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【YMS】2年間のイギリス生活収支報告

私は日頃から家計簿をつけている。どれだけお金を使い、どのくらい稼いで、いくらくらいの余裕があるのかを一目で把握できる状態は、日々に安心感を与えてくれる。出費を抑えられた月の数字はドケチ精神を満たし、ささやかな幸福感すら与えてくれる。

帰国して半年以上経ってしまったが、スマホの家計簿アプリに残っているデータを元に、2年間のイギリス生活の収支をザっと計算してみた。

在英中の収支


まずは大まかな収支だが、その前に為替レートについて、今回は帰国時(2021年11月頃)のレート£1=¥156で計算することにする。ちなみに出国時(2019年10月頃)は£1=¥130~¥140くらいだった。

イギリス生活の収支

2年間で使ったお金が£20,167.94、約315万円である。単純計算で月々約131,000円ということになる。まあ妥当なところだろう。

続いて、イギリスで稼いだ分が£11,438.00、約178万円だった。これはほとんどが日本食レストランでバイトしていた時の給料で、実際に働いていたのは1年くらい。それに友達から個人的にもらった仕事で稼いだ分も少しある。

ということで、2年間で300万円以上使ったが、45%くらいは向こうで稼いだお金で補うことができた。赤になっている分は日本から持っていったお金で補っている。結果論でいえば、130万円くらい持っていけば、2年間イギリスで生活することが可能だったということになる。

事前準備金

次に、出国前に払った準備金について紹介する。

申請費などは2019年当時のもの


出発前にすでに150万円近く使っている。当時はお金に余裕があったし、何しろ初めての海外生活で右も左もわからない状態だったので、言われるがままにお金を支払っていた。が、今振り返ってみると「たっっっっかいな!!」と思わざるを得ない。

まず準備金の中でも飛びぬけて高額なのが、語学学校の費用だ。私は9カ月間という長期間のコースを選んだので当然と言えば当然である。内訳を紹介しよう。

まず入学金が£50。授業料が32週間で£7,740だが、割引が適用されて15%OFFの£6,579になっている。入学金+授業料=£6,629、当時のレートで約87.5万円ほどになる。

語学学校については完全にエージェント任せで、ブリストルで紹介できる学校がここしかないと言われたので、ほぼ迷うことなく決めた。後から知ったことだが、ブリストルにもいくつか語学学校があり、中にはけっこう有名なところや授業料がもっと安いところもあったらしい。後悔している訳ではないが、安く済ませたい人は自分でいろいろ調べてみるのがよさそうだ。

表にある「語学学校費用」にはさらにこんな費用が含まれている。空港送迎£230。ヒースロー空港からブリストルのホームステイ先まで車で送迎してもらった費用だ。送迎も頼んでおいてよかったと思ってはいるが、ヒースローからブリストルまでの電車賃は約£70。実に3倍以上である。

さらに、4週間のホームステイ代が£780で、宿泊手配料金が£30である。ホームステイは2食付きの値段ではあるが、やはり自分で部屋を借りた時の家賃と比べると割高だ。

これらすべてをふまえての£7,669、当時のレートで約100万円になる。いまのレートだと120万円になっちまうな。ここからさらに「海外送金手数料」というので8,000円かかっている。銀行の振込手数料も多少取られたかな。

あと振り返ってみて驚いたのが、IHS保険料を£800も払っていたこと。コロナを受けて今はさらに値上がりしているようだ。2年分の保険料でビザ発給の必須条件とはいえ、なかなか高い。NHSにお世話になったのはコロナワクチンの接種くらいだが、GPに登録した時もIHSを払ったときにもらった番号などは特に必要ないと言われた。せっかく払ったのに。まあいいけど。

また、海外保険についてもエージェントに勧められたところを選んだのだが、これもなかなか高かった。一度も使わなかったのに…。保険とはそうゆうもんだとわかっていながら、この出費はドケチには少し胸が痛い。

イギリスにはNHSという医療サービスがあり、基本無料で治療が受けられる。ビザ発給時点で保険料は必ず払わないといけないのだが、別にイギリスに住んでいれば誰でもこのサービスを受けられる。正直イギリスでは医療保険はあまり必要なかったと思う。

もちろん、無料な分GPは全然予約が取れないとか、対応が微妙とか、いろいろ問題もあるので、プライベートのクリニックでも使える海外保険に入っておくのは大事だ。何より私がこの保険に入ったのには、期間中ならイギリス国外へ旅行しても保険が適用されるからという理由もあった。ところが、蓋を開けてみればコロナのせいで2年間一度もイギリスを出ることなく終わってしまった。無念。

基本的に海外保険は最大1年で、翌年は更新しなければならない。更新のタイミングでいろいろ調べてみたが、すでに日本を出国している以上、別の保険会社に乗り換えはできない。同じ保険を更新をするか、現地の保険に入るか、無保険で滞在するかである。かなり悩んだが、海外旅行に行けるわずかな希望を胸に更新した。まあ一度もお世話にならずに済んだのは喜ばなければいけないことなんだけど。

YMS総支出

ここまでをまとめると、イギリスで使ったお金が130万円で、準備費用が170万円、合計約300万円が実質このYMSで出ていった総支出という事になる。こうしてみると準備費用の方が高くついているように見えるな。この130万円はもちろんイギリスでの収入を差っ引いたもので、実際にイギリスで使った総額は300万円である。結果として、イギリスで1年間働いてやっと準備費用の分が稼げたという感じになった。

出費の内訳

事細かに家計簿をつけていたおかげで、生活費の内訳も算出できた。せっかくなので載せておこうと思う。

イギリス滞在2年間の支出の内訳

便宜上、年ごとに分けているが、2019年は2カ月間だけ、2021年は11月頭までなので、丸2年の記録である。

まず家賃については、2019年はホームステイをしていたので割高になっている。2020年は家賃£400のシェアフラットに住んでおり、2021年は友達の家を間借りしていたので、お友達価格で£300だった。いずれも相場で見ると安かったので、かなり節約できた。

2020年3月からロックダウンが始まり、外食もほとんどできず、デリバリーも全然使わずに自炊をしていたので、食費もかなり抑えられた。2021年の食費が少ないのは、バイト先で賄いをもらっていたからだろう。友達との交流も少なかったので、幸か不幸か交際費もそれほど使っていない。

特に2020年は徹底して節約していたので、かなり出費を抑えている。反対に2021年はロックダウンも徐々に解除され、バイト代でお金にも余裕がでてきたのでたくさん観光をしていた。交通費と観光費を見てもらえば明らかだろう。ちなみに2021年の交通費には、スイス旅行の費用と帰国時の航空券なども入っているので高くついている。

イギリスでは服もほとんど買わなかった。使い捨て感覚でスーパーで適当に買った安いTシャツやズボン(実際に捨ててきた)、あとは本当に気に入ったもの数点である。

服に限らず、モノはできるだけ買わないようにしていた。なんせ物価は高いし、その割に品質は微妙だし、なにより買ったらそれを日本に持って帰らねばならない。イギリスで服を買いすぎて持って帰れないと嘆いていた友達もいた。もちろんファッションが好きならたくさん買って当然だとも思う。そこでしか手に入らないものがたくさんあるわけだし。

しかし私は、モノを持つこと自体が煩わしくなっていた。2年間で3回引っ越しをしていたし、期限がきたら日本に帰らなければいけないこともわかっている。そんな状態では物欲も湧かなかったし、何よりイギリスにいられるだけで私の欲はかなり満たされていた。スーツケース1つでいつでもどこへでも行ける身軽さはなかなか心地よい。

その反動なのか、日本に帰ってきたら安くて良いものがたくさんあって一気に散財してしまったのだが・・・。

以上が私のイギリス滞在2年間の収支報告である。

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