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電車は動く書斎

今朝noteを立ち上げて記事を書こうとすると
画面に“メンテナンス中”と言う文字が出てきた。

そういえば通知を見たような気がしたのだが
メンテナンスは今日だったのか。

表示を見てみるとメンテナンスは午前6時半まで。

私の朝活時間が終わってしまう時間である。

今日はパソコンではなくスマホで記事を書こうか。
それともどうしようか。

とっさに考えた時に私の中で忘れていた選択肢が
一つ残っていることに気が付いた。

ラップトップを持って行って
通勤中に書けばいいのである。

「そんなことできないだろう」
そんな風に思う方もいるかもしれないが、
実はかつて私は通勤中にラップトップを膝に乗せ
文字を書いていた頃があった。

何を書いていたのかというとKindleである。

昨年の7月ごろからKindle出版を
副業の一つとして始め、
1年間で21冊ものKindleを出版した。

周りの方からはどうやったらそんなに書けるのかと
よく聞かれたものだが、
その秘密が実は電車の中での執筆である。

昨年の夏ごろはまだ例の感染症が
騒がれていた頃だったので、
今に比べると電車の中の混雑は
かなりマシであった。

なので、帰りの電車の中でも必ず座ることができ、
私は往復で毎日2時間弱の時間を
執筆に充てることができたのだ。

1日2時間もあれば構想を練ることも記事を書くことも
そして校閲をすることも結構早くできるものである。

そうして私はすごい勢いでKindleを書き続けた。

だが、そうしてたくさんの作品を世に出してみると、
面白いことが分かった。

それはずっと売れ続ける作品は必ずしも私が書きたい内容とは
重ならないということである。

ここでも何度か紹介しているように
私はクワガタのブリードを趣味にしている。

そして、過去にそのクワガタの飼育法について
Kindleで出版したのだが、
それが私の作品の中では累計売上数が最も高く
季節を問わずコンスタントに売れ続けているものなのだ。

正直言うと、この本はニッチすぎてあまり売れないと
自分では思いながら書いたものである。

しかも、クワガタの飼育については私なりに
毎年色んな工夫をしているので、
Kindleの内容としては本というよりも
私の実験レポートをまとめたような内容に
なったのだが、
驚いたことにこの本が市場では受け入れられた。

他にも売れている本は
私の本業に関する繊維や洗濯に関する本が主で
これらも私にとってみれば自分の知識をまとめて
なるべく面白く理解してもらおうと書いた
いわば教科書のようなものである。

私がKindleを書こうと思い始めた時には
何だか自己啓発的な内容や物語を書きたいという
密かな想いがあった。

実際、自分が想っていたような内容で
何作もKindleを出版したのだが、
それらは最初に知っている方にドンと買われて以降は
あまり売れることはないものばかり。

やはり市場でのニーズとは合致しないようである。

そんなこともあり、私は自分のKindleの方針を
少し変えることにした。

今は自分が書きたいものよりも、
市場のニーズに合わせたものを書くことにしたのだ。

過去に出した作品では偶然に市場のニーズに合致して
売れ続けているラッキーなものが何作があるが、
これを狙って出すことができたなら、
もっと面白くなりそうである。

そう方針を転換してから、私は通勤時間の使い方を
変え、ラップトップを持っていく代わりに
自分のスキルアップにその時間を投資し始めた。

今回突然のnoteメンテナンスに遭遇して
とても久々に電車でラップトップを開いているが
何だかKindleを一生懸命書いていたころの自分を
ふと思い出して、今日はこんな記事になってしまった。

実は今日書こうと思っていた内容は
全く別のテーマだったのだが、
これも電車の中で書くからこそ生まれた偶然である。

私たちは日常生活の8割以上を習慣で過ごすと
言われているが、
たまには習慣から外れた行動をとってみるのも
悪くない気がする。

生物の進化も突然変異から起こると言われるが
日常生活にも小さな突然変異は
やはり必要なのであろう。

いつもよりも重い荷物にゲンナリしながらも
その代償として小さな学びを得る事ができた
一日の始まりであった。

ちなみに電車の中でラップトップを操作していると
周りからは仕事をしているように見えるせいか
4人で対面で座るシートに座っていると
周りはスーツ姿ばかりになってしまった。

昔、電車の中でパソコンを叩くビジネスマンを見て
同情の念を持っていた時代もあった気がする。

実際、自分がやるようになってみると
こんなに合理的で快適なものはないのに
人は立場が変われば見え方が変わる不思議な生き物である。

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