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「The City」とその「Uncertain」な「Walls」。

昨日のブログでもすこし記したけれども、
先日読み終えました村上春樹さんの新作長編
『街とその不確かな壁』及び、1985年刊行の
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で登場する
「夢読み」とは、何なのか? とは、
ぼくはぜんぜんわかってない。もしくは、
「夢読み」の読む「古い夢」というのも
よくわからないし、そして、
「夢読み」が「古い夢」を読む「図書館」も、
ふつうの図書館の佇まいではなさそうだから、
やはり、どういうことなのかよくわからない。

さらに言うとすれば、この
「図書館」が存在する「街」だっても、ひいては、
その「街」を囲む「壁」も、はたまた
その「街」に現れる「獣」も、そして、
「影」とは何か? ということも、つまりは、
物語で登場するあらゆることが、
ぼくにはまったくわからないな。

それらは、なにを示しているんだろう?

それもこれも、つまりは
【不確か】ということなのかもしれない。

『街とその不確かな壁』という題名において、
ぼくは、なんだか、その
【不確か】ということばが、
よいなあー、って思うのよね。

なんか、考えてみれば、
確かなことなんてあんまりなくて、
世の中、不確かなことばかりなのやもしらない。

『街とその不確かな壁』という題名の英訳は、
書籍の表紙で記されている
“The City and Its Uncertain Walls”
とのことなのですが。
その【不確か】とは、
“certain” に「Un」がついている
“Uncertain” なんだねえー。

“The City and Its Uncertain Walls”
という英語のタイトルにおいて、
“The City”のほうは単数なのだけれども、
“Its Uncertain Walls”のほうでは
「Wall」に「s」のついた複数形なのは、
なんだか興味ぶかい、と申しますか、
物語を読了しての今、考えてみると、
なんか、うまく言えないけど、なんか、
ぞくぞくするかのような?????

物語の内容についてはここでは触れないですが、
と言うよりかは、その内容を
ブログで書けるぐらいの解釈は
まだ、できていない、とも言えるですが、
なんと申しますか、
“Walls“ のほうがさ、なんと言うか、より
【不確か】の感が出ているようにも感じられる。

そしてまた、
『街とその不確かな壁』という題名における
【街】の英語訳が、
「The Town」ではなく、
“The City“ となっていることも、
謎だなあ、と申しますか。そもそも、
ぼくは英語はわからないので、
「town」と「city」の単語のちがいも、
ぜんぜんわかっていないんだけれども。

でも、なんか、
「The Town」ではなく “The City”、なおかつ、
“Walls” という複数形とされている
“The City and Its Uncertain Walls”
という題名とは、なんだか、たとえば、
どれだけの大きさかもわからないかのような
闇雲さな【不確か】さを感じられるかなあ。

その【街】には、
何があり、そして、
誰が住んでいるんだろうか?

令和5年4月21日


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