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「リメイクで楽しむ半幅帯の仕立て」に参加しました。

暑くて長かった昨夏。普段着物生活を楽しみましたが、9月になっても単衣を着る気になれずに夏着物してました。夏帯は枚数が少なくコーディネートに飽きてしまったので、半幅帯を買おうと探したのですが、なかなか気にいるものに出会えないままに袷の季節に突入。

冬になっても半幅帯が頭の片隅に残っていたところ、知人が半幅帯の仕立て講座に参加すると聞き、私も〜!と申し込みました。横浜市技能文化会館主催の横浜マイスター塾「リメイクで楽しむ半幅帯の仕立て」です。好きな生地を持ち込んで3回の仕立て実習で半幅帯を仕立てる講座。講師は水守康治さん、帯仕立て職人では日本で唯一、黄綬褒章受章の方です。

私はリサイクルショップで買った、サイズが小さく着ることは無いだろうけど生地として気に入った銘仙風の単衣を解き、その上に銘仙の古裂をクレイジーパッチワークのようにした生地を持ち込みました。
古裂は、母が集めていたものと友人のお母様の箪笥にしまわれていた計4種11枚。思い出ある古裂を小さく切らずにそのままの形状で漏れなく全員縫い付けました。

半幅帯の長さは、伝統の結び方ではなく最近流行りのちょっとデコラティブな楽しい変わり結びにしたいため長めの約4m。

サイズを決めて表地を半分に折り、仕上がり幅寸法プラス一分で縫い、幅寸法プラス五厘のところできせをかけてアイロンがけします。
「きせは五厘でかける」という言葉、とても職人ぽくてかっこよくて気に入りました。「きせをかける」は、縫い目を隠すための和裁特有の技ですが、その隠すための寸法が一分の半分の五厘だというのです。
また、縫う位置は生地の厚さにより微妙に異なるようです。生地が厚い時は「へら外」、薄い時は「へら内」に「気持ち」加減するとのこと。職人の技は最早、寸法では表現できない精度!水守さんは帯は着物よりはるかに細かい、とおっしゃっていました。

そして、帯仕立ての最も大変なプロセスの帯芯付け。2枚の帯芯に針を刺す指の感触とその音を頼りに縫います。気づいたらチクチクと無心になって縫い進めていました。
日常生活では決して無い、針から伝わる微かな指の感触と音。脳へ良い影響しか無いと思いました。
そして、約4mもの長い布をただひたすらチクチクと縫い進める帯というファッションアイテムは究極にシンプルなモノづくりだと思います。

水守さんから教えていただいた帯職人の技は一朝一夕では真似できませんが、そのこだわりの精神は少し理解できたかな?プライスレスの宝物の半幅帯になりました。
色々な結び方で楽しみたいと考えています。暑くて長くなるであろう今年の夏の普段着物生活が楽しみな、着物がたりです。



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