エッセイ 鬼まんじゅうは鬼まんじゅうです(名古屋の普段の和菓子)
昨年末にクリスマスのお話を書いた際、スキを押すと毎日日替わりでお菓子が出る、というしかけを作りまして、それだけのために随分資料集めたり写真をとったりしてしまったので、しばらくまとめ記事を書いています。(すいません)
今日は名古屋の和菓子について。地元の人が食べてるような普段使いの和菓子です。
『鬼まんじゅう』をご存知でしょうか。ご存知の方。ショックを受けないでくださいね。『鬼まんじゅう』は、愛知県のローカル食です。知っている、食べたことがあるあなたは少数派です。私はこれを大人になってから知りました。ネット記事です。
昨日に引き続きデイリーポータルZの引用で、私の好みがばれそうですが、とにかく、私はこの記事で初めて「鬼まん(鬼まんじゅう)」が愛知県のローカル食だと知りました。
リンク先の画像で少しうつっているように、「鬼まんじゅう」はいわゆる「まんじゅう」ではありません。さつまいも入りの蒸しパンみたいなものです。いや、蒸しパンは正確ではありません。蒸しパンみたいにふかふかではないんです。ええと。固いです。なんか固い。今、「それおいしいの?」って思いましたね? うーん。おいしいと思う。いや、めちゃくちゃおいしいわけじゃないんですけど、なんていうか、さつまいもの角切りを小麦粉でつなぎとめたような食べ物で、さつまいも以上の甘さはないし、ふわふわでももっちりでもないし……。
正確な鬼まんの表現を教えて、農林水産省さん!
……うちの郷土料理。郷土料理なんだ鬼まんじゅう……。やっぱりみんな食べてないんだ。悲しい。引用します。
「芋ういろ」……。確かにどっちかというとういろうかもしれない。ちょっとべたっとした歯応えするし。
最後の部分に注目してください。「高度経済成長期に、農家において腹持ちの良い、安価なおやつとして重宝され、定着していった。」そうなんですよ。私の実家、鬼まんじゅうがおやつとしてよく出ました。母が作ってくれたんです。(小さい頃うちは裕福ではありませんでした)鬼まんじゅうは、買ってくるお菓子じゃなくて、家で食べるお菓子でした。だから外で売っていなくても何も気づかなかったんだと思います。買うものではなかったから。ちなみに母は「チーズ鬼まんじゅう」と呼ぶべきものを開発していて、鬼まんじゅうにチーズを混ぜていました。当然、生地は鬼まんじゅうなので固いです。母はこれを「蒸しパン」と呼んでいたため、外で柔らかい蒸しパンを食べた私は大変衝撃を受けました。
名古屋で「鬼まんじゅう」といえば、覚王山の梅花堂です。
今回初めて来ました。ずっと買うものじゃないと思っていたんです。売り切れごめんなので、午前中に。どきどきです。
店内はこんな感じ。堂々、「鬼まんじゅう」って書いてあります。1こ170円(税込)です。
2個入りを買いました。和菓子屋さんの包みは可愛らしくて好きです。『梅花堂』さんなので梅がデザインされています。
中はこんな感じ。さつまいもがごろごろしているのがわかるでしょうか。これが鬼まん。鬼まんじゅうです。さつまいもの甘みで食べるお菓子です。1日しか持ちません。おいしい。おいしいけど、ケーキみたいな派手なお菓子じゃないんです。クリームとかあんこが入っているわけじゃない。なんだろうなあ、これ。
梅花堂は日泰寺というのお寺の近くの坂道にあって、坂をもう少し登ると不老園という和菓子屋さんがあります。
日泰寺は大きな市が立つお寺で、そこに来る人たちがよったりしてきたのかなあ、と思うとなんだか嬉しい気持ちになります。
最中をひとつ注文すると、お店の方が「待っててね」と言って奥であんこをつめてくださいました。つめたて最中です。
袋にいれてくださいました。本当にかわいい。
お店の名前が刻んである最中です。こじんまりしています。下が平らなのがオシャレです。上品なお味でした。
もう一つ、名古屋の和菓子の名店(地元の人向け)に行ってきました。名古屋市博物館の近くにある老舗のお餅屋さん、山田餅本店です。
ここも有名なんですけど初めて来ました。店先に立つだけでどきどきする。お餅が大好きなんです。
散々迷ってあやめだんごを買いました。左がきなこ(白インゲンのあん)、右がこしあん。招き猫が写っていないのは、嬉しくて一緒に写すのを忘れたまま食べてしまったからです。小ぶりでおやつにぴったりのあんだんご。だんご部分はもちろんもちもちでした。
元気のいい和菓子屋さんを見ると嬉しくなります。気取らずに、今日のおやつをちょこっとだけ買えるこうしたお店がいつまでも残っていて欲しいと思います。
応援に、また買いによらないとね!(言い訳)
明日は、名古屋駅にあるちょっと気になるお土産についてです!