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大切にしてきたことを、大切にできる場所で。

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最近の記事

「ここちよい近さがまちを変える」という本がもたらしてくれた、自身の暮らし方やまちの見つめ直し

2023年の5月から9月まで、Xデザイン学校が開催していた「ソーシャルイノベーション研究会」という集まりに参加していた。 この研究会では、エツィオ・マンズィーニという学者が書いた「Livable Proximity. Ideas for the City that Cares」という本の日本語訳に取り組むチームが中心となり、本に書かれている事項を紐解きながらディスカッションを行っていた。日本語版の本はこちら。 この本がテーマにしたのは、特に「近さ」「ケア」という社会システ

    • コンヴィヴィアルな関係でつくり続けるということ

      先日、Sustainable Innovation Labという集まりのトークイベントに参加した。 ゲストは緒方壽人さん。参加した最大の動機は、彼の著書「コンヴィヴィアル・テクノロジー」である。昨年の秋、山口周さんのラジオがきっかけでこの本に出会い、大きな影響を与えてくれた。 「コンヴィヴィアル」とはイヴァン・イリイチという哲学者が40年前に出した本の言葉で、「人と道具との共生」を意味するという。イヴァン・イリイチはコンヴィヴィアルな道具として自転車を挙げ、またスティーブ

      • (2022年秋)ラピッドプロトタイピングブートキャンプの1ヶ月を振り返って

        このプログラムは、Figmaを使って超高速でLPのプロトタイピングをするというもの。Figmaは使ったことがなかったのでよい機会と思ったのもあるのだけど、プロトタイピングのプロセスを実践的に経験したいと思ったのが動機としては大きかった。 このプログラムで取り組んだのは、とあるクライアントから訴求対象として提示されたペルソナに対して、クライアントのサービスを利用してもらうためにどんなアプローチができるのかを考え、超高速にそのアイデアをLP上で表現し、検証するというもの。 実

        • Xデザイン学校 2022年度ベーシックコース振り返り #3(ビジネスインタビュー)

          Xデザイン学校の第3回が終わった。プレ講座を含めると4回分の講義が終わったのだけど、このレポートは3回目の発信になる。6月19日に行われた第2回のリフレクションをnoteに書けていなかったからだ。 前回の講義で「プラットフォームとインフラの違い」について考え込んだのだけど、それを簡単にでもいいから言語化せず、1ヶ月が経ってしまった。時間がなくてもとにかく文字にしてみるのとできないのとでは雲泥の差がある。言い訳しても何の意味もないので、とにかく制限時間を決めて書くようにしよう

        「ここちよい近さがまちを変える」という本がもたらしてくれた、自身の暮らし方やまちの見つめ直し

          Xデザイン学校 2022年度ベーシックコース振り返り #1(ブートキャンプ)

          1週間前からのプレ講座に続いて、いよいよ10ヶ月の修行が始まった。1回目のタイトルは「ブートキャンプ」。なんだか鍛えられる感ある。 リンクを張らない前回の振り返り記録を読んでいただいた浅野先生から、先週「振り返りの note を書くときはリンクを張らずに自分の言葉で書く努力をすると、そのうち自分のものになっていく」という指摘をいただいた。 講義の冒頭、「知ると分かるの間には大きな隔たり(デスバレー)がある」という話があったけど、URLを張るという行為はあくまで知識にすぎな

          Xデザイン学校 2022年度ベーシックコース振り返り #1(ブートキャンプ)

          Xデザイン学校 2022年度ベーシックコース振り返り #0(プレ講座)

          「Xデザイン学校」の2022年度ベーシックコース(日曜)に入学した。 来週から毎月(全10回)開催されるので、これからその都度振り返りを記し続けようと思う。なんとか頑張って、自分が気づいたこと、凹まされたこと、できた(と思っている)こと、分からなかったこと、宿題にしていくこと等、粗々の内容でもとにかく記録を出していけるように。。。 なぜ挑戦することにしたのか直接的なきっかけは、デジタル庁が運営している自治体職員と政府職員による共創プラットフォーム(Slackワークスペース

          Xデザイン学校 2022年度ベーシックコース振り返り #0(プレ講座)

          「行政の仕事を市民が自由に覗きこんでハックする」 滋賀県庁を舞台にしたデザインスプリントをやってみた話

          2021年9月、滋賀県庁を舞台に4週間のデザインスプリント「Tech Lake Sprint」を開いた話。プログラム終了後、運営チームと行った振り返りで、「公式のレポートで書けなかったことは各当事者個人のブログなどで発信しあうことで、多角的なリフレクションを試みよう」という話をして、自分はこの note で書くことにした。公式のレポートは以下ページにまとめてある。 Tech Lake Sprint は「行政×デザイン」の試みの失敗から生まれた海軍の中における「海賊の居場所」

          「行政の仕事を市民が自由に覗きこんでハックする」 滋賀県庁を舞台にしたデザインスプリントをやってみた話

          2019年7月、「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」で語られていたこと (2/2)

          2019年に起きた滋賀県サイトリニューアル事件を受けて、県内有志が開催した「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」の記録を、2年弱の歳月を経て、再編集のうえ公開することにした。この記事はその後編(なお前編同様、内容はすべて2019年7月28日時点の情報となるのでご留意願いたい)。 前編では、ゲストとしてお招きした株式会社ツルカメのUXディレクター 森田雄さんから自治体サイトリニューアルの“勘所”を踏まえた今回の事案の所感について、お話い

          2019年7月、「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」で語られていたこと (2/2)

          2019年7月、「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」で語られていたこと (1/2)

          2019年に起きた滋賀県サイトリニューアル事件。今から2年前の3月28日に行われた滋賀県ウェブサイトの全面リニューアルをめぐって数々の問題が指摘され、世間や報道、議会などで波紋を呼んだ。 この年の7月28日、県内有志が「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」を、守山駅前のコワーキングスペース「TORKS」で開いた。県内外のウェブ制作関係者や行政関係者、研究者など、およそ30名が集まった。そのときの話は毎日新聞や滋賀報知新聞でも取り上げら

          2019年7月、「滋賀県サイトリニューアル問題と自治体サイトのあり方について意見を交換する会」で語られていたこと (1/2)

          災害時外国人支援のハッカソン&検証ワークショップを通じて学んだ、「デジタル」と「デザイン」の相互関係

          この記事は、2017年2月に実施した「災害が起きたとき外国人をITで守る検証ワークショップ in 草津」の非公式レポート(note版)である。 これを最初に書いたのはワークショップから1ヶ月後の2017年3月で、関係者に確認を取り終えいよいよ県として公開を進めていたところ、庁内決裁がおりず、お蔵入りになっていた。 それから約2年半後の2019年11月、改めて一部関係者の許諾を得た上で、当時書いたものを Speaker Deck に「非公式レポート」として公開することにした

          災害時外国人支援のハッカソン&検証ワークショップを通じて学んだ、「デジタル」と「デザイン」の相互関係

          滋賀県「びわ湖大花火大会」でのオープンデータ×シビックハックの試みを通じて学んだこと

          気付けばもう6年前の話になるのだけど、2014年〜2015年の「びわ湖大花火大会」で県内有志と仕掛けたオープンデータ化&シビックハックに関する試みを振り返る。今にして思えばあれは滋賀県内におけるオープンデータやシビックハック(シビックテック)の最初の火付け役になった出来事だったし、それらを進めるうえで大切なことを学ばせてくれた、とても貴重な機会だった。 データとサービスの提供者を切り分けることで役割を整理し、改善への仕掛け(ハック)を誘発するオープンデータのことは2010年

          滋賀県「びわ湖大花火大会」でのオープンデータ×シビックハックの試みを通じて学んだこと

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (4/4)

          2017年7月から2019年夏頃までオーガナイザーとして動いていた「Policy Lab. Shiga」という滋賀県職員若手有志の取組みと顛末を、あくまで個人的な動機や思いに基づいて言語化する試みの、その最終回。前回の記事はこちら。 最終回は提言の後に起きた「失敗」について記しながら、成功と失敗を経て自分なりに学んだことを書きまとめてみる。失敗の記載について決して誰かを非難する意図はないのだけど、Policy Lab. Shiga としてここまでプロセスを明らかにすることを

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (4/4)

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (3/4)

          2017年7月から2019年夏頃までオーガナイザーとして動いていた「Policy Lab. Shiga」という滋賀県職員若手有志の取組みと顛末を、あくまで個人的な動機や思いに基づいて言語化する試みの、その第3回目。いろんな事情があって公開が遅くなってしまった。 提言までのロールプレイでは、業務をしていると何やら発生してしまう行政ならではの意思決定スピードの遅さや制約を最大限取っ払うことを意識して取り組んでいた。特に明確な指針があったわけではなく、行動しながら都度判断で決めて

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (3/4)

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (2/4)

          2017年7月から2019年夏頃までオーガナイザーとして動いていた「Policy Lab. Shiga」という滋賀県職員若手有志の取組みと顛末を、あくまで個人的な動機や思いに基づいて言語化する試みの、その第2回目(本記事中の写真はすべて http://policylab.shiga.jp/ から)。 前回の記事については下記参照されたい。 Policy Lab. Shiga は業務外非公式という形態で活動をしていた。なのでよく庁内では「遊び」の活動と誤解する人が多かっ

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (2/4)

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (1/4)

          2017年7月から2019年夏頃まで、Policy Lab. Shiga という滋賀県職員若手有志の集まりのオーガナイザーをしていた。いくつかの媒体で取り上げられ、寄稿もさせてもらったのだけど、そこでは書き切れなかったことや、なぜ提言までは成功し、その一方でなぜ公的な取組みとして実現できなかったのか、その辺の自分なりの整理を、反省をこめて書きまとめることにした。 Policy Lab. Shiga についてはこちらから。 以下4回にわけて書くのだけど、これらはあくまで個人

          「行政(政策)×デザイン」の試みは、なぜ成功して失敗したのか (1/4)

          滋賀県が策定した「翻訳・多言語対応ガイドライン」は何が新しかったのか

          2018年3月に「滋賀県翻訳・多言語対応ガイドライン」の策定に滋賀県国際室として関わったときの話。個人的にこのガイドラインはもっと広まってほしいと思っていて、また複数の方から問合せを戴いていたこともあり、どうやって取り組んだのか当時やっていたことを振り返ってみた(以下はあくまで個人の見解であり、滋賀県の公式見解ではありません)。 「滋賀県翻訳・多言語対応ガイドライン」そのものは下記ページに掲載されています。 ルールづくりではなく「仲間づくり・味方づくり」をコンセプトにして

          滋賀県が策定した「翻訳・多言語対応ガイドライン」は何が新しかったのか