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Hoi Zäme, ハイジです。

なぜ1人なのか?

スイス人夫ペーターと喧嘩したから。笑
私のマガジンにもある通り、昨年8月から12月まで夫婦で沖縄県に滞在し、そのうち宮古島に約3週間滞在していた頃の話である。
周りの徒歩圏内には何もなく、車が必須のAirbnbに滞在。
私が地図を見ていたら、「大神島」という名の小さな島を発見。
これは是非行ってみたい。
私のように行ったことのないところは、どこでも行ってみたいタイプの夫ペーターを誘い、すんなり後日行くことに決定。

出発当日

もはや何で喧嘩したのかも記憶にないけど、とにかく大喧嘩。
ペーターには「ハイジのような奴とはどこへも一緒に行きたくない!」とキレられる。
ここで私の日本人の大半の友人達は、きっと大変なショックを受け、傷ついてしまうだろう。

私はというと・・・
「100倍にしてキレ返す」という大人げないタイプ。
こんなんだから日本人の素敵な夫とはご縁がなかったのかな・・・と時々反省もするけれど、まあ過ぎたことは仕方ない。

ちなみに私の性格は、日本の中では少し気の強いタイプに分類され、欧米諸国では少し気の弱いタイプに分類されるであろう中途半端な奴である。

「私は1人でも予定通り大神島行くから!車は私が1日使うから、後から文句言わないでよね!」と捨て台詞を吐いて、私は早朝から家を1人で飛び出した。

いざ出発!

啖呵を切って飛び出したはいいものの、万年ペーパードライバーの私。
18歳で運転免許を取得してから、当時人並みに運転はできたものの、父が大変心配し続けた上に、東京在住ということもあり、運転する機会がないまま、いつのまにか私の運転免許証は、便利な身分証明書となってしまった。
そうは言っても、もう私には行く以外の選択肢はない。
大神島までの行き方は事前に調べてあったので、行くまでのルートや所要時間、運転用のメガネ等、念入りに準備して、出発。
独り言を連発しながら、ひとりの大冒険のスタート。

見知らぬおばさん達との出会い

腹を括ってやれば、人間何でもできる。
案外普通に宮古島側の港「島尻港」まで約30分運転できた。
港に駐車し、フェリーの出港時間までの間に、近くの「島尻購買店」まで歩いて、飲み物を買いに行くことにした。
歩いていると車のクラクションを数回鳴らされ、何かジャマな場所でも歩いてたかなぁと車の方を見ると年配のおばさん2人組が車の中から私に話しかけている。
おばさん「お姉さーん!ひとりなのー?」
ハイジ「はい。そうです。」
おばさん「えぇー!どこ行くの?」
ハイジ「近くの購買店です。」
おばさん「おばさん達もこれから行くから、車に乗りなさいよー!」
ハイジ「えぇー?!そんな申し訳ないです。」
おばさん「いいから!いいから!」
という訳で、近くの購買店まで車に乗せていただきました。
車内で話を伺うと、中部地方から観光で来ていて、その日は御嶽(うたき)を巡り、これから大神島に向かう予定とのこと。
おばさんAはお嬢さんが宮古島の方とご結婚され、娘家族を訪ねて来るのを兼ねて、海好きなおばさんBを誘って宮古島に遊びに来ていたそうで、大神島は2人とも2回目。
私の母とほぼ同い年のおばさん達に「なぜひとりで大神島へ?」と聞かれ、まさか夫ペーターとケンカしたからとは恥ずかしくて言えず、「夫は今日シュノーケリングに行っているので、私は別で行ったことのないところへ行ってみたいと思って。」と答えた。
9割本当である。
おばさん達は「いいねえ。すごいねえ。」とたくさん褒めてくれた。笑
おばさんBはおしゃべり&スピリチュアル好きらしく、「きっと神様に呼ばれてきたんよ〜」となんだかうれしそうだった。

フェリーで大神島へ

おばさん達と一緒にフェリーに乗り込み約15分、あっという間に到着。
大神島のホームページによると、

自然の神様に愛された島・大神島は、沖縄でも有数のパワースポット(聖域)が集中する島です。宮古島から4キロに位置している人口26人(2016年現在)の小さな島です。
https://o-gamijima.com/

とあり、とても神聖な島であることがわかった。
大神港に到着するとおばさん達に、
「おばさん達はこれからお昼食べるんだけど、もし良かったら一緒にどう?1人で観光したかったら、せっかく来たんだから、いつでも離れていいんだからね。」とお誘いいただいたので、「もしお邪魔じゃなかったら、よろしくお願いします。」と混ぜていただいた。
お店は島に唯一あるお店の「おぷゆう食堂」。
私はお腹が空いていなかったので、缶コーヒーだけ頼んで、後はお腹が空いたら自分で持って来たおやつでも食べたらいいかなぁと思っていたら、おばさん達が「ここはタコが有名でね、タコ飯美味しいから味見だけでも少しお椀に分けてあげるから、嫌いじゃなかったら食べてごらん。」
お金も受け取らず、お昼まで分けていただいて、もう2人共私のお母さんである。

島を散策する

おばさんBは、大神島でのシュノーケリングを楽しみにしていたそうで、食後は1人で海へ。
おばさんAは、前回島の住人によるガイドツアーに参加したことがあるそうで、私と一緒に説明しながらお散歩して下さるとのこと。
宮古島の歴史や大神島について説明して下さったり、かわいい娘家族のこと等、色々聞かせていただき、ふと「中部と沖縄離島は遠いけれど、こんなに頻繁に行き来できていいなぁ。」と基本スイスに住んでいる私はとても羨ましくなった。
おばさんA曰く、宮古島の底は珊瑚で穴が空いている為、海の近くを歩いても他で感じるような磯の香りがないそうだ。
その代わり、昔は土壌に水が吸収されず、その穴から流れてしまうことで食物が育ちにくく、大変な時代があったそう。
ここからはおばさんAの想像らしいが、「だから、宮古島の御嶽(うたき)は水がらみの場所にあるんじゃないかって思ってるの〜」とのこと。
勉強になった。

おばさん達とのティータイム

ひと通りお散歩し、おばさんBの様子を見に行ってみるとちょうどシュノーケリングを終えたところで、最終のフェリーまでは時間があるから、一緒におやつを食べようということになり、お互いにおやつを分け合いながらのティータイム。
おしゃべりが大好きなおばさんBは、スイスや私の結婚について興味津々のようで、「田舎に住んどるとスイス人と結婚したり、スイスに住んどる人なんか会わんから、興味津々なんよ〜」ととても楽しそうだったので「日本と繋がりの深いアメリカ人とご結婚されてる方は多いですけど、スイスはなかなか出会わないかもしれませんね〜。何でも聞いて下さい。笑」と言うと、「これだけは聞いておきたい」と言うので、何かと思ったら、
「旦那さんからのプロポーズの言葉って何だったの?」
乙女である。

おばさんBのシュノーケリングスポット

束の間の娘タイム

お話を伺うと本当に母とほぼ同い年で、母と同じようにスマホを使いこなしていなかった。笑
やりたいことができなかったり、わからなかったりするものの自分の子供達は近くに住んでいなかったり、忙しかったりで、些細な質問はなかなかできず、やり過ごしているようで、どこの親も一緒なんだなぁと自分の母親を思い出す。
「今日初めて会ったのに、私が携帯を触ってしまってもいいんですか?」と聞いてはみたものの、「本当は良くないんじゃろうけど、私はお姉さんのこと信じとる!」と信頼して下さったので、2人のスマホのお悩みを全部解決したら、「本当助かったわ〜」と大変喜んで下さり、私もとても嬉しい気持ちになった。

別れの時間

楽しい時間はあっという間で、お別れの時間。
お互い名前も知らないまま半日を一緒に過ごし、別れ際「これから1人で運転するの怖いんですよ〜」と弱音を吐くと「宮古島は制限速度の遅いところだから大丈夫よ!」と励まして下さり、簡単に名乗って別れた。
もう二度とお会いする機会はないのかもしれないけれど、2人共元気で長生きしてほしい。
とっても楽しい思い出深い日になった。

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