つながるアイ

塩田千春展に行く予定にしていることは以前にも書いた気がするが、なにやらテキストを募集しているらしい。A4サイズに、自分にとってのつながりとは?をしたためて送ると、何らかの形で展示される?っぽい。せっかくだから、なんか考えてみようと思い立った。

あなたにとってのつながりとは?というテーマ。
改めて、繋がりってなんだろうな、と思考する。

何の繋がりもなく、社会に生きている人っているだろうか。いるかもしれないが、薄い薄い繋がりが必ずあるのではないかと思っている。それすらなくなったとき、人は狂気に負けてしまうんじゃないか。

わたしにとっては、繋がりとは、この世にわたしを留めるもの。親しい人だったり、行きずりの人だったり、顔も見たことのない人だったり、もう二度と会わない人だったり、人との関係やたくさんの思い出。それから、わたしの好きな音楽や映画や美術作品、文章、お店、景色、場所などの概念や作品。塩田千春の作品のように、それらが糸になってわたしをこの世に留めている、つまり繋がっているように思う。

たとえば亡くなってしまったり、解散してしまったり、引退してしまったり、糸として繋がっていたものが切れてしまったものもたくさんある。そしてそれは生きていけばいくほど、多くなるだろう。新しく出会うものもあるだろうが、切れていく糸のほうが多くなる。それでも、切れていった糸の先の存在が残してくれた思い出や、そこにそのときあったであろう愛なんかは消えたりしないようにも感じている。優しさや、慰めや、なんでもない幸せ。そんなものたちに、死にたい夜から救われることが未だにある。

つながり、とは、人が生きていることそのものなのかもしれない。誰も信用していなくても、友達なんかいないと思っていても、今そこに何も見えなかったとしても。ひっそりそばにいる優しさに思いを向けて、誰かと繋がっていることを大事にしていけたら、人生ってそんなに悪くないのかもしれない。

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