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ロックオン合戦

いつもそうだろうとツッコまれると困るが、
今日はユルいネタを書こうと思う。

一体何についての話かというと、
この記事のタイトルの通りである。

「ロックオン合戦って何やねん」という
あなたの心の声が聞こえてくるが、
このまま読み進めてみると意味が分かるはずである。
しばしお付き合いいただけると嬉しい。

私は職場まで毎日電車とバスを乗り継いで通勤をしている。

自宅の最寄り駅から電車に乗り、
40分ほどの場所にあるターミナル駅から
バスに乗るのだが、
いつも同じ電車の同じ車両、同じ座席に座っている。

人の行動の8割は習慣で構成されていると言われるが、
逆に通勤のような毎日あるものは習慣化してしまうことで
余計なエネルギー消費を抑えることができるので、
私は意識的に同じ場所に座るようにしているのだ。

朝早い電車に乗る関係で、ほとんどの場合同じ場所に
座ることができるのだが、
降りる駅が近づいてくると時間的にも電車内に
人が増えてくる。

すると発生するのがタイトルにも書いた
”ロックオン合戦”である。

電車の中は私と同じようにいつもと同じ場所に
座る人が多くいるので、
その人がどこで降りるかをあらかじめ知っておけば
事前にその人の近くにポジショニングして
席を確保することができる。

つまり、照準を定めてロックオンするのである。

このロックオン合戦にもれなく私も巻き込まれるのだが、
少し前まで一人のおじさんが私をいち早くロックオンし
その人の独占状態が続いていた。

その人はThe サラリーマンという風貌の男性で
いつも暑そうに汗ばんだ顔をしながら
私のすぐ前に立つのだ。

その時点ではそこそこ電車の中は人が多くなっているので
どうしても距離が近くなり、
そのおじさんの突き出た腹が当たりそうになるので
私は内心とても不快に思っていた。

私が席を立つとそのおじさんがすかさず座り
「ふぅーっ」というような顔をするのも
心のどこかで嫌だなと思いながら
毎日電車を降りていたのだが、
1か月ほど前からその様相が変わり始めた。

なんと私をロックオンする人がもう一人
現れたのである。

毎日私をロックオンするおじさんが
休みか出張かはわからないが、
数日現れない日があったのだが、
その時に私が降りる駅を知ったもう一人の人が
私をロックオンし始めたのだ。

私の頭の中でロックオン合戦開始ののろしが上がり、
ほら貝の音が鳴り響き始めた。

偶然にも元々私をロックオンしていたおじさんと
新規で登場したおじさんはどちらも同じ駅から
乗ってくるので、
まさによーいどんで私の前をめがけて歩いてくる。

だが、電車の中は人がいるので
それをうまくよけながら私の前に来なくてはならないので
面白いことに勝敗はおおむねイーブンなのだ。

このとき勝負に勝った方は私の前に立ち
無事席をゲットできるわけであるが、
負けた方はというと、そこから大幅に動くこともできず
大抵の場合すぐ横に立つことになる。

つまり、毎日ロックオン合戦の勝敗がついたあとは
彼ら二人が私のすぐ目の前に立つことになるのだ。

そして困ったことに新規でやってきたおじさんも
見事なまでに腹が突き出ているのだ。

私は通勤電車の中で毎日突き出た腹を
2つも超間近で見せられ、
どこかに不快な気持ちを残しながら
席を立つという行為を繰り返しているのである。

ロックオン合戦は一つのエンタメと思えば
許容できなくはないが、
あまり気持ちのいいものではない。

恐らく今日もロックオン合戦が
繰り広げられるのであろうが、
そろそろ座る席を変えて
合戦される側としての反撃も試みてみようと思う。

もちろん席を変えたからと言って
私は遠くの席に行くわけではない。

なぜならいつもの席に一直線に向かう
腹の突き出た二人のおじさんを遠目で
見てみたいからである。

何だかとても性格が悪いことのように
見えるかもしれないが、
このぐらいの反撃は許されるであろう。


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