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また来たくなるワケ。

職場から徒歩3分ほどにある、今まさにどっぷりとハマっているHIJIRIという名のカツ丼屋がある。名古屋柳橋市場にあるお店だ。

きっかけは、最近友人のSNSで知り、近いしなんとなく行ってみたくなってしまったんだけど、その時点で、もうすぐ閉店してしまうことも同時に知った。

ウマいのに閉店するのか。

ちょっと腑に落ちない気持ちもありながら、初入店して食べてみる。

ウマい!見た目は超絶シンプルなのだけど、とてもウマい。秘伝らしき甘いソースがいい感じに効いてて、カツの重さというか、よくあるこってりしたカツ丼ではない。かなり好みである。

メニューはカツ丼のみ。というのも潔くて好き。まあ、カツ丼屋だし。

でもこのお店の良さは味だけじゃなくって、どうも店員さんにもファンが多くついているみたいだ。

後で知れば、お店は親子で営んでるようで、とにかくその娘さんの元気さがめちゃくちゃいい。来るお客さんほとんどの人と、気さくに対話をしながら、接客をこなしてる。

この名古屋駅周辺エリアは、平日のお昼となればかなりの人が集まる、サラリーマンのランチスポットなので、どのお店も、とにかく回転させて稼ごうぜ!みたいな店がほとんどだ。

だからこんなエリアで、平日の真っ昼間からお客さんと楽しそうに仕事してるお店を見たのが、なんだか珍しく見えてしまったのか、なおさらいいお店に思えてしまった。とても居心地がいい。

正直、ここのお店は、カツ丼が出てくるのは決して早くないし、すごく安いワケでもないし、席数もとても少ないし、ビニール壁で寒いしで、好条件が揃ってるワケではない。

それでもめちゃくちゃ流行ってる。カツ丼はウマいし、なによりお客さんのほとんどが、娘さんに会いにきてる。そしてみんな口を揃えるように、「お店閉めた後どうするの?」って聞いてる。

ああ、愛されてるんだなぁ。このお店。と、しみじみとカツ丼を食べる自分。

もっと早く知っておくべきだったという後悔。こんなに近いのに。

娘さんはレジでお会計をする時、必ずといって笑顔で目を見て「ありがとう」と言うし、お客が出口のビニールシートを出る時まで必ず目で追っかけてまた「ありがとう」か「どうも」と言う。

なんら当たり前のことだしもうすぐ閉店するからとか、きっと娘さん自身特別いつもより気持ちが入ってるとかじゃなくて、きっと毎日の事で、そんな当たり前な事を必ずといっていつもやってくれるので嬉しくなるし、また来たいと思える。カツ丼もウマいし。

確か今週末3月2日(土)が最終営業日なので、今日、明日の平日は涙腺を緩みながら、たくさんのサラリーマンたちが食べに、娘さんに会いに来るに違いない。

ああ、寂しいなぁ。

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