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味が似ているのは偶然なのか?

昨日は暖かい一日であった。

仕事が終わり駅に向かうと
まだかなり暖かく汗ばむほどである。

ちょうど会社を出る前から
のどが渇いたと思っていたのだが、
給水機で水を飲んでくるのを忘れてしまった。

このまま我慢して帰路に就いても悪くないが、
のどの渇きを我慢するのも良くない。

なので、久々に駅前のセブンイレブンに寄り
何か飲み物を買うことにした。

ずらりと並ぶペットボトルを見ていると
セブンイレブンのプライベートブランド品が
他のモノよりも安く売られている。

その中に見慣れないものがあった。

それがゼロサイダートリプルファイバーという
オレンジ色の炭酸飲料であった。

ゼロカロリーであること、
それと炭酸飲料が飲みたかったことから
これを選ぶことにした。

ホームで蓋を開けてさっそく飲み始めると
何だか過去に飲んだことのある味のような気がした。

この味を過去にどこで飲んだのだろうか。

そう考えながら電車に揺られていると
ふと思い出した。

大塚製薬のファイブミニプラスに
味が似ているのではないか。

この飲み物自体、そんなに何度も
飲んだことがあるわけではない。

オロナミンCと似たようなフォルムで売られていて
少量しか入っていないシリーズなので
何かでもらった場合などにしか
飲んだことはないのだが、
何だかその時に感じた味に似ている気がしたのだ。

よく見てみるとこの商品も”ファイバー”と書かれており
500ml1本飲むとレタス3個分の食物繊維が摂れることが
ウリにされている。

先ほど書いたように私はこの商品を選ぶ際、
ノンカロリーという点、炭酸であることを
理由に選んだのであまり意識していなかった。

しかし、もしかするとこの商品は
ファイブミニプラスを意識して
作られた商品なのではないか。

なぜならこの商品の特性上、
色は何もオレンジである必要はない。

オレンジのような味がするわけでもなければ
ファイブミニプラスのように
カロテンが含有されているわけでもない。

正直オレンジである理由が何もないのに
色はオレンジにされている。

味についてはファイブミニプラスと
飲み比べをしたわけではないので
あくまで私の記憶にある味と似ているという
レベルには過ぎないが、
明らかに違う味というわけではないだろう。

エナジードリンクのように添加する栄養素の味を
ごまかすために味が似ることはあるだろう。

だが、私が知る限りこの手のドリンクに添加される
水溶性食物繊維である難消化性デキストリンは
無味無臭のものである。

これを添加することで味の制約は基本的に
出ないにも関わらず、
この商品はファイブミニプラスに味や見た目が
似ている。

これは明らかに意識して作られたと
考えるのが自然であろう。

では、一体なぜ意識をして作る必要が
あったのだろうか。

それは、ファイブミニプラスがつくった
「食物繊維入りドリンクと言えばこの色と味」という
刷り込みをうまく活用するためではないだろうか。

私は繊維関係の商品の商品開発をしているが、
実使用においてはあまり効果がないものの
何となくそう感じるという理由で使われている
素材やスペックを目にしたことがある。
(もちろん別の添加剤などで効果は出す前提だが)

一見すると顧客をだましているようにも見えるが、
顧客がそれを使うことにより得られる満足感は
実際の効果に負けないぐらい印象による影響が
大きいのである。

例えば同じようなドリンクの話でいうと
ビタミンCが入っていることを売りにした飲み物は
大抵レモン味になっているであろう。

私達にとってビタミンCが含まれている食材の
代名詞はレモンなので、
このこと自体にあまり違和感を持つことはない。

だが、実際にはレモン1個分のビタミンC量は
20㎎と言われている。

同じ重量ならば実はいちごのほうが
ビタミンC含有量は多いのだ。

にもかかわらず、ビタミンCが多く含有された
飲み物はレモン味になっている。

確かにビタミンC自体はアスコルビン酸塩なので
水に溶いた時に酸っぱい味がするものなので
大量に添加する際には味の制約が出ることは
あるだろうが、
決してそれはレモンの味でなくてもよいはずである。

そう考えてみると、私達が日ごろいかに
イメージや思い込みに支配されているかを
実感するし、
企業側もそのイメージをうまく活用している。

だが、それにばかりずっと頼っていては
新しいアイデアやイノベーションは
決して起こらないであろう。

私達からまずそのイメージに対して
疑ってみることからではないだろうか。

今回の記事があなたにとって
何か身の回りの物事を疑うキッカケになれば
嬉しく思う。

ちなみに先ほど書いたエナジードリンクの
味がどれも似ている問題についても
疑問を持っている。

確かに原材料の味はキツいものが
多いことは想像に難くないが、
それにしても味が似すぎているのは
顧客に「エナジードリンクを飲んだ」と感じさせる
為だけなのではないかと疑ってしまう。

そう思って調べてみると巷でよく見る
モンスターエナジーというエナジードリンクは
いろんなフレイバーがあるらしい。

自分で飲んだことがないのでわからないが、
ある意味エナジードリンク界で
モンスターエナジーは常識の枠を
壊した一つの事例なのかもしれない。



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