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トッププロゲーマーの思考を学ぶ

2024/03/31
今日からnote日和

切り抜き動画で非常に面白い、というか勉強になった考えがあった。ストリートファイターのプロゲーマーである「梅原大吾さん」の悩み相談配信の切り抜きで、「トップ層と上位層の違いについて、どうすれば自分はトップ層に上がれるのか」という悩みへの回答というものだった。

忘れないうちにざっとあらましを書いておくとする。

相談者のお便りを読む限り、相談者は所謂、要領良く仕事・勉強ができるタイプの人間である。梅原さんは、この相談者のようなタイプを「暗記・モノマネが得意なタイプ」と呼んでいた。そこで、相談者から見て、自分より上のランクにいる人間のことを考えると、そこには2パターンの人種がいると言う。それは、「自分の能力の完全上位互換」と「法則型」である、と。
完全上位互換はいうまでもなく、自分よりも全てのステータス(パラメータ)が上回っている人種で、これはもう勝ち目がない。ハイキューでいうところの日向と星海みたいな感じ。タイマンなら勝率は火を見るより明らかだ。

では、梅原さんの言う「法則型」とはどういった人種なのだろうか(岡田斗司夫の4タイプにある法則型と関係あるのか、ないのか)。ここでの「法則型」は、「なぜうまくいったのかを一つずつ順を追って理解する」人のことを指していると梅原さんは言う。つまり、物事の仕組みを自分の頭で理解しようとする人だと僕は解釈した。4タイプ診断の法則型と同じ匂いを感じる…
ここで、梅原さんは例え話でめっちゃわかりやすく解説してくれた。

ある王様の元に、「暗記・モノマネ型」と「法則型」の技術者がいる。ある日王様が、『なんか最近、自動車ってものができたらしいから、乗りたい。お前ら作れ!』と指令が二つの技術者に通達された。「暗記・モノマネ型」は、まず、組み立ての仕様書を取り寄せて、なるほど、こうやってつくるのか、と言ってパパパパパーっと作っちゃう。このタイプの人間は、見てなんとなく作れる能力を持っている。
一方、「法則型」は、『なんでこれで動くの?』とか『ほんとにこの形じゃないとダメなの?』とか仕様書を見て色々疑問を考えてしまう。こんなことを考えながら組み立てていると、当然王様から『まだできないのか!!!』と言われちゃう。『申し訳ございません!もう少しで完成させますから!』
でもいつまで経っても完成しない(これ聞いた限りだと、明らかにクリエイタータイプだなと思う)。

しかし、車が完成しても話が続くのが人生。
王様は今度、『うーん…..なんか儂もっと速い車に乗りたいんだよねー』とか言い出す。
『え…』
焦る「暗記・モノマネ型」。だって彼らは、“自動車”という動く乗り物を作ることはできても、“速く走る自動車”をつくる仕様書が無いから作れないのだ。

ここで登場「法則型」!!!
彼らは、なぜ車が動くのか、動かすためにはどんなパーツが必要なのか、色々試したから全部頭で理解してる。だから、『あーね、だったらあのパーツでこういう風に組み立てれば速くなるよ』って言って速い車を作れちゃう。
ここからのフェーズは、法則型の独壇場。『王様!坂道登れる車作っときました!』とか『王様!晴れた日には屋根とかいらないんすよ!空見ながら運転できますよ!』とか、色々作って持ってくる。どんどん応用と工夫ができる。これが、疑問を持って分析する「法則型」の強み。

でも、これは結局「スパン・納期の問題」がある。
納期通りに物を用意して、終わり。の場合は、「暗記・モノマネ型」がうまく作って終わり。たまたま、速い車作ってって言われたから「法則型」の活躍場面があっただけで、大抵は前者の納期で仕事は終わる。

要は、それぞれの人種で活躍できるタイミングが違うということだ。

スパンが長いようなもの(長い目で見た仕事、ゲーム、ものづくり、など)の土俵では、やはり、「法則型」の追い上げには「暗記・モノマネ型」は勝てなくなる。

では、この差を埋めるにはどうすれば良いのか。
それは、「与えられたもの、情報を鵜呑みにするのではなく、疑問を持って自分で調べて考えること」だと要約できると思う(正直、同じようなことは今まで読んだ本や他のyoutube動画で見たと思う、でも実践できているかは不安)。

梅原さん曰く、
まず、車が来る。これが車の完成形だと。
今までは疑問を感じることなく、ただ車を作るミッションを達成していたのかもしれない。
でも、そうではなくて。『本当にこれがベストか?』『本当にこれじゃなきゃ動かないのか?』と疑問を持って、色々試してみる。

疑問を持って、自分なりの回答を試してみる

これほんとにどこでも言われるし、みんな言っとる。
…ん?ほんとにそうか?ちょっとニュアンスが違うことをみんな(クリエイター、アーティスト)言ってないか?
多分自分が聞いてきたのは、『とにかく手を動かせ!!!アイデア100出しや!!!』という脳筋フレーズ。
正直自分はこの言葉がかなり嫌いだった。てか今も嫌い。『とにかく腕立て100回や!できん奴はノロマや!』みたいな使われ方してるから体力ある運動部のウェーイしか乗り切れないようなそんなノリがある(自分も運動部やったけど地味な方やった)。
でも、梅原さんの言葉には回数とかどれだけやるとか、そっちよりも、「本当にそうなのか?」「本当にこれじゃなきゃダメなのか?」っていう疑問に重きを置いている気がした。
疑問を持って、自分なりに色々試してみて、それで『四輪は理にかなってるんだ』ということが、体験として理解できる。この疑問と試行の二つがセットでようやく質の高い努力ができるのだと感じた。

ここからさらに、「自分が試したことがなぜダメだったのか」フェーズに入っていく。「なぜ四輪がいいのか」「なぜこのタイヤがいいのか」「なぜこの形がいいのか」。
これに対して、自分なりの結論ができたら最後に、「じゃあどこなら変えられる?」「どこに改良の余地がある?」「どこに遊びの余地がある?」という発展・開発フェーズに突入していく。

ここまでの「法則型」の思考の流れはこうだ。

1. 既存のものに対して、「本当にそうじゃなきゃダメなの?」という疑問を持って、色々試してみる

2. 試した結果、「なぜうまくいったのか?」「なぜ試したことがダメだったのか?」「なぜこれは理にかなっているのか?」という原因の分析をする(うまくいっても分析する)

3. 自分なりの結論が出たら、「じゃあどこなら変えられるのか?」と進化を考えていく

「疑問 → 試行 → 分析 → 発展」の四段階を意識していくこと。

改めて、やはり“プロ”の中でトップを行く人は、とんでもないクオリティの努力家であると思い知った。でも同時に、その考え方をしっかりと理解して、言語化できているということにとても高揚した。

今日また一つアップデートできた。

こんな感じで学びの整理をしていこうかな、と思います。
では、また。