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語ると止まらなくなる「#ハマった沼を語らせて」

この記事は、スカパー!さん後援のお題企画「#ハマった沼を語らせて」に投稿しています。

【推し】を語るのは難しさ

【推し】を語るのは難しい。なぜなら沼にハマればハマるほど、もっと深いところにいる人が目につくからだ。

「自分はあの奥深くにいる仙人のような人ほどではない」

と、どこか気後れして話せなくなってしまう。
張り合う必要はないと頭で分かっていても、映画が好きすぎて映画館に住んでいる人や、コマ送りで作品を観続けている人と出会ってしまうと、上には上がいると思い知らされるのである。

だが今回は「ハマった沼」を語る企画だ。
せっかくなので思いきって私のハマっている沼、キャプテン・アメリカについて語ってみようと思う。

キャプテン・アメリカの魅力

キャプテン・アメリカとはアメリカのコミックスの登場キャラクターだが、ここではマーベルシネマティックユニバースという映画シリーズ(以下MCU)の【スティーブ・ロジャース】というキャラクターについて語らせてほしい。

アメコミ映画に馴染みのない人にとってはなんのこっちゃだと思うので、簡単にMCU版スティーブ・ロジャースの設定を説明しようと思う……が、以下「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」のネタバレを多分に含んでいるので、ご注意を。

スティーブ・ロジャースは、1918年アメリカ生まれの軍国青年。
祖国のために軍へ入隊しようとするも、ガリガリひ弱・持病持ちの彼は不採用続きだった。
そんなある日、ひょんなことから彼はスーパーソルジャー計画という人体実験の被験者に選ばれる。
実験の成功でムキムキの超人兵士「キャプテン・アメリカ」となったスティーブはWW2で一躍英雄となるも、身を挺して祖国を守った結果、爆弾とともに氷山に沈んでしまう。
時は流れて2012年……コールドスリープ状態から目覚めたスティーブは、現代のヒーロー集団「アベンジャーズ」に迎え入れられるのだった――。

勢いに任せてキャラクター紹介していたら、「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」の一部始終を書いてしまった。だが魅力はすべてここに詰まっている。

この内容だけでは「どこが好きなの?」と思われるだろう。
だから次は、スティーブ・ロジャースの好きなところを語っていく。

スティーブ・ロジャースの好きなところ

私が好きなスティーブのポイントは大きく3つだ。

  • 高潔な精神

  • タイムスリップの切なさ

  • 近接格闘戦と指揮官としてのかっこよさ

まずは「高潔な精神」について。
星条旗を模したキャプテン・アメリカのコスチュームから保守的なキャラクターだと誤解されがちだが、スティーブはアメリカという国をただ盲目的に信じて守るヒーローではない。

彼が大切にしているのは「人間の自由の精神」だ。
アメリカ軍兵士として誕生したヒーローだが、朝鮮戦争もベトナム戦争も湾岸戦争もイラク戦争も経ずに現代で目覚めたスティーブは、アメリカの現状を知って絶望する。
WW2が人類最後の戦争だと彼は思っていた。この戦争が終われば平和が訪れ、人々は自由になると信じて戦ってきたのだ。
それが70年寝て起きてもまだ人間同士争っていて、さらにアベンジャーズに加わって宇宙人と戦えと言われたら……。

こうしてスティーブ・ロジャースの境遇を考え始めると止まらなくなるのである。タイムスリップの孤独を味わいながらも、人類の自由のために戦い続けるスティーブ・ロジャースの沼はあまりに深い。

「タイムスリップの切なさ」といえば、大切な人とダンスの約束をしていたのに約束を果たせないまま70年コールドスリープしてしまうというのも、エモーショナルな設定だ。
不可抗力なのに「彼女とのダンスの約束を果たすことができなかった」という罪悪感を抱いて現代を愚直に生きるスティーブ。その人柄に胸を打たれる。

最後は「近接格闘戦と指揮官としてのかっこよさ」について語らせてほしい。

アベンジャーズのヒーローと聞いて誰が思い浮かぶだろうか。
最新兵器に身を包んだアイアンマン? 超絶パワフルなハルク? 雷の神様ソー?(念のため…スーパーマンやバットマンはジャスティス・リーグというDCコミックスの別のヒーロー達である)

キャプテン・アメリカは、スーパーソルジャー計画で超人兵士になったけれど、ハルクやソーに力では遠く及ばない。
そもそも通常の人間の4倍の代謝と力を得られるというスーパーソルジャーにひ弱なスティーブがなったところで、アスリートより少しパワーがあって頑丈…という程度な気がする。

だから比較するのは単純なパワーではない。
キャプテン・アメリカの最大の能力は、指揮官としての統率力と判断力。
WW2の英雄ということもあり、知名度と人望が抜群の彼は、個性的なヒーローたちを指揮する能力に優れているのである。

加えて、近接格闘戦の圧倒的なかっこよさ。
これはキャプテンアメリカ2作目と3作目、そしてアベンジャーズ・インフィニティ・ウォーとエンドゲームを監督したルッソ兄弟の手腕も多分に影響しているだろう。とにかく監督の早回しのカメラワークによる大迫力のアクションが圧巻なのだ。

特にウィンター・ソルジャー。何を隠そう、私はMCUシリーズで「キャプテン・アメリカ/ザ・ウィンター・ソルジャー」が一番好きだ。最初から最後まで凄まじくかっこいいから。

まだ見たことのない人には観てみていただきたい。けれどもし、万一、MCUのシリーズを一作も見たことがないという方がこの記事を読んでいらっしゃる方がいるならぜひ「アイアンマン」から見ていただきたくて……と、【推し】を語るのは難しいと言っておきながら、語りだしたら止まらなくなってしまった。

この辺にしておこうと思うが最後に、四面楚歌となり孤軍奮闘するスティーブ・ロジャースが人々に語りかけたセリフが彼というキャラクターを端的に示しているので、そのセリフを添えて終わりたいと思う。

自由の代償は高い。常にそうだった。だが払う価値はある。僕一人でも立ち向かうが、一人ではないと信じる。

キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー ※吹替版のセリフ

#ハマった沼を語らせて

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