娘がアメリカで救急車で運ばれた話。結果オーライでしたが、まなびの多い1日でした。
ボストン(街中)の救急はしっかりしていること
子どもの頃に、ニューヨークで病院に行ったことはありますが、主に日本人の先生のところだったのと、そもそも救急のような大病院ではありません。そのため、緊急搬送のアメリカ事情はまったくわからずでした。
結論としては、「かなりしっかりしている」印象。(あくまで印象です)
救急車が呼ばれたとき、わたしはその場にいませんでした。わたしと息子は、新居でベッドの組み立てをしており、その間に、わたしの母と娘で、スーパーに買い出しに行ってくれていました。
品物をセルフレジに通して、いざ支払い、というときに、娘が急にしゃがみ込んでしまった。顔が真っ白だった。母親からそう聞きました。
それを見た店員さんが、すぐに救急車を呼んでくれて、病院へ。
その間に、母から連絡を受けたわたしも、息子と一緒にUberで病院へ向かいます。
わたしが病院へ着いてERの受付に行くと、救急車はまだ着いていない、と。受付の方は、
“You beat the ambulance!” と明るく、イタズラっぽく笑います。
Beat は「負かす」。つまり、「救急車に勝っちゃったね!」
こちらは娘が貧血だと知っているのでまだ笑えるものの、もし交通事故とかだったら笑えないよ!と一瞬思いましたが、まぁこういうジョークもアメリカらしいなと思って、ありがたく受け止めました。確かに気持ちは楽になった気がします。
そして救急車がつき、ようやく娘と対面。ちょっとドキドキしている様子でしたが、落ち着いていました。
そこからは、かなり長い時間待たされたりはしましたが、終始丁寧な対応で、皆さんとてもフレンドリーでした。
“She’s waiting for triage.” 今、トリアージュ待ちよ。
“She’s getting some fluid. Just some water and vitamins.” これは点滴ね。水と栄養分。
色々、先生や看護師さんたちから説明を受けます。親として聞かれることもあれば、娘と医療者の方の間の通訳も。
患者を気遣うような、終始やさしい雰囲気で、医療従事者の方への感謝の気持ちが溢れる経験でした。
最終的に、Discharge 終了したのは、午後5時半。1時ごろ倒れたので、4時間半かかりました。
とはいえ、安心して過ごせる病院環境でした。先生方も、事務の方も、皆さん、感じのよい方々でした。とてもありがたく思いました。
通訳が常にスタンバイしていること
今回もう一つ、さすがアメリカと思ったのは、どこもかしこも、通訳が常にスタンバイしていること。
(もしかしたら日本もそうなのかもしれませんが…)
救急車は、娘と母だけでした。母は以前ニューヨークに住んでいましたし、多少は英語は話せますが、もう高齢ですし、孫が倒れて、少しパニック。医療用語の難しさもあります。
救急車では、リモートで通訳の方が対応してくれたそうでした。
また病院に着いてから、看護師が娘に話しかけますが、娘は英語が話せないんです、と伝えると、「通訳呼んでこようか?何語?」とレストランのメニューを選ぶかのように、言語を聞かれました。
わたしが通訳するのでも問題ないと言われたので、結局は呼びませんでしたが、すぐに呼べる体制はすごいなと思いました。
アメリカの人は、やはり「やさしいこと」
これは救急に関わらず、今回の滞在で改めて感じていますが、やはりアメリカの人は、やさしいな、と思います。(日本や他の国の人がそうではない、という意味では決してありません。比較ではなく、単にアメリカに関する観察です。)
とても「あっさり」したやさしさなので、日本でいう「やさしい」と少し違う感覚かもしれません。
他人に干渉するつもりはないのだけど、困ってたら助ける。
田舎のおばあちゃんのように、心温かく包まれる系のやさしさ、とは違って、人として当たり前のことをやっているだけ、という、後腐れないやさしさです。(あくまでわたしの感覚です)
今回、娘はスーパーのセルフレジで倒れたのですが、スキャンは全て終わって、あとは支払うだけ、という時でした。
救急車が呼ばれてバタバタしていますし、支払いもしてないので、購入品はそのまま置いていくのが自然です。
しかしお店の方は、いいからいいから、持っていって、大変だから、娘ちゃんのそばに早く行ってあげて!と、言われるがままに、未払いの品物も救急車に積まれたそうでした。
その方以外も、みんなお店にいた人が、お世話をしてくれたり、対応をしてくれたそうでした。
またちょうど同じ日の朝。ベッドが届いたので、アパートの中を1人でおっちら運んでいたところ、少し離れたところにいた男性がこちらに向かってくる。通りたいのかな?と道を開けると、どっち行くの?と。
こっちだよ、と指差すと、そちらのドアを開けてくれました。ちょうど同じ方に行きたかったのかな?と思い、ありがとう!と言うと、まだ後をついてきます。
あれ?と思ったら、その先にもう一つドアが。なんとそれも開けるために来てくれていたのです。
ドアを無事通ると、その男性は、元きた道を戻って行きました。なんと、元々こちらに来る予定はなかったみたいです。
Thank you! と言うと、Sure. と無愛想な返事。これもアメリカらしい。別に当たり前のことやっただけだけど。とでも言うかのような。
わたしは、いつもアメリカにいるとき、これがありがたいなと思うと同時に、心地いいなと感じます。
さりげない優しさ。日本では、他人に迷惑をかけてはいけない、と教え込まれますが、アメリカにいると、少しの迷惑くらいかけたっていいんだよ、と自分にも他人にも優しくなれる気がします。そしてわたしもそうなりたいなと、いつも思います。
日本でも、バギーや重そうな荷物を持ってる子連れがいたら、助ける。
電車で辛そうな人を見かけたら、声をかける。席をゆずる。
迷惑とは思わずに、ただ、助けが必要だから、助ける。それだけのこと。
おせっかいだな、と思う時もありますが、自分はなかなか勇気を出せなくて行動できない時があるので、アメリカの人の、見て見ぬふりをしない感じは、見習いたいなと思います。
もちろん、全員がそうではないと思いますし、日本にもそういうやさしい方はたくさんいると思いますので、あくまで一つの「傾向」の観察です。
娘は頑張り屋さんなので、大人扱いしすぎないよう気をつけたいと思ったこと
娘はしっかりしており、ついつい頼ってしまいます。
スーパーも、母と一緒とは言え、母は高齢なので、Googleマップを娘に渡し、場所わかるよね?と念押し。
うん大丈夫だよ、としっかり者の娘に、母との買い物を託しました。
でもよくよく考えれば、ここはアメリカ。娘もまだまだ初めての土地です。そして英語。
母が一緒とは言え、娘には、自分がしっかりしなきゃと思わせてしまったのかもしれない。倒れたこととそれが関係するのか分かりませんが、自分の中で反省しました。
このことは、長くなるのでまた別の機会に書きたいと思います。
英語が通じない国にいくモチベーションがさらに下がってしまったこと
これは前々から、あまり誇りに思えない自分のマインドなのですが、英語に不自由しないゆえ、英語以外の言語に対する興味が薄く、英語が通じない国(特にアジア以外)に行きたい意欲がとても低いです…。
そこに加え、今回の救急。
英語が通じて本当に良かったと思う反面、これが英語が通じない国だったら…と恐ろしくなってしまいました。
ここも長くなりそうなので別の機会にします。
病院と救急の代金はまだ未確認なのでドキドキして待っていること…
そして、これです!
救急車が有料。医療費も高額。
アメリカでは、盲腸で3日入院したら300万円。
…なんてことは、何度も聞いていました。
もちろん娘の無事に変えられないのでお金は二の次ですが、救急車で運ばれてる、と母から連絡があったとき、貧血、と聞いて安心と同時に、救急車いくら…?と頭をよぎってしまいました。
旅行保険はカードの付帯でついてるはずなので、安心しつつも、金額の想像がつかず、ドギマギです。
病院で払おうと思ったら、会計がすでに閉まっていたので、後日金額含めて確認することになりました。
さて、いくら請求されるのでしょうか…。
救急車に加え、点滴やら、心電図やら、色々ありました。
ここは分かり次第、追記していければと思います。
やっぱりトラベル保険は大事だということ!
カードに付帯しているので毎回入ってはいるものの、あまり意識したことはありませんでした。
それなりの金額まではカバーしてくれることを、ERの待ち時間の間に電話で再確認。
たぶん、全額カバーできそうですが、実際の支払いを見るまではドキドキです。
やはり、保険は大事。そう痛感したのでした。
毎日投稿、滑り込みの23時半過ぎ!
🌷ここまで読んでくださりありがとうございました!🌷
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