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ロバート・F・ヤング(海外SF作家)

今回は、ヘイヨーさんがリアルタイムで読んでいる本のお話をします。

リアルタイムで読んでると言っても、かなり古い作家で…
ロバート・F・ヤングっていう人がいるんですけど。SF作家ですよ。働きながら小説を書いていた人なので、発表作もあんまり多くないんですけど。それでも、印象に残るお話をいくつも書いています。

有名なのは「たんぽぽ娘」っていう短編小説で。いわば、タイムマシンモノなんだけど。実際にはタイムマシンは登場しないんです。会話の中に出てくるだけ。

じゃあ、どういう話かというと…一種の「浮気話」なんですね。主人公の男の人は結婚してて、家に帰れば妻が待ってるんですけど、偶然出会った若い女の人に恋をしちゃう。それも20歳も若い女性に!つまり、恋愛モノなんです。

SFの要素もあるし、重要な役割を果たしてるんだけど、メインのストーリーは恋愛物語なんですね~


で、この前読んだ作品に「九月は三十日あった」っていうのがあるんですけど…
ちなみに、この本に収録されています。

これも、恋愛モノなんです。

舞台になってるのは未来世界で。ある日、主人公の男の人が、アンドロイドを購入して帰ってきます。それも、女性型アンドロイド。

今回も、主人公は結婚しています。しかも、子供までいる。なのに、アンドロイドとはいえ、人間そっくりの女性を家に連れ帰っちゃう!つまり、これも浮気みたいなモノなんですw
この辺の微妙な心理がうまく描かれていて、ホッコリするんですね~

ちゃんとSFの要素も絡んでいて、しかも、みんなが納得する形で終わるっていう、ヤングならではの手腕が発揮された作品になっています。


もう1つ。
こっちは「時をとめた少女」って本に収録されているんですけど…

読んだのは表題作にもなっている「時をとめた少女」

今回は、未婚の男性が主人公です。でも、またもや三角関係!ヤングは、こういうの書くのがうまいんですね~

いきなり超ベタな展開で恋に落ちちゃいます!(日本のアニメでいうところの「学校に行く途中、曲がり角で食パンをくわえてる女の子にぶつかって恋に落ちる」くらいベタな展開!)

ところが、こっちは本命じゃないんです。メインのヒロインは、24時間後に出会う女性の方。で、実は両方とも宇宙人なんです。地球にお婿むこさん探しにやって来てたんですね~

で、あとから出会った女の子が、先に出会った方を「あんな奴と結婚したら不幸になるだけだから、やめておけ!」みたいに言い始める。「朝から晩まで働かされて、自分はクーラーの効いた部屋でテレビ見ながらオヤツ食べるような妻になるだけだから!」ってw

この辺、現実の嫉妬した女性っぽくていい味が出てるんですね。

で、最終的にSFの要素が絡んで一件落着っていう、絶妙のバランスになっています。

海外SFっていうと、専門用語の羅列で読むのが大変な作品も多いんですけど。ヤングは恋愛がメインだし読みやすいので、SF初心者も安心して読めるでしょうから、オススメできます!

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