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宝石の女王;Opal

こんにちわ!
いつもお読みいただき、ありがとうございます😊
MACRAME KANOの石野です。

年末に差し迫りまして
昨日、インドからオパールが届きました。
(産地はエチオピア、研磨管理加工がインドのジャイプール)

オパールというと、高校の頃修学旅行でオーストラリアに行ったとき、オパールの採掘所跡に行かせてもらったり、友人がブラックオパールのネックレスを家族に頼まれて爆買いしていたのを横目で見ていたという記憶があります。

そもそもオパールは正式には「鉱物」ではないので、鉱物、石、という表記も引っかかりを覚えてしまうかもしれないのですが、ここでは同じグループのものとして書いていきたいと思います。


そもそも苦手だったオパールという存在

実はわたし、そもそもそんなにオパールは好きではありませんでした。
6年ほど前、エチオピア産オパールを仕入れた時もイエロー半透明でちらちら雪のような光が泳ぐ鉱物できれいだなぁという印象はあったのですが、アンバーとオパールどっちが好き?と聞かれると、やっぱりアンバーの方がいいよねぇと思っていた人でした。

当時、カンテラオパールというのをたまたまメキシコに買い付けに行ったバイヤーさんから購入させていただいた時も、「なんか、恐竜の卵みたいだなぁ」と思って、ちょっと苦手とさえ思っていたくらいです(今思えば、あの時もっと仕入れておけばよかった!と後悔しています)。

二宮和子さん著の「七つ屋志のぶの宝石匣」という漫画のエピソードにも、オパールが登場する回があるのですが、お母さんの思い出のオパールについて娘さんが抱いていた思いを当時の私も持っていた記憶があります。

宝石だったらダイヤモンドやサファイア、ルビーやペリドットの方が豪華で見栄えもするし、みんなも知っているし好きだし、オパールは「鉱物」じゃないし、なんか軽くてプラスチックみたいと思っていました。(ほんますんません)

ですが、月日と共にたくさんの種類のオパールに触れさせていただいて、色々な方のお話を聞いたり、TwitterやInstagramで紹介されている写真を拝見する中で、この認識は180度変わってしまいました。


コモン・オパールとプレシャス・オパール

私が認識を改めることになったお話を少し。
以前カンテラオパールを紹介してくれたバイヤーさんの一人が、あまりオパールに食いつかなかった私に対し「オパールにも種類があるんだよー」と教えてくれたことがあります。

それが、コモン・オパールでした。
届けてくれたのはマットな、タイルのような質感の不透明で光の煌めき(遊色効果)のないルースでした。白い模様が入っているものや、淡い水色一色のもの。桜の花びらをぎゅっと固めたような色合いのものなどです。

これもオパールなんだよ、と言われて恥ずかしながら知識のなかった私は、石灰で固められた何かの化石を切り取ったものではないかと思ったほどです。

戸惑っていると、その方は小さな小瓶に液体のようなものと一緒に入っているキラキラと光る結晶を見せてくれました。

それはオパールで、水の中で七色の光が泳いでいるようなとても美しい鉱物のカケラでした。

バイヤーさんは「乾燥で白っぽくなっちゃったから、こうして水に浸けて瓶の中で保管してるんだ」と見せてくれました。オパールは水分を含むと聞いたことはあったのですが、乾燥で白っぽくなることも、水に入れておくことでその遊色が戻ることも知りませんでした。(乾燥で白濁し、亀裂が入ったり遊色効果がなくなることもあるのでこのままなんだよー、とも教えてくれました)

オパールはとても繊細な面があるんだと吃驚すると同時に、実はアンバーより硬度があるんだよー、と聞いてさらに目を丸くした記憶があります。

オパールには虹色の遊色効果が際立つものはプレシャス・オパール。遊色を示さないものはコモン・オパールと呼ばれるということもこの時初めて知りました。


ハイドロフェン現象

今回私が仕入れたのは、エチオピア産のプレシャスオパールです。メキシコ産のカンテラオパールとも悩んだのですが、この2,3年ほかの天然石と同様、やや価格が上昇している気がしています。

ちょっとカンテラオパールの件で横道に逸れると、日本での流通も個人仕入れをされている方の増加で少し増えてきている気がしています。価格はルースの個体の大きさや、遊色の出方、カラーを含めたクオリティでかなり上下しますが、お手軽なものでは1500円から販売している場合もあります。大粒で遊色が美しいもの、オパールの部分が多いものは数万円で取引されている場所もあります。(コレクションピースとしてはより高額なルースも存在しますが、そうしたものは他鉱物と同様で天井知らずです)

エチオピア産オパールは吸水性に優れた特徴があり、水を吸い込む性質によりその見た目に変化が現れることがあります。これをハイドロフェン現象と呼びます。
先ほどのエピソードでご紹介した通り、小瓶の中に水とオパールを入れることで、遊色効果がよくわかるようになったのも、このハイドロフェン現象によるものです。

エチオピア産オパールのお手入れについて

ということで、エチオピア産オパールを普段使いする上で気を付けていただきたいのは「水分」ということです。

私は数年前、エチオピア産オパールを使って自分用にマクラメリングを作ったのですが、家事のため一度ポケットに入れていたのを忘れて洗濯機にかけてしまい…。ズボンからお慌てて取り出した時、ギラギラ燃えるような遊色はとてもきれいだったのですが、残念ながら乾かそうと干してしまい半透明なオパールはあっという間に白くなり、亀裂が入り残念な結果となりました。(私みたいなうっかりをする方はいないと思うのですが、ご注意を!)



※余談になりますが、数年後再び同じことうっかりしてしまった際は、乾燥に気を付ける、を留意しプラスチックのチャック袋に入れて爪楊枝で数か所穴をあけて風通しの良い日陰で1週間じっくりと乾かしました。最初のような透明感はやや後退しましたが、乾燥による割れもなく今でも遊色を楽しめています。

ということで、水分を避けつつ、ご使用後は目に見えない汚れや皮脂がついている場合がありますのでメガネ拭きなどの柔らかい布でふわっと拭き取っていただけたらと思います。

それから、以前マクラメアクセサリーのお手入れ方法をご紹介した時に、ウェットティッシュでのお手入れはどうですか??とご質問をいただいたことがあります。紐の部分であれば基本アルコールフリーのウェットティッシュでしたら大丈夫です(ご時世もありますので)、とお返しをしたのですが、オパールの部分はノーウェッティでお願いできたらと思っております。

ノンアルコールでもウェットティッシュに含まれる化学成分がオパールに影響を及ぼしてしまう可能性がありますので、どうぞ柔らかい乾いた布でそうっとお手入れしていただければ嬉しいです。

最後に、オパールは水分も避けつつ乾燥にも気を付ける必要がありますので、直射日光での保管は何卒ご容赦くださいませ。カンカン照りの太陽がまっすぐ当たりますと、オパールの中に含まれる水分が抜け、白濁や変色の可能性、割れの可能性などがありますので、日陰や半日陰の風通しの良い場所に置いていただけたら嬉しいです。

当店でお届けの際お付けしている「桐の小箱」は調湿作用に優れ、四角い箱であるためオパールを傷からも守ってくれますので、保管の際、是非ご利用いただけましたら嬉しいです♪

↓ 当店のお届けスタイルについての記事です😊

ということで、今回のお話「オパール」についていかがだったでしょうか??

調べれば調べるほど奥が深すぎる、オパールの沼!!!!!

いつか500円玉くらいのウェロオパールをゲットしたいと思う、石野でした。それではまた、次の記事でお会いしましょう!

≪仕入れ裏話ピックアップ≫


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天然石を極細の糸で編むマクラメクリエイター。天然石をマクラメの技法を駆使して宝石いっぱいのペンダントにしています。