健康経営は国の指針。治療から予防へ。

こんにちは
『健康を企業文化に』を理念に健康経営アドバイザーの
健康マネジメントスクール
水野雅浩です。

日本と海外の健康観の違い

私が海外勤務していた頃に強く感じたことは、健康への姿勢でした。今から約20年前の私は、健康をすり減らして働き、病気になったら病院に行くことを当たり前にしていました。つまり、健康がマイナスになったら、お金と時間をかけてプラスマイナスゼロに戻す、という発想だったのです。

 香港で衝撃を受けたのは、昼休みにビジネスパーソンが漢方薬局に行列を作ることでした。彼らは、薬をもらうのではなく、漢方茶を飲んで、健康を維持することを習慣にしていたのです。つまり健康をプラスの状態をプラス・プラスにすることにお金と時間を使っていたのです。お金と時間のかけ方はCure(治療)から、Care(予防)へ世界は動いています。

この世界の流れに呼応するように、2014年、安倍内閣の日本再興戦略の柱の「国民寿命の延伸」の一貫として、健康経営が始まりました。

この方針に沿って、経済産業省では健康経営に取り組む企業を表彰する「健康経営優良法人認定制度」を構築。さらに健康経営に取り組み、業績を伸ばしている企業を、「健康経営銘柄」として選定。各種金融機関は、健康経営に取り組む企業は、リスクが少なく将来性があると捉え、金利優遇措置を実施しています。さらに、東京大学を筆頭として、健康経営をテーマに、ヘルスケアと仕事のパフォーマンスというテーマで研究が進み始めました。

産官学で大きな健康経営の流れが加速しているのです。

これをさらに加速させるため、経済産業省の2023年度の概算要求額は総額1兆3914億円。うち、『新しい健康社会実現』228億円を要求。この中に、①健康経営の拡大 ②医療DXと連携し、個人に最適なサービスを行う事業環境の整備 ③新規事業の創出支援を盛り込んでいます。このトップに来ているのが健康経営なのです。

休むから、働ける。「インターバル制度」が意味するもの


日本再興戦略の「国民寿命の延伸」という方針のもと、動き始めた健康経営ですが、この動きは、岸田内閣に入り、さらに加速します。「勤務間インターバル制度」を聞いたことがあるでしょうか。

2017年3月から始まっている「働き方改革」の政策の一環で、1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保するものです。このベースとなるのは、「人は、十分なパフォーマンスを発揮するためには、休息が必要だ」という考え方です。

2019年4月から努力義務化された勤務間インターバル制度ですが、2021年7月30日「過労死などの防止のための対策に関する大綱」の変更が閣議決定されました。厚生労働省は実施率4.2%を2025年までに15%に引き上げる目標を掲げました。


実際、自衛隊が海外や災害などでの過酷な任務につく際、その隊長がもっとも気を使うのは、「休息時間」つまり、疲労の管理なのだといいます。人は、体や心を酷使し続けてしまうと、疲労が蓄積し、ノーマルモードにリカバリーするまでに、過剰なお金と時間がかかります。私が健康経営の講師として伺った東レでも、15時になるとラジオ体操の音楽がオフィスを含め、全工場に鳴り響いていました。これも疲労度をリセットする取り組みの一つとして実施されているものでした。

過度に疲労を蓄積してしまう前に、休息を入れていくことが、結局のところパフォーマンスを維持する秘訣なのです。日本の人材を大切にする流れは、大きくかじを切りました。今までは、「そうは言っても、ライバル会社は長時間労働をしている」ことが気になり、働き方を変えられなかったかもしれません。しかし、国が指針をだした今こそ、日本全体が健康経営に取り組む絶好のチャンスなのです。


健康マネジメントスクール
水野雅浩


■プロフィール
健康マネジメントスクール 代表 水野雅浩 専門:健康マネジメント/健康経営 新卒から介護・医療サービスの事業のベンチャー企業の立ち上げに参画。最年少で支社長になり、2回の上場を経験。しかし、その過程で、胃潰瘍になり、メンタルや体調不良で退職する部下を見て、健康を犠牲にして来たことに疑問と後悔を持つ。その後、香港での勤務時代に、従業員の健康に投資をすることでパフォーマンスを上げる健康経営に出会い衝撃を受ける。帰国後、健康を後回しにする日本の風潮を変えるため『健康を企業文化に』をミッションに、社員の健康マネジメント/経営陣の健康経営をテーマに企業・行政・大学を中心に講師を務める。著書6冊。デビュー作『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はアマゾンランキング1位。

■著書
『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』 『グローバルで勝つ!太らない疲れない21の習慣』(アスカビジネス) 『稼げる男 稼げない男の健康マネジメント』(飛鳥新社) 『最強のサプリメント戦略』(アイディア企画) 『睡眠力』(アイディア企画) 『親子で作る健康習慣 本番力で受験に勝つ』(学事出版)

■講演実績
富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、北日本銀行、Huawei Technologies Co., Ltd.大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤなど 【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数保有資格

■保有資格
健康経営アドバイザー(認定番号3000092)東京商工会議所 健康マスター検定エキスパート・認定講師 一般社団法人 日本健康生活推進協会 日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366) 米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

■ホームページ
https://healthylifepj.com/
------------------------------------------------------------------------------





この記事が参加している募集

人事の仕事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?