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ミュージカル「流され・る君へ~足利尊氏大変記~」感想

 観に行った舞台のチラシ群の中の一枚にこの作品が入ってて、興味本位で行ってみたらめちゃくちゃ面白かったよ~!って感想です。

観たやつ

 2023年12月29日の明治座での夜公演と、2023年12月31日昼公演のアーカイブ配信を観ました。アーカイブ配信は2024年1月6日まで。この記事を書いてる本日までです。記事書くのがギリギリすぎた。興味あって購入間に合う人はおすすめ!


上演時間

 第一部と第二部で分かれています。1部はストーリー有りミュージカル、2部は1部のキャラを使いつつのパロディ歌謡ショーです。
実際の上演時間をメモするのを忘れてしまいましたが、公式からもこのように記載されています。

第一部一幕・60分
(幕間)30分休憩
第一部二幕・70分
(幕間)30分休憩
第二部・50分
合計4時間(予定)

公演概要

4時間!!ものすっごい!

明治座

 トイレ多め、事前予約制で弁当販売あり、弁当を受け取った人限定(本当に限定かは不明。そんな雰囲気でした)で食堂解放あり、お土産コーナーで大量のお菓子類ありという充実っぷり。

Q)飲食物の持ち込みはできますか?
A)蓋のついていないお飲み物、アルコール類はお持ち込みいただけません。
なお、上演中はご飲食いただけませんので、開演前や休憩時間をご利用ください。

FAQ

明治座もこんな感じの回答なので、とりあえず飲み物だけ持ち込み、途中の幕間でお土産と言う名のお菓子を買って腹を満たしました。
正直、お弁当の中身が豪華で量が多すぎて30分では食べきれないな……というのが私の所感です。お菓子くらいがちょうど良い。


ミュージカルとして面白い

 内容なんてどうでもいい、とりあえずこの作品が面白いかどうか教えてくれと言う方のために書きます。
正直結構期待値低めで見に行ったのですが、お、お、面白いぞ!?まずみんな歌うまいじゃん!の衝撃が凄かったです。話も面白おかしくわかりやすく、そしてちゃんと「ミュージカル」だった。キャラクターも大量にいるのに混乱しない。キャラ被りもない。これは結構すごいのでは!?



内容

 前述しましたが第一部と第二部で分かれています。第一部では独自のキャラ解釈や史実の省略や話の創作を入れていますが、「基本的には史実通り」です。なので今回はネタバレの配慮はしません。


第一部 オリジナルミュージカル「ながされ・る君へ~足利尊氏太変記~」

ストーリーがわかりやすい

朝廷が南北に分かれる混迷の時代を描いた軍記『太平記』をモチーフに、朝廷と幕府の覇権争いに巻き込まれる武士たちの奮闘を描きます。主人公は源氏の血を引く足利尊氏。時代の大きな波や、周囲の圧に翻弄され、流され、それでも自分らしく生き抜いた足利尊氏の想いを描く壮大なミュージカル。

日本全土を巻き込んだ史上最悪の兄弟喧嘩“観応の擾乱”はなぜ起きたのか?激動の時代を駆け抜けた男たちの歴史ロマンをお届けします。

公演内容

 簡単に言うと漫画「逃げ上手の若君」の敵側から語られる話です。ちゃんと時行も出てきます!ただしキャラ解釈がかなり異なります。同じテーマを扱った別作品ってそういうところが面白い。
私はこの漫画でしか太平記に興味がなく、太平記自体も読んだことはないのですが、めちゃくちゃわかりやすく面白いストーリーです。

吸血鬼関係ない

 チラシの感じからして「ヴァンパイアの太平記か?」と思っていたのですが、全っ然関係なかった。なんとなくヴァンパイアになってるだけでした。適当で笑いました。

ROLLYのギター生演奏が豪華すぎる

 ギタリストに後醍醐天皇やらせて生演奏ギター弾くって何?最初私はキャストについて何も見てなかったので「う、うますぎる……」としか呻けませんでした。そりゃうまいわ。

キャラデザが良い

 これ原作ありました?と思うレベルのキャラデザの良さ。衣装、髪型、性格。最高です。あと自称運送屋の衣装が某運送会社の制服に類似してるパロディなのも面白くて良い。

日替わり要素が多い

 アーカイブ配信見て気づきました。ここって日替わりだったんだ~!?の多さ。個人的には短時間やちょっとしたネタの日替わりは大好きなので好印象でした。

カメラワークが良い

 アーカイブ配信のカメラワークが良い。しかも機材トラブルで少しの時間配信できなくなってしまった際、改めてちゃんとアップしなおしますと言ってくれる丁寧さ。ちゃんと告知してくれる公式の対応が染みるなぁ~~ありがたい。

尊氏がたどり着くまでの物語

 話の面白さに戻りましょう。これは足利尊氏が長子になり、結末にたどり着くまでの物語です。冒頭で「この結末を迎えたくないから抗っていたのに(要約)」と言うため、もしかしたらループものなのかも……?という要素もあります。
尊氏は最初からすべて充足していたのに他人からの期待という重責に流され、最終的に一人になるのが業を感じて好きでした。
最後に過去平和だった時代に戻って弟と二人で歌い、語り合っているのが本当に幸せそうなのも良かった。1回目に見た時はこの光景は尊氏が見た願望なのかなと思ったんですが、本当にループだったら望んだ未来に行く分岐を選べたのかな……と思えます。

第二部 ショー「猿楽の日1338 ~近頃都で流行るものフェスティバル~」

 「1338年に流行した歌謡ショー」という体でほぼパロディ曲と言うすごさ。これが面白かった!ほぼ全部アウトです。アウトすぎて面白い。みんなサイリウム持ってライブ感満載です。
ただ曲と曲の間のトークがちょっと癖が強すぎると言うか、新参者には分かりづらいというか、忌憚なく言うのであれば身内ノリがめちゃくちゃ激しい。その「身内」になれればものすごく楽しめると思います。わからないながらも楽しめる箇所はあったので私は問題なく見れました。

以下は楽曲紹介。

鹿るGENJI 「ナラダイス銀河★劇場」

 よくわからないけどなぜかこの劇団は奈良県をこき下ろしがちなのでそれに関連する曲です。第一部関係なさそうです。

元ネタは光GENJIの「パラダイス銀河」。

光GENJIは知っててもパラダイス銀河は知らなかったので、こんな感じの歌あるんだ~!って思いながら聞いてました。残念ながら古すぎて公式はアップしてないため、ここに引用できませんでした。各自で探してみてください。
カラーリングはおそ松さんのパロディと思われます。色んなパロディ混ぜようとしてて笑う。欲張りすぎだろ。

ActSTONES「イミネーッショ・レイン坊」

 第一部で出てきた悪役たち(と言うか主人公側のメンツ)が歌っています。でもキャラの性格は違うやつ。

元ネタはSixTONESのImitationRainとのこと。

元ネタを全く知らなかったので予習したらPVのそっくりさがアウトすぎて笑いました。クオリティ高いな。

新しい都のリーダーズ「キゾクブルー」

 第一部に出てきた貴族たち(性格はだいぶ異なる)が歌ってます。

元ネタは新しい学校のリーダーズの「オトナブルー」。

原曲がめちゃくちゃ好きだったので爆笑しました。あのダンスマジでやるんだ……!

ナラジン

 第一部は関係ないやつ。アラジンとナラジン(?)とドラえもんみたいなやつと謎のミュージカルが発生します。残念ながらサンプル動画はなしです。もしかしてアウトすぎて怒られるのを恐れたのか?そういう感情あったのか?

このアラジンが劇団四季特有の発声方法で演じてて劇団四季をよく行っていた私は爆笑しました。「三種のジンギ―」「あ、法隆寺は?(ア・ホーリュージ・ワー)」を歌いますが、一連のやり取りすべて爆笑してたのはこの部分でした。

THE ZEN「JI-AI」

 第一部に出てきたキャラたち(キャラ設定は異なる)が歌うやつ。

元ネタが唯一わからかったやつ。恐らくオリジナルなのかな? 普通に良い曲でした。



まとめ

 原作に頼らないオリジナルの和製ミュージカルってこんなに面白いんだ!?と感動しました。いや本作の原作と言えば太平記だと思いますが、2.5やブロードウェイミュージカルに頼らないのにちゃんと面白いんだなと!
パンフレットを読んだところ、今回の「流され・る君へ」は「年末シリーズ」なるものらしいのでまたそのシリーズを見てみたくなりました。
適当に選んで期待せず観たけど、大当たりで本当に良かった~!

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