基本的には用意してもらっていない。子どものことをほとんど任せている私は自分の朝食や昼食くらい自分で出来るようにならなければいけない。

私の資本主義を脱出する試みはこんな恥ずかしい実践からスタートしている。隅々までお金というものを使わないと生きられないような錯覚をする現代において、いかに使わずに生きていくことが難しいことだろうか。

お金というものに縛られずに生きていく、お金を使わずに豊かに生きていく。物を買わずに豊かに生きる。

その実践を、小さな一歩から始めようとする記録です。

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