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星空への願い事

いつも 仲良く一緒だった 三人
僕と 明と 朱里  そう 男子二人に、女子一人
漫画の様に  何故か気の合う 三人だった
学校でも それ以外でも とにかく仲が良かった

不思議と それぞれに恋愛感情は無いし
何処か 暗黙の了解だったのかも ………

高校に入学した時に、同じクラスで 
読書が好きな 三人だった!

よく文学や、思想など論議し合い 数式に なると
朱里だけが 得意気に話した 男子二人は 数学は
苦手な分野だった ………

明は、文学が得意で 古い物から 現代の作品まで
僕は 歴史くらい だったかな? 色々な国の

高二の ある日 いつもの 学園近くに在る
何時もの場所
図書館が 三人の 憩いの場だった
が!!!
その日  朱里を見たのが 最後だった ………

翌朝、学園長室に呼ばれ 学園関係者、警察関係者
色々な人から、色々な質問攻めにあい
僕には 訳が 解らなかった!
聞かれる内容は、朱里との会話や朱里に 変わった様子が無かったか! 最後に姿を見たのは 何時頃か!

明も、全く 同じ事を聞かれたらしく 朝から
機嫌が悪そうだったが  教室に 朱里の姿が無い
その事で、胸騒ぎが していた。

結局 朱里は学園には来なかった スマホを鳴らしても、Mailを しても 連絡がとれず ……
心の中で 家出か? とは考えたが  違っていた

二日後 TVのニュースやSNSで 女子高生行方不明と 出ていた! 
朱里の事だった ………

あの日 図書館から、家が一番近いのは 朱里で
途中にはコンビニも在り 防犯カメラには朱里の姿は 無く
何より、図書館の防犯カメラには………僕と明の 二人だけ……… 
三人で いつもの様に 談笑しながら 図書館前で
分かれたのに、朱里は映っては いなかった!!!

幾度も 警察関係者に 話しを聞かれ その度に 答えは 変わらず ありのまま を 真実を話したが
防犯カメラが 違うと 物語り 僕らの 言葉は 
徐々に 曖昧に なって行き ………本当に、あの日
僕らは 朱里と一緒だったのだろうか?

あの日以来 明との会話も 無くなり
もう半年が経った  季節は 秋から 春になり
僕らは三年生と なって 学園中 朱里の話題から
季節と共に 移り変わり  朱里が存在した事すら
もう誰も 口には しなかった。

あの事件から五年  大学生も今日で終わりの日
ふと手にした数式の本 ……忘れかけていた朱里
向かった先は、あの図書館 
あの日 朱里が手にしていたハズの本が 棚には
無かった!
また、何か自分の記憶が曖昧なのか 悩んだ!

あの事件の後 朱里の両親は 離婚をして 家は
何処かの不動産屋が 管理し 売りに出されていた
離婚の理由は、在り来りな 不明になった娘の事で、父親は お前の教育と監視が悪い!と 吐き捨て  母親は 貴方が娘に無関心だからよ!と
投げ返す言葉の 禍々しい 憎悪達
未だに 売れていない 朱里が存在したハズの家…

朱里 …………そもそも存在していたのか すら
もう 自分では解らなかった 5年と言う歳月
確実に 曖昧さは増し 頭の中も、心の中も 
ブラックホールが誕生した様に 部分的に 暗闇が
そこには あった ………

図書館で 数冊の本を借りる為 受け付けに向かう
その時! 
すれ違った女性 ……曖昧な記憶に埋もれたハズの
彼女の姿……… 通り過ぎた後、振り返り
その後ろ姿を ボンヤリと 何処か高いビルの屋上から 下を通る 通行人を見る様に 眺めた!
ハッ!  自然と足が その人の方へ 駆け出して
「アカリ〜っ!」 静かな図書館に 響き渡った
名前  誰しもが 僕を見ていた だろう………

ただ、その後ろ姿の人だけが 振り返る事も無く
歩幅も そのままに 扉の先へと ………
僕は走った 抱えた本を 撒き散らしながら
とにかく走ったんだ!
扉の先 開けた場所は 何故か 空だった……
そもそも、この図書館には 出入口と 御手洗くらい しか扉は無い!!! 昔から

僕が飛び込んだ世界は 星が輝く夕方と夜の 
合間みたいな 空で  落下する事もなく
あの後ろ姿の人は 歩き続けてるいた!
もう一度 大きな声で叫ぶ「アカリぃーーっ!」
………… 景色の星 どの星か解らないが
一瞬 輝き 後ろ姿の女性が 振り向いた

………図書館のテーブルで 開いた数式の本
僕の顔は そこにあった  寝落ちしていたのだろうか?  我に返り 席を立ち 周りを見渡す
いつもと変わりのない図書館 静けさの中ページを捲る音  ………

何か 聞こえる ……ピッピッピッピッ
単調なリズムと シュコー シュコー!と
これも 規則正しいリズムで ………
ボンヤリと光が  霞んで良く見えない
身体も 動かない …… 何か 聞き覚えある
声が 聴こえる  誰だ? 誰の声だっけ……

何やら周りが 慌ただしい! 幾つもの足音
眩しい光が、片方づつの目に 当てられ
話し声が 聴こえる  誰かが 僕を呼んでいる!
そう ………………………よんでいる

あの日 図書館で分かれた後
消えたのは僕だ …………
確か、雨が降り出し 走って帰宅するときに
横道から出てきた車に ……………
ICUで 目覚め 今はっきりと 理解した。
                                                                     五年も 意識不明のまま 昏睡状態で 
傍らには 朱里が 泣いていた 
明は 夢の中での存在だった
僕は五年も 朱里が行方不明の夢を 見ていた
らしい  夢  そう夢だった。

夢で見た 図書館の あの扉は おそらく
僕を目覚めさせる為の 何かだろう!
あの星空の空間が 境界だったのかな?
ならば、願うよ この世界で
今 夢の中に
生きる人が  ちゃんと戻れます様に と


                   皆様🤗こんばんは🌟
         いやぁ〜雨が 凄い午前中だった❗️
         そんな東京の夜は雲が綺麗な空で

良き夜を 良き週末を 穏やかに 熱中症に気を付けて‼️ お過ごし下さいませ😌

如何なる時も 感謝を忘れず  笑顔だと良いかな✨


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