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ゲーム「Fate/EXTELLA」感想

 おなじみFateシリーズの新作。Fate/Extra、Fate/ExtraCCCの続編として発売されたEXTLLA。

Extraのシリーズが大好きだったのでEXTELLAも好きになれるだろうと思っていたら全然合わなかったという感想です。注意!

■ Fateとは

 Fateシリーズとはなんぞやという方に説明すると、「過去の偉人(という名の偶像)を魔術で呼び出して代理戦争だ!報奨はなんでも叶えられるすごいアイテム!」です。この代理戦争のことを聖杯戦争、なんでも叶えられるすごいアイテムを聖杯と言います。元々はFate/StayNigthというエロゲが最初でした。
 そしてこのFate/Extraシリーズはアニメやソシャゲとして出ているFateとは全く異なった世界線の話です。
ざっくり説明すると、Fate/Extraが「精神体を電子の海へ飛ばしてトーナメント方式の聖杯戦争を月のネットワークで行なう」って話で、CCCが「Extraの聖杯戦争中に月の裏側に落とされて月の表側に這い上がる(物語的にはExtraに集約される)」って話でした。
この世界の魔術師は「精神を電子に変換することが出来る者」であり、元々のFateシリーズの魔術師は「魔術を扱うもの」でしたので、全く違う事が分かります。
 ルートと言っていいのか分かりませんが、Extraのエンディングは基本的に元の世界に戻るもので、CCCは例外を除けば電子の海に残るものでした。私は呼び出した偉人(以下サーヴァント)とのやり取りが好きなので、電子の海に残ってサーヴァントとわちゃわちゃ出来るCCCが好きでした。


■ ストーリー

 EXTELLAは聖杯戦争を勝ち抜き電子の海に漂い続けてる状況のようです。なのでCCCが一番近い。しかし、元々のExtraでは絶対にありえない設定が追加されています。
基本的に、サーヴァントは一人につき一体召喚出来ます。ですがEXTELLAではサブサーヴァントもいるという設定でした。赤いセイバーのネロがメインサーヴァント、青いキャスターのタマモがサブサーヴァント。この時点で驚きましたが、この作品は主人公はなんと3人に分裂するんだなぁー! 精神(情熱)、魂、体の3人に分裂したらしいよ電子体なのに何を言う。
 3人に分裂した主人公と各サーヴァント3体が3つの陣営に分かれて月の陣取り合戦を開幕し、月の王者として君臨する!そして主人公をひとつに戻す!というのが当初のお題目でした。
精神は魂と体どちらかがないと安定しない、魂は月自体が電子世界だから単体でも安定する、体はそもそも意識とかほとんど残ってないから安定しない。この安定しないのをなんとかしたいねって話も半分目的になってます。うーーーーん、なんか、うーーん。いやそもそも電子……うーん…!!


■ システム

・アクション

 すごく不便な戦国無双っていう印象です。地図小さい。メニュー画面から見ることで大きく見れるのにアイコンがでか過ぎて結局地図見づらい。そしてVITA版だと本体の処理の影響で敵がまっっっっったく出てこないので、サイドミッションの「敵を何分までに○体倒せ」等はほぼ達成出来ません。いやその時間内にそんなに出てこないよ……。

・サブストーリー

 ネロ、タマモ、アルテラ以外のサーヴァントのサブストーリーをプレイできるシステムです。シナリオが楽しいものと楽しくないものの差が激しかった!そして基本的に短かった!
 色々なサーヴァントを操れるというのは良かったと思いますが、前作が「主人公は戦闘の指示を出し、サーヴァントはそれに従う」っていう設定だったからこそ自分で操作出来ていたのに、今回はそういう設定が全く無いので惜しいな~と思いました。

・フリーバトル

 サーヴァントVSサーヴァントの真剣勝負が自分で操れるのかと思いきや、シナリオと場所を選んで、選んだサーヴァントで戦うって感じでした。そのシナリオを選んだ時にこのサーヴァントがいれば何かが変わるのか!?と思ったのに何も変わらなかったので面白くなかった。

・着せ替え

 DLCなどでサーヴァントの着せ替えができます。初回特典のネロのドレスを着て真ルートをプレイしたところ、タマモに「そんなに肌を出して!」と言われたのでコスチュームによって台詞が変わるっぽいですね。ネロは「このぐらいは乙女の冒険、本気を出したらもっとすごいぞ」と言っていました。
そうだね、すごかったもんね、Exteraの水着ネロ。こういう遊びは良いと思います!

・隠しキャラ

 青セイバーことアルトリアだけはとある条件を達成しないとサブストーリーをプレイ出来ません。唯一の隠しキャラです。しかもとある時間帯に特定の条件をクリアしないといけない。
私が見た条件は「おやつ時(15:00~16:00)」と「夕飯時(恐らく19:00~20:00)」に特定ステージの特定エリアで焼きそばパンという雑魚敵からしか手に入らないアイテムを4つほど入手するという条件でした。めんどくさっっっっ!!!!! これだけはやってません。
 後から調べたところ、時間制限がなくなったらしいよ!そりゃそうだよね!私はもうやらないけどね!



~~~~ネタバレするよ~~~~







■ ネロルート

 ネロと精神(情熱)コンビで陣地取りを勝ち進めていくルート。システムは後々語るので置いとくとして、話としてはネロが主人公って感じに進んでいきました。タマモ陣営を倒していき、アルテラ(今回初登場のサーヴァント)陣営を倒していき、最後にラスボスを倒し、でも結局主人公はひとりに戻らずに不安定な状態のまま主人公は玉座に座って起きることが出来ず、横でネロが悲しそうな表情をしてる、というエンディングでした。
かなり端折ってるけど、なんていうか、救われねえ。主人公は起きてる状態っぽかったけど、恐らく永遠に目を開けることが出来ないんだろうと思わせる終わり方でした。ええ、なにこれ……?


■ タマモルート

 ほぼネロと同一の進み方でタマモと魂コンビ。ネロ陣営を倒して、アルテラ陣営を倒して、黒幕っぽいやつの裏側がぼんやり描写されて、ラスボス倒して、こちらも主人公はひとりに戻らず。しかし魂だから問題ないよ!ってことらしいです。タマモとラブラブエンディングでした。
ネロと比べるとすごく幸せだけど、退廃的なイメージがつきまとう幸せって感じでした。


■ アルテラルート

 英霊アルテラの正体が明かされる話でした。アルテラと体コンビです。アルテラ、良かった!
 こちらはムーン・セルから派遣されたサーヴァントを倒し、ネロ陣営を倒し、タマモ陣営を倒し、更に黒幕の情報が明かされ、ラスボスを倒してエンディングです。いや、エンディングという概念はないんですけどねこれ。
ギルガメッシュがかっこよくてなあ、良かったな。3ルートの中で唯一主人公をひとつに戻せるルートです。体の主人公がとても格好良かった!


■ 真ネロルート

 3ルートを踏まえた真ルート。まさにこの作品はネロがメインだとわかるルートでした。主人公役も半分はネロだった。
 黒幕を倒すことが出来て、タマモやアルテラとも和解できるルートです。エンディングもひとつになった主人公を囲んで幸せそうなエンディング、かと思いきや、黒幕が生きており「次回に続く!」みたいな匂わせ方をしてきたエンディングでした。いやそういうの今までやって来なかったじゃん?めっちゃ萎える……。




■ まとめ

 そこそこ楽しめたけど、誰かに薦められるかと言えばNOです。アクションがとんでもなく面白い訳ではないし(これやるなら無双シリーズやればいいと思う)、シナリオがとんでもなく面白い訳でもないし(それならCCCのギルガメッシュルートやってほしい)、キャラクターのポリゴンがすごい訳でもない。
もうやりようがないのはわかるけど、それなら幻想を抱いたまま大人しく溺死させてくれ……と思わずにいられないゲームでした。

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