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アラブに石油王は存在しない🌈

私たちは、『石油王』と言われると、頭の中でターバンをしたアラブの石油王を想像してしまいます。

「石油を掘り当て、王様となった、お金持ちで裕福な暮らしをしている人」

しかし、アラブに、石油王は存在しません。

その理由も含めて、今回は、高騰が続いている『石油』について、紐解いていきたいと思います🌈


石油は、数億年前の生物(主に植物プランクトン)の死骸が、化学変化を起こしてできた『化石燃料』です。

生物の死骸が海底や湖底に堆積し、深さ3000mに達すると、下からの地熱と上からの圧力によって刺激され、分解が始まります。

すると、プランクトンの堆積物は、炭水化物へと変化し、『油母(ケロジェン)』と呼ばれるロウに似た固形物になります

これが、さらに分解されると、液状化し、石油になるというわけです。


油田は、地球上に多く存在しており、世界で把握しているだけでも、約6万5000ヶ所で発見されています。

しかし、それぞれ、いつ、どこでできたかまでは特定できていません。

なぜなら、石油は、地下を移動するから。

そのため、周囲の岩石を使った年代測定ができないんです。


現在発見されている最古の石油は、5億4000万年前のもの。

石油がつくられた最盛期は、2億〜1億4500万年前のジュラ紀です。

超大陸のローラシア大陸とゴンドワナ大陸の間にあった『テチス海』で、膨大な量の石油が作られていました。

テチス海はその後、大陸移動の影響で消滅してしまいますが、石油は、海底に残されたままでした。

そのテチス海があった場所に、現在の中東地域があるんです。

中東地域で得られる産油量は、世界の3分の2を占めており、得られた石油は、今も世界各地に輸出されています。

そんな中東地域のアラブに、実は、石油王が存在しないというのは、冒頭で書いた通り。

では、なぜ、石油王が存在しないのでしょうか?

それは、

「国益として、利益を国が管理する仕組みが出来ているから」

石油で得た収入は、石油公社や国営企業が管理し、政府に還元され、それが国民に分配されます。

つまり石油は、個人の所有物ではなく、国有物であるということです。

そのため、石油を掘り当てた人間も、一般市民と変わらない生活を送ります。

『王族』と呼ばれる人々もいますが、彼らも給料制です。

少しだけ、夢が崩れたかもしれませんね😓


アラブの石油事情は今、どうなっているのでしょうか?

現在、高騰が続いているだけでなく、税金がなかった中東地域に、数%の付加価値税が導入されています。

石油は、あくまで太古の昔から還元されているもの。無限にあるわけではないため、使い過ぎないよう、制限を設けているのが現状です。

さらに、石油に頼らないホワイトバイオテクノロジーの発展が進み、一昔前にあった富裕層のイメージが変わりつつあります。

今後、どのように変化をしていくのか、楽しみですね😌

最後まで読んでいただきありがとうございました🌈

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