母は、朝ドラが好きでした。
死ぬ前にハマっていたのが、韓国ドラマ。

「ついに、ハマっちゃった！」と言うから、
「どんな話なの？」って聞くと
「王子様たちが全員主人公を好きになっていく話よ。」
「あ～王家の○章系かー！少女漫画あるあるだよね。」
なんて言って笑いあっていました。

入院して数日した頃には、だんだん起き上がるのも辛くなってきていて
「もう楽しみが朝のドラマくらいしかないの。」
「これであぁもうこんな時間か、って朝に気が付く。」と言っていました。
あんまり眠れてないせいで、日中も起きたり、うとうとしたり繰り返しだったようです。

母が死んだ日、不思議なことが起きました。
母が居るベッドの横で病室の片付けをしていたら
急にテレビがついたのです。

あの、韓流ドラマ！

「そんなに見たかったの！？」と思わず笑ってしまいました。
そして、号泣。

私は、非科学的なものを信じないタイプで、このときもコンセント周りを片付けたり、差し替えたりしたのでその接触の具合でなったのかなとは頭では分かっていたんですが・・・あまりの偶然と、なんだか母らしいな～という気持ちから、これは母の仕業だな、と思うことにしました。

そして、意識し始めたら、偶然は必然に思えてくるのか、その後も実家の片付けで訪れたとき、「ふーっ！ちょっとテレビ見て休憩するか。」と、付けると、あの韓流ドラマ！

「そんなに見て欲しいの！！？？」とまた爆笑してしまいました。

結局私は、まったく興味がないので見てないんだけどね。
ごめんね、お母さん。
私もいつか「ついにハマっちゃった！」という日が来るかもしれない。そのときは、どうぞ天国から「ほらね～！」と笑ってください。

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