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スキルUPセミナーの内容を考える。

今月24日に開催予定の大人のスキルUPのセミナー。月一開催で今月のテーマは「集団指導と個別指導」。今回は本当に、元法務教官ならではのものを含めて先生向けのスキルUPのセミナーになるんじゃないかと思ってる。

と言いながら準備は本当に後手後手で…先週末にはサムネを作って正式に告知ツイートしたかったのだけど、情けないことにまだ(仮)すら取れてない。

こんな状況にも関わらずすでに5名の申込みがあったのですが…きちんと告知して必要な人・聴きたい人に届けられるように、今日はなんとか内容を整理します。(内容をある程度固めないことにはサムネも作れないので…)

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今回のテーマは若い保育士から現場の話を聴いたことがきっかけ。

現場のベテランが子どもの人数を把握しておらず、教室を抜け出した子がいたことに2時間気づかなかった…

という話から、法務教官の必須スキルである人員把握とその具体的なスキルを伝えたことからはじまっている。

そのやり取りがひと月以上前の話。それを踏まえて、先月20日に行った8月度のスキルUPセミナーの時にはすでにこのテーマを決めていた。

そうこうしているうちに先日、悲しい事故が起きた。バスの中に園児が置き去りになって亡くなった。事に至る園の仕事とその記者会見などは連日炎上している。正直僕は見ていないが、ちらっと目に入った限りでは、その子の水筒は空になっていたという。想像するだけで泣けてくる。

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昨今は、子どもの特性に合わせた指導が重視されている。現場でどこまで実現できているかはともかく、少なくとも表面上は、発達の偏りを含めた個々の特性を受け止めて、個別に近い状況を理想として教育や支援を語るのが時代の流れだ。

その結果、思考停止したアンポンタンたちによって「集団指導」が悪者にされているような雰囲気さえある。

ところが、実際にはなにをどうやったって集団指導の要素は現場からは消えない。それは善悪の話ではなく単純な、そして動かしようのない事実だ。

あたり前の話。

子ども一人に大人が一人就くのだとしたら、単純にその大人一人の年収分+αをその子に費やすことになる。毎年数十万人が生まれるこの国で、義務教育が終わる15歳までの間、1対1の状況を維持しようと思えば、天文学的な予算と今の10倍以上の人員が必要になる。

そんなのどう考えてもありえない。
できないし、できたとしてもおかしい。

教育現場というのは、子どもより大人の方が多いのが基本。だから集団指導自体は絶対に消えないんだ。

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また…

仮に天文学的な規模の予算と今の10倍以上の人員が確保できたとして…それでも1対1はありえない。そんな先生ガチャは誰も望まないだろう。比率は同じでも10対10の方がいいし、そうなれば結局10人という集団を指導することになる。

結局集団指導は0にはならない。

どこまで行ったって集団指導は消えないんだ。

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では集団指導とは何が必要なのか…。僕自身まだまだ思索を深める余地はあるが、少なくとも…

①規律・秩序の維持
②1対nの状況での働きかけ
③個別フォロー

は必須だろう。

集団である以上、そこで個々の自由が100%完璧に満たされることはない。放っておけばそこらじゅうで利害や自由の衝突は確実に起きる。

だから

集団(が存在している場)にはルールが必要。ビジネスの世界ではそこに目的も必須だが、公教育の場合、個々人が目的を持って集うことは必ずしも必須ではない。

その場にいる理由やモチベーションは様々で、参加しないこと(不登校など)も自由だ。が、場にいる以上はある程度ルールを守る必要がある。そうでなければ集団(が存在している場)自体が立ち行かなくなってしまう。

個性や自由を尊重する場でありながら、そこに個人の都合よりも優先すべき場の論理、ルールを設定する。

ここにすでに壁がある。

個人の自由や権利、個性を尊重するということと、場の秩序を守るということの間には溝がある。

これの落とし所をどうつけるか…そこに現場に立つ人間の哲学と力量が問われてくる。思考停止して言われたことをやるだけの人間には絶対に乗り越えられない問題だ。

僕からすれば初歩中の初歩で、ここを無視して社会生活を営むなんてもはや無理ゲーだと思うのだが、実際にはここを整理しないままのんびり生きてる大人も少なくないようだ。

結果、場当たり的な指導になって子どもの心が離れていく。

学級崩壊の序曲が聴こえる。

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こうした個人と社会の衝突なんて話の前にもっと大事なことがある。それは…

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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。