【米MBA社会人留学】結局、GMATとGREとEAどれを受けるべき?② EAを受ける際の抑えたいポイント2つ。
前回は、GMATとGREについて記載しました。
今回は、残りのEAについてご紹介します。
先に留意点ですが、EAは、若年層向けの2年制MBAでは、認められていない場合も多いので、2年制MBAのみを検討している方には、あまり必要のない情報になります。
EAは、Executive Assessmentの略で、ここ数年で広がってきたテストのようです。
GMATと同じGraduate Management Admission Councilが実施しています。
EAが作られた背景には、Mid-Career特有の事情が挙げられると書かれていました。
色々なところで書かれてたことを自分なりに要約すると、こんな感じです。
EAが作られた背景
①時間的なこと
Mid-Careerの受験生は、管理職などそれなりの立場だったり、家庭があるプロフェッショナルが多いため、とにかく忙しい。
GMATやGREは、準備に相当な時間がかかる。時間的な拘束から、受験を断念する人も考えられる。
そのため、準備時間を短縮できるようなテストの需要がある。
GMACのサイトには、準備時間は30時間、と書いてあります。これならなんとか捻出できる。
②計測するスキルセットのこと
実績が少ない若年層の受験生とは異なり、Mid-Career受験生には、実践的な経験や功績がある方も多く、専門性も高い。
Mid-Careerプログラムは、経験豊富なビジネスパーソンがクラスメイトになるので、教授や授業からのみならず、クラスメイトからの学びも多い。
教授がセオリーを話すと、クラスの誰かしらが、現場での経験をケーススタディとして話せるのも、Mid-Career向けプログラムの特徴。
つまり、入学してくる学生に求められているものは、若年層は経験も浅いので、基礎的なスキルが重視されるが、Mid-Careerには、実践的な経験への比重が高い。
したがって、若年層と同じGMATやGREである必要性は低い。
EAを受ける際のポイント2つ
具体的な試験の詳細については、プロのサイトにお任せできればと思いますが、私自身が受けてみて感じた、EAを検討する上で知っておくべき、重要なポイントを挙げます。
ポイント① 練習問題や過去問が出回っていない
これが最初一番とまどいました。また、EAの存在を知りつつも、最初はGMATやGREに走ってしまったのも、これが理由でした。
つまり、とにかく出回っている情報が少ないのです。
GMACのサイトにも、GMATについてはたくさん載っていますが、EAについては、たいした情報が載っていません。
インターネットの体験談も、EAについてはほとんど見つけられませんでした。
その理由としては、1) まだできて間もないこと、2) 受け付けている学校が少ないこと、3) そもそもMBA受験生の大半は若年層で、2年制を受ける方なので、EAの対象者が非常に少ない、などが理由として挙げられると思います。
そのため、受けようと思っても、どう準備をすれば良いのかわからず、時間もない中でリスクをとれず、わたしの思考回路として、情報が豊富にある、GMATやGREをまずは試すマインドとなってしまいました。
これに対する対処法は後述します。
ポイント② “Adaptive Test” の概念
GMAT, GRE, EAいずれにも共通するのが、Adaptive Testということ。ただ各論レベルでは運用が若干異なります。
Adaptive Testというのは、「自分の回答の正誤により、あとに続く問題の難易度が変わること。配点は、問題の難易度によって変わるので、トータルでハイスコアを出すには、正解率を上げて、難易度の高い問題が出題されないといけない。」
この考え方は、3つのテスト同じなのですが、以下の通り、詳細が異なります。
※試験を受けて数ヶ月経っているので、一部情報に自信がありません。あくまで参考レベルとし、詳細は改めてご確認いただくことをお勧めします。
🔲 GMAT
問題1つ1つの難易度が、すぐに反映されていく。同じSectionの中で、難易度がリアルタイムで調整されていく。
Integrated Reasoning、Math、Verbalの各セクションを回答する順番は、いくつかの選択肢の中から、その場で自分で選べる。
🔲 GRE
VerbalやMathそれぞれで、前半後半があり、前半の正解率に基づき、後半の難易度が変わる。
もし後半の問題が簡単だと感じた場合、「簡単バージョン」の後半になってしまった可能性があり、前半の正解率が悪かった&後半の配点は低くなるため、トータルのスコアが伸びなくなってしまう…というデモチマインドと戦う必要あり。
🔲 EA
運営会社が同じなので、セクションの構成や設問は、GMATに似ている部分も多いが、大きな違いが1つ。
それは、Integrated Reasoningというセクションが必ず最初にあり、そこでの正解率によって、続くMathとVerbalの難易度が変わること。
これが、EA攻略に大きな鍵となります。
EA対策
GMATやGREの対策は、インターネットに出回っていますので、ここでは、EAに特化して書きます。
EAはとにかく情報が少ないです。過去問集も少量しかありません。わたしが見つけたのは、GMACで売られている4セットだけでした。オフィシャル以外の販売物もほとんどありませんでした。
そのため、どうやって準備すれば良いのか、一瞬、途方に暮れました。
しかし、ある時気がつきました。それは、
いやいや、そしたらGMATのために勉強するのと同じでないですか、というツッコミを受けそうですが、その通りです。
ですので、GMAT対策ではあるのですが、そのままGMATを勉強するのではなく、教材だけGMATの使い、後は取捨選択する、ということ。
というのも、わたしは最初GMATの勉強をしてたので気づいたのですが、EAの問題は、GMATと全く同じ設問の中から、レベル感が比較的低いものだけが抽出されていたのです。
それに気がついたのは、EAの過去問をやっていた時。「あれ? これ、どっかで見たことある問題だぞ?」と気づきました。調べてみると、GMATの過去問に出てた問題と、全く一緒だったのです!
つまり、GMATと同じテキストで、難易度が低い問題を集中的に練習する。苦手な部分は、GMATのテキストの解説を活用する。それでいけると思いました。
EAの準備を始めた時点で、わたしはすでにGMATの勉強を前に1ヶ月くらいやっていました。結果として、
やったのは、EAの過去問を4セットをやったのみ。
試験勉強の時間があまり必要でないことにすぐに気づいたので、EAへ方向転換してから、2週間後の日程でテストを申し込み、受験しました。
GMATの難易度に慣れていたので、EAがとても簡単に感じました…。
1回目のテストでもそこそこの点数を取れましたが、後述する理由でもう一度受け、最終的には、ほぼ1ヶ月で、EAのスコアメイキングは完結しました。
GMATやGREであれば、そうはいかなかったと思います。EAに方向転換したことで、かなりスムーズなスコアメイキングになりました。
その上で、1つお勧め勉強方法は、
前述の通り、EAでは、Integrated Reasoningの正解率で、全体テストの難易度、つまりハイスコアの可能性が左右されます。
つまり、MathよりもVerbalよりも、Integrated Reasoningが重要だということ。
これは、GMATやGREと大きく異なる点です。
Integrated Reasoningを制覇すれば、そしてMathもそこまで外さないという前提であれば、使えないような変なスコアは出ないだろうと推測。とにかく、Integrated Reasoningに集中しました。
EAを受けてみて
上記の通り、EA受験自体は、すぐにしました。しかし、1回目受けてみて感じたのは、
結果として、過去問で出していたスコアよりも、かなり下のスコアになってしまったのです。
これが、たまたまなのか、EA全体の傾向が分かりませんでした。
1回目のスコアでもなんとかなりそうでしたが(第一志望のMIT Sloanの在学生の平均よりは高いスコアでした)、念のためもう一度受けてみました。
そうすると、案の定、2回目のテストのIntegrated Reasoningは、自分と相性が良かったのか、1回目とは裏腹に、とても簡単に感じました。結果、1回目よりも高い点数が出ました。
この経験から、Integrated Reasoningは、問題によって、相性があるので、時間とお金に余裕があれば、2回くらい受けてみると良い気がしました。
なお、わたしが受けたMIT Sloan Fellowsは、そもそもEAなどのスコアが任意でした。つまり、スコアを一切出さなくても良い、ということです。これは、コロナ禍で受験が難しい人などもいたことから、暫定的な対策だと聞いています。今後どうなるかは分かりません。今後受ける方は、ご確認ください。
任意ということは、受けたけどスコアが振るわなかった人は出していないということ。つまり、発表されている平均スコアは、「出そうと思った人の平均」ということで、実際の在学生の全体レベル感より、高めになっていると推測します。
そのスコアよりも高いスコアを1回目で出せたので、合格に向けて、かなり精神的には楽になりました。
EAが重宝
最後に…。このEAですが、自分にとっては本当にありがたかったです。
やはり、仕事、子育て、家事をしながら、勉強にさける時間はかなり限られます。GMATのMathは、時間をかければ点数を伸ばすことも可能に感じましたが、それだけ子どもと過ごす時間が減ります。
ただでさえ、日頃から、自分がやりたいこと=子どもとの時間を減らすこと、の罪悪感との戦い。その心理的負担を減らせるのは、精神的に大きな励みになりました。
また、そういう事情を知ってか知らずか、分かりませんが、EAを受け入れている学校は、Mid-Careerの、人生における優先順位や価値観を理解してくれているのではないか、という、学校選びにおける期待感にもつながりました。
逆にいうと、EAがなかったら、GMATに苦戦して、受験自体を諦めていたかもしれません。
MITはスコアが任意なので、それでも受けてはいたとは思いますが、スコアなしだと、Mathなどの自分の強みを見せづらくなるので、EAがあって、本当に良かったです。
もしEAを受け付けている学校であれば、EAを検討することを強くお勧めします。
🌷ここまで読んでくださりありがとうございました!🌷
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