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犬育てと子育て ❶

犬を迎えて気づいてしまった!

ハートフルコミュニケーションで子育てにコーチングを採り入れる方法を学び、トライ&エラーを繰り返しながらムスメを育てて十何年。紆余曲折を経つつも、ムスメも私もそれなりに成長した、と思う。
そしてこの一年。わたしはとても優しい声で話すようになった。「ワタシ、こんな声出るんだ!」と、自分でもびっくりするくらいに。 

その声で誰に話しているかというと、ムスメ、ではない。もちろん(?)オットでもない。相手はイヌ。はるばる宮古島から我が家に来てくれた。名前は「ちょぼ」。もう名前を書くだけでニッコリしてしまう。目が合えば「カワイイね~」「ちょぼ大好き」といった言葉が口から出ていく。世界一優しい声で。 

ちょぼは、毎日のサンポもゴハンもそれはそれは楽しみにしてくれている。だから雨の日のサンポも苦にならないし、ゴハンもいそいそと準備している。 傍でシッポをぶんぶん振りながら待つ彼女に「ちょぼ、イイ子だね〜。もうすぐだからね~」なんて言いながら。
そして、ふと思う。
「ムスメにもこんなふうにできていたっけ・・・」 

成人したムスメが子どもの頃、食事の準備はほとんどやっつけ仕事だった気がする。幼稚園の送り迎えのとき、ちょぼとのサンポほどには心に余裕がなかった気がする。
・・・いやいや、そんな時ばかりだったわけじゃない。一緒に笑い合った時間だって、たくさんあった。でもなぜか、できていなかったことのほうが良く思い出されるのだ。真面目か! 

恥ずかしげもなく言わせてもらうと、ちょぼに対しての私は優しさ一色だ。ところがムスメに対しては、未だにまだら模様。ついさっきも、ムスメがケーキを作るのに使った泡立て器やボウルで流しがいっぱいになったままなのを見て、
「夕食の準備ができないよ!」
と尖った声を出してしまった。 

これじゃいけない。そもそも、ケーキを作ってくれたお礼だってまだ言っていない。これでいいはずがない。
まずは謝ろう。気持ちを入れ替えて、優しい声で。 

ちょうどムスメが二階から降りてきた。
「ねえ、ちょぼ」 

・・・やってしまいました。
現場からは以上です。

米澤佐知子
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定コーチ


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