そこで鳴っているのは目覚まし

2023年10月15日、Zepp DiverCityへ向かうべく車を走らせた。ART-SCHOOLというバンドのフロントマン、木下理樹の誕生日イベントということで、POLYSICS、Syrup16g、ART-SCHOOLの3マンのためだ。木下理樹生誕祭自体は恒例のイベントらしいが、行ったことはなく、今回はSyrup 16gとの対バン、さらにゲスト有りという時点でチケットを取った。どちらも青春時代、当時のMDに焼いてずっと聞いていたバンドだったので、条件反射的に申し込んでいた。あとからPOLYSICSが発表され、POLYSICSは初見だがライブ見ておきたいなと思っていたので大変私得な面子となった。

前日に宇都宮までZAZEN BOYSのライブを見に行っていたので(これもあとで記録として書き起こす)脳みそが疲れている感覚はあったが、自宅からはスムーズにお台場へ着弾した。

DiverCityの中は家族連れ、外国の人、沢山の人でごった返していたが、Zepp DiverCityの近くに行くと、ART-SCHOOLやSyrup16gが好きなんだなと雰囲気でわかる人たちが増えてきて落ち着く。コレは完全な偏見と経験から思うのだけれど、このふたつのバンドが好きでライブに来るくらいの人たちにはおんなじようなオーラがある。わたしにそれがあるのかどうかはわからないけれど。

とりあえず北海道の美味しいもの売ってるお店があったので寄り、とうきびチョコやホットケーキミックスなどを買う。とうきびチョコは母が好きだし、ホットケーキミックスは家を出る前にホットケーキを夫と長女が作っていたのでなんとなく。

2階指定席だったので急いで入る必要もないので17時半くらいに入場。Zeppはソフトドリンクをドリンクコインと交換するとカラビナをくれるのだが、黒✕金の大変私好みのやつで静かにテンションが上がる。席に向かうと2階のど真ん中、なかなかいい席だった。チケットは2枚取っていたが同行者が見つからず、Twitterで譲り先を見つけていたので、チケット無駄にならなくてよかったなぁと着席してぼんやり考えていた。

初手はPOLYSICS。この3バンドの中では唯一の陽キャで、本人たちも言っていたが異色だった。あまり曲を知らなかったので予習をしていったが、ずいぶん昔良く聞いていたシーラカンスイズアンドロイドが聞けて、大変ぶち上がった。木下理樹とのエピソードもたくさん話してくれた。木下が財布をなくして交番に付き添って、木下の鞄の中に散らばった小銭を集めたら6000円くらいあった話とか。

2番手はSyrup16g。いきなり新曲を4曲ぶちかまし、あとから木下がライブ前に楽屋に行ってセトリを見たら知らない曲名が4つ並んでて、え?ってなったら誕生日プレゼントって言われた話とか、五十嵐が歌いながら、たぶん木下誕生日おめでとうって言ってたのが印象に残っている。久々に生活を聞いて、こちらも大変テンションがぶちあがった。

トリのART-SCHOOL。木下が何度もPOLYSICSやSyrup 16g、スタッフにお礼を言っていたのが印象的だった。いつもMCはたどたどしいのだけれど、精神的不調など活休を乗り越えて帰ってきたART-SCHOOLは轟音を操るモンスターになったなぁと感じたりした。知らない間に華奢な女子がギターとしてそこにいたのも新鮮だった。
戸高がART-SCHOOLに加入したときに買ったエフェクターをセットしてます、それで作った曲をって話してから演奏したスカーレットは忘れられない。10月だからやるだろうなと思ってはいたけれど、そういうエピソードがあったんだなとじんわりした。

わたしは音楽が好きだけれど、メンバーに深く思い入れることは滅多になく、楽曲がどうとか、そう深く思考することもあまりない。直感的に好きかどうか、それを聞いて自分の中に生まれたり、感じたりする思考や感情を受け取るのが好きなのだと思う。Syrup 16gやART-SCHOOLは、どちらかというと落ち込んでいるときに聞くことが多い。以前、派手に傷つく体験をしたとき、友人が落ち込んだときに聞いている楽曲をCDに焼いて持ってきてくれたことがあったが、その中にもちりばめられていた。たぶん、ずっとこれからも人生の中に聞こえてくる音楽なのだと思っている。

木下理樹、誕生日おめでとう。45の世界が素晴らしいものであるように、ひとりのファンとして願っている。

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