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自立とは「必要な助けを自分で求められること」

 「CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識(著 シオリーヌ)」を読んで、「自立」への考えが深まったので、noteに描き残します。

 助産師/性教育YouTuberとして活躍しているシオリーヌさん。
 「CHOICE」には、性教育についてはもちろん、自分らしく生きるためのメッセージがたくさん込められていて、30歳の大人が読んでも、とてもとても温かい気持ちになりました。

自立とはなにか

 わたしの中の自立は、「ひとりで生きていけること」でした。
 大人になれば、社会人になれば、自分で収入を得て、人に頼らずに生きていく。
 親に頼れる環境じゃなかったわたしは、自分だけを信じて生きてきました。人に頼ることは迷惑で、頼ってはいけないと思っていたので、人に頼らない生活(頼れないと言ったほうが適切かも)を目指して生きてきました。

 しかし30歳になって思うことは、「ひとりで生きるのは苦しい」ということ。
 例え、人に迷惑をかけずに、人に頼らずに生きていても苦しいだけで、何の達成感も満足感もありませんでした。
 でも、人に頼ったことがないから、頼り方がわからないんですよね。

CHOICEに出会って変わった価値観

 書店よりも先に図書館で見つけ、思わず手にとった一冊。
 内容も言葉選びもすごく丁寧で、誰も取り残さないような、温かい内容。学校の図書室に必ず1冊、というよりも教科書と同じくひとり一冊、大切にしたい人にプレゼントしたいような本でした。

 その中でも、「自立」について書かれた言葉にハッとしました。

自立とは「必要な助けを自分で求められること」
自立とは「一人きりで全てやれるようにならないといけない」ということではなく、「自分のサポーターを増やし、困った時にサポートを求められる」ということ。そうして助けを求められる力を「援助希求能力」と呼んだりします。

 わたしは人に頼ることが苦手で、必要な助けを求められず、ひとりで苦しみ続けている、そんなタイプです。
 この言葉を読んで「人に頼っていいんだ」と思ったし、「必要な助けは自分で求めればいいんだ」と、なんだかぐっと腹落ちしました。
 今まで分かっていたけどできなかったこと、学校で学んでこれなかったことを教えてもらった、そんな感じがしました。

 また、当たり前かもしれないけど、こんな一文もありました。

もちろん誰の助けもなく生きていける人などいないので、誰かにサポートを求めることは全く悪いことではありません。

 小さい頃にこの言葉があれば、人に頼れるし、自分で行き詰まったときに人に頼って解決できる、そう思いました。


 わたしは常に、学校で教えられたこと以外が苦手だなと感じています。
 お金の管理や人生設計、仕事の選び方、人生の楽しみ方など、学校で教わらなかったこと、教科書に載ってないことが苦手です。その中には性教育も含まれています。
 教えられていないから、知らないから、周りの人と同じようにしていれば大丈夫。科学的根拠とか自分がどうしたいかよりも、周りの人の言葉に従ってしまう。今までは、そんな自分でした。
 また、行政などの相談機関では「困ったら相談してください」、「なんでも相談してください」という言葉が飛び交っているけど、人への頼り方がわからないから、支援の網からこぼれ落ちてしまう人がいるのではないか。
 義務教育で学ぶべきことは、学力もそうだけど、何よりも自分で人を選びSOSを出す技術だと感じました。


 30歳になりましたが、わたしはまだまだ自立の途中です。
 自立とは「必要な助けを自分で求められること」という一文が、「あなたも人に頼っていいんだよ」って、自分に許しを与えてくれました。

 性教育だけでなく、「自分らしく生きたい」と思っている人にはオススメの一冊です。


 全ての人が「生きづらさ」を手放し、「生きるのは大変だけど楽しい」と思える世界を目指して。 

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