ビデオグラファーの日記2/24

いい意味で変な人が多い僕の仕事。物事考えすぎて3周くらいしちゃっている感じだったり、とにかくなんかぶっ飛んでいるとか。それも関係しているのか趣味とか、自分の好きをちゃんと持っているところはかっこいいなと思う。

僕は何か一つに夢中になっているというよりカテゴリーの違う趣味がたくさんある感じだが、その一つに日本酒がある。
元々は全く興味もなかったし、大学生の頃の阿保な飲み会で強制的に飲み飲まされてきた思い出の方が多い。

それが2年ほど前、仕事で佐賀のとある酒蔵のPV撮影を行った時だった。この案件は本当にいいクライアントに恵まれ、現地に到着するなりまずは日本酒の良さを知ってもらわんと始まらないと、とにかくとんでもなく美味しいものをご馳走してくれるのだ。
正直当時の自分には比較対象がなかったためどんな味かの説明も出来なかったが、びっくりするほど美味い!と思ったのが新政酒造のニルガメだった。今でこそその価値を知りもう一度あの日に戻りたいと何度思ったか…。

そして各都道府県昔ながらの酒は特に、味と歴史・文化がしっかりと繋がっていることを知った。
それこそ僕の日本酒デビューを飾ってくれた佐賀は恵まれた自然から農村地帯だった歴史がある。肉体労働で疲れた体を癒すために糖が多くなる傾向があるのだ。だから九州の醤油は甘いし、酒も当然甘く香りも芳醇なものが多いのだ。

もっと広く日本全体で見ると、辛口の日本酒に流行傾向があり新潟や秋田の酒は人気もあれば流通も多く感じる。それにも歴史があり、戦後には日本酒の原型のような酒に水と砂糖を加えて飲んでいたという。現代では決してうまいとは言えないこの酒。それに抗うように、より辛く糖の悪い部分を排除し水や米の純粋な旨さを突き詰めていった結果が今に繋がっているという。

現代時代を生きているとさまざまな事が簡略化され、一部では人と人の繋がりを指摘するようなニュースやAI問題も取り上げられている。その表現をドライとするのならば、酒と接し、その文化に触れているとドライな時代の中で、人が感じたこと、生きてきた事の現状の答えに触れたような気になる。本当に毎日そんな事を考えているわけではないけど、ふと昨日の酒美味かったなと調べるとそんな高尚な気持ちになる。のかもしれない。いや正直言ってうまいからのんでるだけ…。

今週も早いところ撮影を乗り越えて、うまい酒を飲む。よし頑張れる。生きがいって重要!

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