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歪みが無いなんてむしろ激レアだろという話

みなさんこんにちは。
花田隼人(@hokkaido_wakate)です


「体の歪みが痛みの原因です」
「歪みを整えてラクになりましょう」

...とは言うものの、

そもそも体はどうしたって、
「整っている」よりも
「整っていない」の方が多くなります。


当たり前です。


ただしその根拠として、

「人にはクセがあって…」とか
「長年の負担が…」とか

そんなことは
聞き飽きましたよね。


今日は全く違った視点から、


「歪んでいる人が多くて当たり前」



…という話をしたいと思います。


そんなに長くならないので、
脚長差を見るときのような
フワッとした気持ちでお読みください。

 



 
 

 

歪みとは「距離的な変化」


歪みについて語るとき、
そのほとんどの内容は
「位置関係の偏り」です。

つまり骨どうしの位置関係が
「タテ・ヨコ・前後」などの方向に、
「距離的」な異常値で存在するということです。

例えば左の腸骨が
正常だと思われる位置より、
2mm程度後ろに
ズレているという所見があれば、
まさにこの“距離的な変化”といえます。

「距離的」ということを
もっと分かりやすくお伝えするには、

「物差し」を使って可視化する
伝わりやすいでしょうか。






スケール的“歪み観”


ここに物差しを用意しました。

先ほどの例であれば、
腸骨が解剖学的な平均値と比べて
2mm後方へズレていたとします。

2mmのズレがあるということは、
物差しの中ではこのような
位置関係にあるということです。

そして我々が
この位置関係を問題視して、
矯正の施術を行います。

矯正したことによって、
このように位置関係が変化したとします。

ある程度は整ったように見えました。

しかしです。

この治療家はとても熱心で、
「1mmの歪みも見逃さない」
という信念のもと、

この残った偏りを
「要修正」と考えました。

全ては、
“整形外科ではやらない
  己の完璧な根本治療のために”です。






細かく見る矯正家のパラドックス


しかしこの物差しを
拡大してみるとどうでしょうか。

まだまだ目標とするところには
遠いように見えるかと思います。

それどころか
間に目盛りが入ったことによって、
矯正完了までのプロセスが
かえって長く感じませんでしょうか。


では、
この目盛りをそのまま残して、
元のサイズに戻すとどうでしょう。

はい。

このように、
目盛りが入ってしまうことで、

矯正したはずなのに
全く整っていないように見える
という事態に陥ります。

さらにここから
何度矯正を重ねたとしても、

「拡大してみる」と
わずかな誤差に気がついてしまい、
その差を埋めるべく
結局は矯正を繰り返すことになります。

この「拡大してみる」という
要らぬ作業こそが、
「1mmの歪みも見逃さない」
という信念が生み出す問題点です。


「わずかな歪みも見逃さない誠実さ」によって
矯正完了のゴールが延々と遠ざかること。

それが、
「細かく見る矯正家のパラドックス」です。






歪んでいないとは


細かく歪みを見て、
わずかなズレさえ見逃さない。

そんな歪んだ美学を持ち合わせていると、
「完璧に整った」以外はすべて
“歪んでいる”ということになります。

例えばこの物差しでは、
当然ながら「0」が
「整っている」にあたります。

それはつまり、
これだけの広いエリアで
「歪んでいる」という判断になる
ということです。

そしてこのエリアは
この画像にとどまることなく、
両サイドに無限に広がっていきます。


「整っている」とは、
このごく限定された「0」の一点に
ポイントが置かれたものだけを指し、

それ以外の全エリアは
ポイントが置かれれば、
「歪んでいる」とされます。

整っている=0 
歪んでいる<0<歪んでいる

ということです。


「歪んでいない」と
絶対的に言えるのは「0」であり、
それ以外は物差しのどこに
ポイントを打ったとしても、
歪んでいることになるわけです。


確率をものすごく
単純に考えたとすれば、

どこかのポイントに
無作為な点が打たれるなら、 

「0」か、
「0以外」かであれば、
「0以外」の方が要素が多くて当然です。

つまり、

「歪んでいない」か、
「歪んでいる」かであれば、
「歪んでいる」の方が

ランダムな選択肢としては
多いということです。


もちろん人間の体は
「0」を平均的な作りとしているので、

統計的には
「0」が多数派になるかもしれません。

ただし、
我々が細かく見れば見るほど、
わずかなズレでも
「歪んでいる」と判断してしまえる可能性は、

概念上、無限に存在するということです。




「1ミリの歪みにこだわる」

業界にはそんな矯正美学が
あるかもしれません。

しかし、
ミリ単位を追求すればするほど、

「歪んでいない」という状態自体が
どう考えてもレアケースになる

と考えることもできるということを、

この記事ではお伝えいたしました。




そんなことを踏まえて、


矯正との向き合い方
歪みとの向き合い方


…の参考にしていただけましたら
花田としても嬉しいです。


いかがでしょうか?


それでは、
また別の記事でお会いしましょう!

最後までお付き合い
ありがとうございました。

  


花田は新患対応で何を見ているか?

▲記事に書かせていただきました。
ぜひ目を通してみてください★


 
 

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