生まれた当初から、娘の爪を切るのに苦戦していた。
生まれてしばらくはそんなに気にならないし、ずっと家にいるからサボリ気味だったものの、保育園に通いだしてからはそうもいかない。本人もそうだし、何より周りのお友達や先生を傷つけてしまうのが怖くて、必ず週一回は切るようになった（それでも時々、長いと指摘される……伸びるの早いねぇ）。
寝ている間に切るといいと何かで聞いたことがあったけど、（なんでだかもう忘れてしまったけど）それは上手くいかなかった。
だから、０歳の頃は夫婦そろっての共同作業。夫が娘を羽交い締めにしている間に私が切るという。娘の泣き声がよく響いていた。娘も私たちも汗びっしょりになる。なかなかの戦いだった。

それがいつからだろう。「おかあさんといっしょ」や「いないいないばぁ」を熱心に見るようになって、見ている間にささっと切るようになった。本人も気にしてないし、私も妨害が入らないし、だいぶスムーズになった。

そして、２歳近くになった頃。
「今から爪切るよー」と言っても、逃げずに指を差し出してくれるようになった。「すぐ切るから待ってねー」と、しっかり待ってくれるように。
とはいえ、途中で気が散ったり、嫌になることもあるので、やっぱり「テレビを見ている間に」が一番いいかもしれない。

さらに最近は……録画していたアンパンマンのアニメを流している間に。
しかし、もう何十回と見ているからかたぶんアンパンマンにも飽きている。加えて、親の反応を見て面白がっているのか、右手の爪を切ってたら「はい、こっちー」と右手を引っ込め、左手を出し、「やっぱりこっちー」と次は左手を引っ込め、右手を出す。それを繰り返される。
「あー、もううっとうしい！」と言いたくなるのを抑え、とりあえず切らせてくれるのだからと右手左手とホイホイ切るが、そのうちどの指まで切ったかわからなくなり混乱。

スムーズに切らせてくれる日カムバック。
いや、もう自分で爪を切ってくれれば……なんてちらっと思ったけれど、それって何歳くらいだろう。小学生くらい？　そんなに大きくなられるとちょっとさみしいなあと思ってしまうのだった。