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どこよりも早い「日本青年会議所」2022年度事業計画書の勝手な解説

はじまり

 この内容は、2022年度より新しくなった事業計画書について、経験をもとに勝手に解説していることをご理解ください。

 まずは、数年に1度進化している事業計画書。時代や社会の変化や組織のめざすべき未来に向かって、会員一人ひとりが日々成長と発展をしていく機会の一つとして事業計画書を作成するという作業があります。これは、ビジネスにも応用できることです。2021年度までの事業計画書よりも未来を描く、何よりもビジョンを持つことの大切さを持ち続けてほしい。という想いからの進化したものです。

 そして、本事業計画書か新しくなることに対して、青年会議所として、また、青年会議所のメンバー一人ひとりが知っておくことがあります。いま、青年会議所に入会し3年以内というメンバーが増えてきています。増えている時代になってきたからこそ、改めて歴史を振り替える必要があるのではないかと思います。

 そこで、私たち現役メンバーとして知るべきことを改めての報告します。2019年の京都会議にて当時の鎌田会頭が全てのメンバーに向けて1つの約束をしました。青年団体としてSDGsを一番に推進する団体となる。私たちは誰よりも、未来を描き持続可能な団体を目指していく。その言葉の通り、2019年の終わりに内閣府に認められ青年団体として一番の団体になりました。

 また、あれから3年。私たちは今年までの事業計画書にそって事業構築をしてきました。決して悪いことではない。どちらかといえば、未来を描いてる展望や効果となる表現が下の方に集中していると感じてました。これでは、SDGsを推進してきた青年団体としては、自己満足であり、SDGsウォッシュと言われても仕方ない雰囲気があったと感じてました。対象となるターゲットやチラシに対するロゴの設定、貼りつけ。本当に意識して取り組んでた事業がどれだけあったのだろうか。本当にその事業や運動を行うことで17のゴールにある169のターゲットが解決に向かう事業だったのか。は、疑問に思うところがある。

 だからこそ、私たちは事業構築の段階から、あるべき姿をしっかりと定め、なりたい姿やあるべき社会を描く未来を考える必要がある。青年会議所としてのビジョンは何か。私のビジョンは何か。私たちのビジョンは何か。グループのビジョンは何か。委員会のビジョンは何か。そして、運動や事業のビジョンは何か。「いま」の状態から物事を考えるのではなく、「未来」から描く。ここに最大の焦点を置いた事業計画書が出来上がったのだろう。

 そして、大事なことはここから。未来を描くこと。そこから、見つける課題を設定する必要がある。つまりは、SDGsのなかにある、ムーンショット理論であり、バックキャスト的思考である。この訓練こそ社業の成長と発展に大きく繋がるものです。ここにも大きなビジネスの機会がある。言葉で教えてもらう教材より、実践を通して体験しながら積み重ねていくことができる。この発想が常に意識できる環境を作れることがビジネスを大きく成長させ発展させる。

 話を戻そう。未来を描く、課題を設定する、誰といつまでに、何をどのように、などを作っていくサクセスストーリー、物語を描くことができたのか。地域や社会が目指すべき姿に対して、解決すべき課題を考え、求められているアクションプランを考えているのか。承認欲求のようにあなたたちが求められていること=ニーズにあった行動変異に繋げているのか。そこには調査研究があるのか。やりたいことをやって、自己満足の仲良しなイベントになってないか。この物語の主人公は誰なのか。主人公や参加者に何を提供し、どのように変わって、同じような人材が増えたとき、描く未来に繋がっているのか。など真っ白なキャンパスに描く全てのことを構成しなければいけない。
 青年会議所のメンバー一人ひとりがこの思考的行動変異をもって活動することを、「未来をデザイン」と呼ぶ。

 三万人のメンバーが、各地域でしっかりとした定義のもと「未来をデザイン」できる行動を起こすことが出来たら、日本は必ず明るい豊かな社会が実現させることが出来る。それだけのスキルが高い人材、学ぶ意識の高い人材が揃っている団体で、切磋琢磨しながら自己謙遜し、あらゆる機会から自己成長できる青年団体は他には無い。年会費という自己投資を行い、ボランティア、社会奉仕を無償の愛で行う。最大のベネフィットは何よりも自己成長につきる。

 経験した者でしかわからない景色もあるかもしれない。しかし、学び得るもの全てが尊いものです。今回のテーマである事業計画書において、事業構築を行うということは、上に述べたとおりに全体を通して「未来をデザイン」しているのかが重要です。本書?では、冒頭に説明した通り、新しい事業計画書について、身勝手な解説をしていきます。一筆書きのように書けるものではないが、思いの丈を並べて、次世代へ残せるものを作っていきたいと思います。最後まで宜しくお願い致します。飽きないように工夫しながら作り、でも、必要なところは言葉を並べて伝えていきたいと思います。

きっと上に書いてあることを注意して、事業構築の一歩を踏み出せば、「基礎」「土台」がしっかりとした事業・運動が出来ると思います。


1,目指す社会、組織の姿

目指す社会
 まず考えることは、LOMであれば理事長、ブロックであれば会長、地区であれば会長、日本本会であれば会頭、また、議長、委員長、委員会などは、グループ、会議体が目指していく社会を確認する必要があります。ここを、間違えると違った方向性になるのでご注意ください。

 では、目指す社会は一体いつ(時期、時代)を示すのか。ここに定義は無いと考えます。しかしながら、【8,中期ビジョン】との位置づけについて、明確な区分をする必要があります。2022年はビジョンを描くこと(作ること)に1つ力を入れています。詳細は、日本青年会議所2022年度へ問合せをお願いします。

 参考として、勝手に定義とすると・・・
目指す社会は、10年後以降
中期ビジョンは、5年後を考えていくのが良いと思います。

 そして、組織の姿も同様です。対内向け人材・組織強化関係の事業においては、組織の未来を描くことを忘れずに、未来に向かうために必要な行動指針に気づくと思います。

 すべての解釈をここで語ると長くなるので、このあたりにします。ただし、大筋必要なことを勝手に語りました。必要に応じて個別対応、ミーティングなど可能です。(笑)


2,実施に至る背景

 ここからが重要なとろこですよね。初めての委員長が事業計画書を作るということであれば、間に合わないので他の方に聞いてください。間に合う方は覗いてみてください。すでに始まってる方は報告頑張ってください。この背景こそ最大のポイントですよ。各LOMのやり方や方針がありますから、ここから記載することは、あくまでも勝手に解説してます。一つの視点としてお読みください。

 その前に、あなたにお願いがあります。先程のビジョン設定終わってますか?また、ビジョンまでに必要となってくる乗り越える課題は見えていますか?まだの方は図解にして見てみよう。見えている方は言葉で書き出して見よう。全く見えない方はビジョンを改めて共有しましょう!

 ここまでが事前準備です。

 さて、解決すべき課題があります。その中において、今回の事業において、あるべき姿を定めた結果、解決していきたい課題を一つ選んでください。欲張ってはダメです。一つの事業において、一つの課題を設定することをオススメします。せいぜい2つですけど、背景の文章が迷宮入りします。注意してください。そして、必要なことは課題を取り巻く情報です。

1)「いま」なぜその課題を設定したのか。
2)その課題が必要とされる社会はどこか。
3)その課題から考えられる問題はどこか。
4)問題が起きていることの要因は何か。
などを確認してください。

 つまりは、「調査・研究・分析」を行うことです。
ここが事業構築のはじめての一歩です。

よく耳に聞きます。
あれやりたい。これやりたい。はNGです。
背景、目的<手段、手法 はダメです。
この事業計画書であれば、
ビジョン > 背景 > 目的 >手法・・・
という考えかと思います。

 なら、調査、研究、分析とは何をするのか。と、言われるかもしれませんね。以下に記載します!

 調査とは何か。
これは単にある事柄に関して徹底的に調べる。ということです。とりあえずは、物事の歴史や成り立ち、第三者機関による調査や検証、都民や市民に対して声を耳で聞く、足を使って、頭を使って、そして、目を使って見て、手で調べる。なによりも、全身を使って心を感じて調べていますか。要はパソコン、WEBだけの情報ではなく、足を使いどこかに赴き調べてください。
言われたから調べてやるか。と考えている人いませんか。しょーがないなぁ調べるか。と仕方なくを考えている人いませんか。必ず調査は、自発的に、かつ、積極的に自ら調査に関わってください。結果だけを見るんではなく、調べ方、なぜ同時調べる必要があったのか。など紐解くと様々なことが見えてくるはずです。
調査は嘘つくものではありません。事実を見つけるものです。あなたがしっかりと向き合うことで真実が見えてきます。ぜひ時間が少ないかも知れないけど、限りある時間を調査する時間に費やしてください。(長いな(笑))
 研究とは。
調査が終わり研究。研究って何でしょうね。多くの方が何をすればいいんだろう。と、考えているはずです。Wikipediaでは、研究とは「ある特定の物事について、人間の知識を集めて考察し、実験、観察、調査などを通して調べて、その物事についての真実あるいは真理を追求する一連の過程のことである。語義としては、研ぎ澄まし究めること。の意」とあります。まさに、その通りです。
調査した内容から、その背景にあるものや、感情、そして、調べるにあたり関わった人たちの心理など感情介入していくことが大切なんだと思います。その世界観や社会観を自分事と考え寄り添うこと、向き合うことで見えてくることを見つけ出す作業をしてください。
 そして、分析とは。
ここまでに調査や研究してきたことを分割していくことです。私は常に伝えることは因数分解してください。と伝えています。調査したこと。研究したこと。を、一度分解することで、必ず見えてくることがあります。何も見えないじゃん。と思う方は、最初から調査から再度行ってください。諦めたらここで終了です。がんばって調べてください。
 しかし、どんなに考えても自分自身のなかで腑に落ちないことであれば、そこに答えは無いです。あなたに必要な答えは無いです。断言します。無いです。で、あれば、どうすればいいのか。それは単純明快です。ビジョンと調べていることに解離があるからです。ここまできてなんやねん。という見方もあるかと思います。それが事実です。ビジョンを描いてから調査研究分析までに何かが違ったのです。改めて整理をして、最初の一歩を確実なものにしてください。

 次に必要なことは。課題の設定です。解決するべく課題を設定することで、より明確なアクションに繋がります。ただし必要なことは、ビジョンを実現させるために必要な課題を明確にするこです。ビジョンにあたり求める方向性も変わってきます。

 【文章構成案】現在の事業計画書の入力はワード形式です。端的に整える場合、3行以内が理想です。この範囲のなかで、本当に伝えたいことを整える訓練にもなります。ぜひ頑張りましょう。そして、文章構成は、①客観的事実、現状を示す。(数字を使った事実や現状)②問題提議(なぜ①が起きたのか。起きているのか。事実や現状が起きている原因、要因の提言、)③課題解決の必要性(あるべき姿に向かう課題の提言)大筋この【背景三段活用】で表現すると、端的に伝わりやすさがアップすると思います。このうえで、次の【目的】です。

3,目的 

 「事業における目的は1つ」

 目的設定について、文章化、話し言葉にする事業計画書を多く見ます。筋が通り、読み手が解釈できれば良いと思いますが、文章が長いと設定している目的が多く読み取れ、何を達したいのか。迷走してしまします。目的は端的に表現することで、伝わりやすさもアップします。

 しかし、ビジョン > 背景 > 目的 このロジックを崩さずに「構築」することが大切です。上記背景からの本事業の目的について、表現すると良いと思います。また、文章の末尾は「~目的とします」で締めくくるように心が得けましょう。

 さて、ここで目的が複数あるとどうなるのか。「2個だめなのか」「3個だめなのか」と言われることがあります。基本原則、規則やルールに「複数だめ」という記載は、青年会議所のなかにはありません。(LOMルールがある可能性ありますが)しかし、実務経験豊富な方も、これから青年会議所というなかで事業構築をし、事業計画書を書く方も、同じように、端的に伝えるのであれば、「目的の数だけ、手法があり、検証がある」ということです。

難しい話ではありません。「目的の数があれば、その目的を達成するための手法(手段)を考え実践し、実りある効果測定、検証を行うこと」これは、全国どこの青年会議所においても同じです。しっかり社会に変化を与える運動、インパクトのある運動を展開していきましょう。

4,連携する外部/内部パートナー種別 

 ここは、SDGsを推進し、社会にインパクト事業を展開し、社会課題の解決を実践していくためには、とても重要になるポイントです。パートナーとの連携を少し、間違えて捉えている方が多くいますね。

 ①、事業構築を進め、手法選定の際にパートナーと連携し、事業開催意義(背景)と目的を伝え、講師登壇を依頼する。
 ②、実施委員会の基本方針に合うパートナーと連携し、事業構築の初期段からパートナーと連携し、共に問題、課題、事業構築を行う。

 上記どうでしょうか。違いがわかりますか?(わかりずらい場合は、今後調整しますww)要は、「事業構築をやろうぜ」という本腰をあげる時よりも“前に”パートナーがいるか。“後ろに”パートナー設定をするのか。です。これは、何よりも②の後者です。SDGsの思考も何よりも社会課題の解決や理念の実現には、ゴール17、パートナーシップが重要です。また、「誰ひとり取り残さない」という言葉にあるとおり、世代を超えた全ての人がパートナーシップの関係にあると言えると思いませんか。

 パートナーシップ先と問題を見つけ、あるべき姿を共に考え、課題設定、解決手段について共に議論すること。そして、参加者に対して、どのような目的や効果測定、検証することが、より未来に繋がるのか。また、どのような表現で世論や対象者に訴えることが社会に変化を与え、事業への参加を促すのか。参加者に共感が得られるよう事業構築をしていきましょう。

5,実施日と実施前後のスケジュール 

 実施日について
例)2022年1月1日(*) **:**~**:** 登録**:**
開催日と時間を明確に示しましょう。それ以上でも以下でもないです。

実施前後のスケジュール
 ここも大きなポイントです。「実施前後」のスケジュールと書いてあります。おおよそ見ると、事業実施前のみ記載しているところが目立ちます。いや、ほぼ、事業後は書いていないことが多いですよね。事業構築には、全体をデザインしないと、自分たちの首を苦しめることになります。逆を言えば、計画段階で委員会の行動が組めていれば、その通り動けば良いということです。そのスケジュールに疑義があれば、協議・審議で意見、質問の対応が発生してきます。自分たちが見えていないことを、外部からの指摘で見えてくることもあります。このスケジュールをしっかりデザインし、事業報告を出すまでのスケジュールを作っていきましょう。

6,実施場所

  会場名、住所、会場HPの地図アドレス の記載が良いかと思います。
また、最近はグーグルマップで、ルートも作れます。もう一歩踏み込んだら、所在地リンク、ルートリンクなど貼ってあげると親切ですよね。このようなちょっとした心遣いが、ポイントアップになるかもしれません。(笑)

7,事業内容(目的達成のための手法) 

 まず、手法について説明する前に、伝えておくことがあります。これまで、積み重ねてきた、ビジョン>背景>目的があってこそ、手法が見えてくることを大前提に伝えたい。経験者は言うだろう「あれやります。これやります。」それで、「君はなぜそれをJCがやる必要があると思っているの」と・・・。だいたいの経験者は伝えたことがあるでしょう。(笑)経験者は言いたがりなんだ。と理解しておくと良いと思います。

 さて、本来の話に戻しましょう。事業計画書は何と言っても、背景あっての目的、目的あっての手法だと言われても、結局は、「手法」が整っていないと、ほぼ全てが壊れます。この手法についてどれだけ、秘めた思いと伝えたいこと、参加者に向けての狙いなどを示さなければ、寝言のように見えます。あなたは本気で参加者に「より良い変化を与えたい」と思っていますか?どのようなことであれ、あなた自身が誰よりも先に、変化の道を辿っていなければ、誰かを変えられることは出来ません。ぜひ、この手法の部分で、深み、厚みがあり、明確で、わかりやすい内容で整理し、当日がイメージできるよう全体をデザインしましょう。

事業概要・・・150~200文字程度で全体がわかる説明文。この1つで、全てがイメージできると良いです。
事業名・・・インパクトがあり、記録に残るより記憶に残りやすい内容が良いです。長ければ良い、短いほど良い。ということはありません。正直どちらでも良いですが、事業内容に沿って、興味が沸く、名称が良いです。
主な手法 ※一部紹介
(1)講師・・・最初に伝えます。講師を呼ぶ事業は最大限の注意が必要です。注意事項は「講師にお任せ感が強く出ている」の表現です。講師事業は、講師が得意で伝えたいことを手法に表現するのではありません。委員会が目的に沿った内容を、委員会を代弁して参加者に伝えていくために、「講師」をつけます。ごく稀に勘違いしている事業計画書があります。
(2)ディスカッション・・・講師事業の二部で使用されることが多い手法です。内容は、「特定の問題を複数人で話し合い議論をすること」です。特にルールを定めずに、自由に意見を出し、議論することです。そのうえで、特定の問題について解決、又は、糸口を生み出すようにします。
(3)パネルディスカッション・・・講師事業の二部で使用されることが多い手法です。パネル=「panel」=「識者」という意味を表します。「識者」と言われるぐらい、有識者、専門家が集まり大勢の前で議論、話し合うスタイルのディスカッションです。
(4)ディベート・・・事業目的に沿ったテーマについて「肯定側」と「否定側」とに別れて行う話し合いです。良くも悪くも意見を出し合い、それぞれのメリットやデメリットを見える化する事業です。一定の方向性は見えても、最後の判断は個人に委ねている状態です。ちなみに、「ディスカッション」は「議論」、「ディベート」は「討論」
(5)ブレインストーミング・・・集団で様々なアイデアを出しまくる作業です。日本語では「集団発想法」とも言われます。「ブレスト」と略すこともあります。事業の手法として使われることは少ないですが、数多くのアイデアを出すことで社会課題の解決に繋げていくヒントが生まれます。「ディスカッション」は問題の解決が目的ですが、「ブレインストーミング」はアイデアを出すこと自体が目的です。
(6)体験型・・・とにかく動きます。何事にも体験、動くことで得られるものを提供します。実体験することが一番身に染みるアクションになります。地域や地方、異文化や国際、そこでしか得られないことは、体験することが一番の近道です。
細分化すれば、多くあると思いますが、とりあえずここまで。気付いたときに増やしています。
 大切なことを伝えておきます。
手法選定には必ず、その手法を選定した「ねらい」を示すことです。そして、参加者に対して「どのように変わって、変化してもらいたいのか」を示すことです。理事会における役員には「答え」を示しているようで、委員会としては「気が引ける」こともあるでしょう。しかし、それも青年会議所の1つの会議体として、全員が決めた、合意形成を取るために必要なことです。主に委員会は、この手段で、どのような効果を与え、どのように変わってほしいのか。という思いを示さなければ、役員を納得させることが出来ないし、説得させることが出来ない。本当にこの事業が必要なことである。という方向性に繋げていくには、「ねらい」「より良い変化」をしっかりと示すことです。

手法の最後に必要なこと。あなたが選択した手法は選定理由です。
あなたは、「なぜ」この手法を選択したのでしょうか。

8,中期ビジョン 

 本事業で地域や社会に向けてどのような姿を目指したいですか?あなたたちが目指した姿に対して一年後や五年後どのような姿になっていてほしいですか。ここに求めることは、あなた自身が求めていく姿、カタチ、ビジョンでず。その一点になります。

9,成果目標 

KGI・・・一言で言うならば、長期目標を数字化したものです。ビジネス用語であれば、経営目標達成指標と言われるものです。一つのビジネス事業において、何を持ってゴール(成果)とみなすかが大事です。成果となることを指標や数値化したものであるため、売上高や利益率、成果件数などが定められることがあります。

これを青年会議所に落とし込みをした場合の考え方を、これまでの事業や活動、運動を振り返り私なりに考えてみます。例えば、拡大について。青年会議所はLOMのと呼ばれ、単年度制として活動をしています。1月1日から12月31日まで。この1年で拡大にしたい人数(成果)が、KGIです。また、講師事業について。一人でも多くの人に対して意識を変えてもらいたい。という問題提議をする事業の場合は、動員が求められます。3ヶ月後の事業において動員を3000人の動員成果を求めたい。これもKGIです。そして、ビジネスの機会を最大限活用できる事業について。あらゆる機会を通して1年で1000件を成果として目指したい。これもKGIです。その他考え方としてゴール設定がKGIです。しかし、継続的な事業であったり、一つの運動体が年間通して考えていく場合にKGIが、次に説明するKPIにもなることがあります。ただし、同じ成果目標数値になることはあり得ません。ここを間違えずに是非設定をしてほしい。

KPI・・・こちらは一言で言うならば、短期目標を数字化したものです。上記KGIとは異なることを知っておくと良いでしょう。ビジネス用語としては、重要業績評価指数と呼ばれるものです。達成状況を定点観測することで、目標達成に向けて組織の生産性を確認したり、達成に向けたパフォーマンス向上を把握することが出来ます。目標値と比較し、達成度が異なる場合は組織の生産性を見直したり対策を考えることが必要です。

では、青年会議所として考えた場合はどうでしょうか。状況KGIの参考例をもとに考えてみましょう。

拡大の場合。年間の目標が12名としましょう。これがKGIです。そして、1ヶ月単位の目標が1名としましょう。これがKPIです。この設定が混在しないようにする必要があります。しかし、ここからがポイントです。単純に設定することが目的ではないので注意が必要です。1名の拡大かもしれないですが、【誰が、何を、いつまでに、どのように】行うから、1名の仲間が増えていくのかが大切です。単純に設定だけ記載すれば良いと思っている計画書が多すぎます。

次に、動員目標を掲げた事業の場合。繰り返しになるけどKGIは3000人とした場合。KPIは何か。審議をとってから3ヶ月後とするならば、一つ目は、1ヶ月ごとの人数達成設定がKPIとなるだろう。大切なのは達成させたい未来から考えること。2ヶ月後には2000人、1ヶ月後には1000人。また、二つ目は、達成させたい為に広報活動をどのように行うのか。メーリングの回数や、各LOMへの発信回数、LOMへの訪問回数など。ここを【誰が、何を、いつまでに、どのように】について詳細に計画することがポイントです。KGIに向けた行動は様々あります。その一つ一つのアクションには必ずKPIを設定することが大事です。

最後に、年間通してアクションプランを実施したい場合。これぞKGIとKPIを明確に、かつ、様々なアクションについて計画が必要。そして、結果成果を追い求めていく考える時間がワクワクしますよね。笑っちゃうぐらいに。今の時代、あらゆる世代において、当たり前のようなプランでは人集めは出来ないと感じている人が多いはず。我々は人集め、動員はしたいけど、動員こそ理念共感型にしなければいけないはず。

その事業は何故必要なのか。訴えるものがあり、読み手に響くものがあり、プレゼントが欲しいと思わせ、ベネフィットに価値がなければ参加に繋がらない。しっかりと考え、目標に繋がる指標を設定していただきたい。そこで必要なことは、【誰が、何を、いつまでに、どのように】を明確に打ち出すことです。

例えば1000件のアクションプランを考え社会実験をしてほしい。ということであれば、毎月の目標設定が必ず必要です。12ヶ月あるならば単純計算で、約84件の達成が必要。では、約84件を達成するために、何をするのかが重要。実績報告を聞いて改善してき実験の数を増やしていく。では、社会実験の成果数は到底達成できないだろう。

担当としての必要なアクションは、結果数>検証>改善>実践ではなく、ゴールの明確化>短期目標の設定>目標達成の計画策定>実践>結果数>目標とのギャップ検証>改善計画策定>実践>ゴールへの見直。このループが毎月のようにあるばす。そして、必要なことは、一つ一つを細分化し、【誰が、何を、いつまでに、どのように】を明確に計画をすることです。本気でやるなら本気でやりましょう。議論のなかでは「そこまでやるのか?必要なのか?」と、思うことがあると思います。たかが計画。されど計画。とことここれまで以上の担当からのクションプランを実施し、目標達成につなげてください。何故次の項目が【10.成果目標の検証方法】なのか。これは自ずと分かりますね。ここまでの内容一つ一つを検証するためには、何をするのか。アンケート回収だけが検証すべきモノ。コトではありません。

10,成果目標の検証方法 

 検証方法=効果測定については、事業構築にあたり最も重要な要素の1つであると言えます。目標や目的を定めた場合は、その事業の達成度を測定しなければいけません。その検証方法には、多く方法があります。青年会議所の事業を考えれば、多くが「アンケート」を効果測定の手法として選定していることが多いです。この手法がダメだということを訴える意思はありません。ただし、アンケートだけが活用方法である。という認識は是非外してください。

 事業検証は、①アンケートだけではなく、②アクションプランを作り実践する。③事業の制作物に参加者の声を具現化する。など、考え方次第では「検証手法」が広がることを知っておくと良いと思います。しかし、効果測定をし、検証として目に見える結果を数値化する。ということであれば、アンケート回収が一番早いという事実もあります。

 では、アンケートにおける注意点についてお伝えします。スーパーウルトラ個人的見解ですが、アンケートは「はい」か「いいえ」かの2種類だと思っています。しかし、青年会議所には【ロバート議事法】という会議運営方法を採用していることから、「白票」を含めた、「はい」「いいえ」「どちらでもない(白票)」で、良いと思っています。
 そして、大切なことは、【何故それを選んだのか】です。「はい」を選択したなら【何故それを選んだのか】。「いいえ」を選択したなら【何故それを選んだのか】。「どちらでもない(白票)」を選択したなら【何故それを選んだのか】。ここが重要で、大切です。
 何よりも目的の達成度を測るために必要な効果測定をしてください。ありがちなことは、目的に掲げている文章・言葉がアンケートの設問が入っていない。入っていないことが悪ではないが、入っていないと紐づきが見えないんですよ。又は、言葉が無くても検証できるロジックを作っておくことが必要です。ロジカルマジックを作りましょう。

11,対象者及び参加員数 

 対象者は、大きく分けて2つに分かれます。それは、「対内」と「対外」です。簡単に伝えると、青年会議所の現役会員は、「対内」であり、青年会議所の現役会員以外(OB・シニアクラブ)や地域諸団体の皆さまは「対外」と言えます。

対内・・・各地青年会議所現役メンバー
対外・・・地域関係諸団体、市民、都民、県民など
     セグメント(子育て世代・小学生・中学生・単身者など)

 参加員数で最初に伝えておくことは、会場が大きい場合、会場の許容範囲にそって人数を設定することがあります。これは、本当に設定方法として妥当な考え方でしょうか。稀に、「会場の許容席数が200人だから、参加者を200人集めます。」という思考を持った事業構築があります。本当に本気で動員する計画を作っていますか?(=動員計画、広報計画など参加意欲が沸き、動員に繋がる内容)本気で作っているのであれば、問題視することは無いです。なかには、会場先行で会場に合わせた人数設定があります。是非会場に合わせるのではなく、事業の内容にそった空間を設定してほしいと思います。

 青年会議所の運動や事業は、「明るい豊かな社会」の実現に向けて行動を起こしています。青年会議所は、会員に向けて「より良い変化」を与えるためには、4つの機会(個人、地域、国際、ビジネス)を提供しています。
 誰もが多様な環境のなかで多様な価値観を持っています。多くの価値観を持った地域の人材が、この青年会議所に集まっています。そして、何故青年会議所に集まったメンバーは同じ道に進むことが出来るのでしょか。それは、青年会議所の全ての活動・運動が、「より良い変化」を与え、「明るい豊かな社会」を実現させるという強い想いと意思を持っています。
 それは何故か。「私たちは信じている」ということです。世界中にある青年会議所は、全ての国において「JCIクリード」を唱えています。この内容は、青年会議所活動における価値観を表現しています。全6節からなる内容の解釈は、【個人】の解釈に一任しているものです。
 最後に、何よりも「私たちは信じている」。「恒久的な世界平和」「明るい豊かな社会」の実現に向けて、「私たちは信じている」という思考を忘れないでほしいです。

12,広報戦略 

  まず、広報戦略を考えるまえに、【誰が】【誰のために】【何のための】広報戦略なのかを考えていただきたい。直近では、戦略シートという書式ができたことで、「とりあえず埋めれば良い」という雰囲気が見えてきます。資料を開けば、「100」という数字が並べている状況。「100」という数字はだいぶ大きなハードルですよ。(中略・次回)しっかりと戦略と戦術を考え、自らが主体的となって率先的に、【委員会が行う広報戦略】を考えてください。広報委員会に依頼することも大事ですけど、【委員会が行う広報戦略】を考えて、示してください。

13,SDGsのゴールとターゲット番号 

 日本青年会議所は2019年に日本で一番推進している青年団体となりました。だからこそ、推進しているだけではなく、推進から実践していかなければならない。2021年ビジネス実践委員会が提唱している指標策定について読み解いてほしいと思います。17のゴールと169の指標があります。これを掲げるだけではなく、この169の指標からそれぞれの事業に対する指標を設定していただきたい。撲滅や無くすと言った「0」目標が存在する。一つの事業で「0」にすることは難しいことは、誰もが招致している事実であると思います。それでも、この項目があることを考えてみるならば、何を目指して、どのようなターゲットに向けて、どのような社会の指標の改善、向上に向けて目指しているのか。を示すところであると、私は思います。

 例えば、ある社会やこの地域において、現在はこのように数値化された事実がある。この事業を通して社会により良い変化を与えることで、ある社会や地域は指標Aから指標A+αに変えていくことを目指していく。だからこそ、ビジョンを実現するために、運動や事業が社会課題の解決をしていく。つまりは、SDGsのあるべき世界に向かうことができる。結果として、それぞれの運動や事業が持続可能なものとなり、SDGsを実践していることになるのではないかと思います。

14,前回の上程よりブラッシュアップした点

※ここは会議を行ううえで、重要なポイントなので先に記載します。

 この点は、(たしか)前回の事業計画書の進化により追加されてた点です。この項目の重要さ、大切さをイマイチ理解していない事業計画書があります。全てとは言いませんが、少なからずある。ということです。何よりも最初に伝えることは、主な変更点を必ず記載してください。

 私も委員長としての経験があります。1年通して忙しいし、追われるし、言われるし、てんてこ舞いな1年です。間違いないです。しかし、与えられた役目、職責、責務を引き受け、覚悟を持って、責任を果たしましょう。もう、嫌だの、出来ませんだの、言ってられません。人生1度きりです。全ては自己成長、あらゆる人間力の向上を目指して頑張りましょう。

 時を戻そう。「14,前回の上程よりブラッシュアップした点」については、少なくとも、前回の事業計画書上程時、及び、会議から、主な項目として「何が、どのように、変わったのか」を示さなければいけません。なかには、いつまでも「初回上程につきなし、空欄」の事業計画書が目に止まります。会議を重ねるごとに、意見対応で対応について記載しているのに、「初回上程につきなし、空欄」となっています。今一度、上程する以前に十分確認したうえで上程すると良いと思います。

 あらゆる経験のなかで事業計画書を確認するときに、討議、協議と会議を重ねるたびに1番最初に見るところは、「①意見対応の記載表現」と「②14,前回の上程よりブラッシュアップした点」です。(私だけかな。いや、少なくとも複数いるはず)
 正直な話会議を重ね、より良くなる事業構築において、最初の冒頭から最期の文末まで、1から10まで確認していく時間は、全員ありません。恐らく無いでしょう。と、なると会議をむかえるにあたり確認するべきポイントは、上記2点です。各諸会議時の上程においては内容を確認し上程しましょう。

 副会長、委員長など上程に対して対応するメンバーの皆さま。
 この項目を上手に使うことです。単に変更点を記載する。変更した資料を添付する。だけではなく、“あえて”①ブラッシュアップした点を意見対応との連動性を示すように記載する。②ブラッシュアップした点を変更前から変更後、何がどのように変わったのか。変更経緯一覧をつける。③ブラッシュアップした点がより良くなることを説明する。など、見る側に向けて、誠意を示すものではなく、分かりやすく、伝わりやすく、示していくと良いと思います。結果として、ビジョンに近づき、目的の達成に近づいていくブラッシュアップになっていればOKです。

最後に

本文章は個人の見解です。ここまでの経験から思い描くこと、そして、事業構築において大切なこと。忘れてはいけない点を記したものである。言葉の良し悪しは気にしないでいただきたい。時々見直し、振り返ることもあります。が、しかし、計画において大事なことをお伝えしました。ここに書いたことが全てではありません。これだけは伝えておきます。ビジョンを持ち続け未来をデザインできる思考を体現できる機会こそ、より良い変化を皆さんに提供しています。これが、青年会議所という組織です。

 青年会議所は、恒久的な世界平和に向けて明るい豊かな社会を実現を目指している団体です。個人として、組織としてより良い変化した仲間が集まることで実現されます。多様な価値観が集まり、青年会議所というなかで共通の価値観を持てるようになります。この価値観をもった仲間が集結するからこそ、仲間同士でより良く変化でき、明るい豊かな社会が実現します。東京、47都道府県、地区協議会、日本、そして、世界で活動するメンバーが共通の価値観を持って集まることが、明るい豊かな社会の実現に近づきます。

本気でやりましょう。本気でやるからこそ、仲間とのワクワク感が生まれます。気持ちが入らないなら一度は本気でやってみよう。本気でやれば仲間の意識も変わる。相手を変えることは出来ないかもしれない。自分を変えることは出来る。目線を下げて向き合うことも大事だけど、質を落とすこととは違う。本気で向き合い、本気で活動するからこそ、本当に社会を動かす青年になれるはず。

本内容の最大の目的は、事業計画書を読み解き事業構築できるようになることで、真に持続可能な明るい豊かな社会を実現させる一人でも多くのJayceeを増やすことです。私はあなたがより良い変化のなかで成長と発展し明るい豊かな社会を実現させることを信じてます。


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