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どんなかたちでもいいから、生きていてほしかったな

私の祖父は、10年ほど前に他界しました。

しかし今も、祖母の口から、

祖父の話題が出ない日はありません。


祖父が祖母にかけた言葉の数々。

祖父が元気な頃の行動や性格。


祖母が口にする話題の

大半は、祖父のことです。

それほど、祖母は

祖父を信頼していました。

そして、二人で力を合わせて、

家を守ってきてくれました。


ただ、私の記憶の中にいる祖父は

もう、ほぼ寝たきり。


筋肉が動かなくなる難病が原因で、

寝たきりになる前の数年間も

歩行が困難でした。


そして、意識ははっきりしているはずなのに

絞りだすような、か細い声が印象的でした。



どんなかたちでもいいから、

生きていてほしかったな。



これは、祖母が以前

ぽろっと口にした言葉です。


もちろん私も、

祖父には元気で、長生きしてほしかった。


でも、もうどこにもいないのが現実で、

それは、誰にもどうにもできないこと。


ただ、

祖母が寂しそうにするたびに、

今の大切さを痛切に感じます。


そして、

今を犠牲にしてはいけない

と強く思います。



生きている」とは、

「命があること」


ですが、

お互いが元気な時にしか

伝えられないこと。

お互いが元気な時にしか

一緒にできないこと。


いっぱいありますよね。


だからこそ、

今を犠牲にしないでください。


大切な誰かに何かを伝えられるのは

今しかないかもしれません。


記憶に残る時間を、今、

大切な人と一緒に過ごしてくださいね。




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